いえない高収益企業の実態
どうも、公認会計士・税理士の望月です。
今日は、上記のタイトルに関してお話をしたいと思います!
私は、大学を卒業後、証券会社で約2年間働き、その後、公認会計士の資格を取得するために勉強期間を経て、現在のPwC監査法人で約7年の監査経験を積みました。その後、中小監査法人で監査に従事しながら、自身の会計事務所とコンサルティング会社を10年ほど経営してきました。
その実務経験のなかで、「こんなこともしているのか!」、「こんなこと教科書には書かれていない!」と驚くことも多くありました。これらの実務経験が、現在の私を形成していると思います。私たち公認会計士・税理士は、上場企業や中堅企業、外資系企業など、大中小さまざまな企業の状況を監査や経理の視点から見ることができることが、まさに”価値”だと思っています。
そんな中で、特に高収益企業を見ていると、その”源泉”がどこにあるのか、どんな仕組みになっているのかに興味を持って仕事をしていました。高収益企業には共通点があり、その実態をできる限りお伝えしたいと思います。
これからの内容は、決して個別企業とは特定できない内容ですし、一部フィクションが含まれていることをご承知おきで聞いていただければと思います。
以下のような方々に有用だと思います。
思ったより経営成績が伸びない経営者
赤字経営で資金繰りに困っている経営者
これから事業を始めたい方
事業責任者
逆にあまり意味のない人
ビジネスに興味がない人
企業という仕組みに興味がない人
高収益なんて作れないと思っている人
そんなの知っているよと思って動かない人
早速ですが、私が見てきた私が勝手にエクセレントだと思う会社をいくつか紹介していきます。あたりまえですが、会社名はいえません。
A社
この会社は、その業界ではトップクラスの営業利益率を叩き出す上場企業です。規模も業種もいえないけど、そばで見ていて驚きしかありませんでした。
徹底したコスト管理
このレベルが想像を超えてます(笑)
どこまで原価・予算管理をするのか、その粒度って結構困ってしまうところです。
人によっては、「そんな細かいところ・・・」と、しっかり細かくやっているのを悪くいう感じで暗にやりすぎは。。。って感じにしまいがちですが、
そこはちょっと違ってます。
確かに、予算の設定の際は、ざっくり感が否めないのですが、、、
そこ!そこ!が違うのでした。。レベチ。レベチなのです。
またー、どうせ一部のひとだけでしょ。職人的な。。。
そこ!そこ!が違うのです!! カルチャー。カルチャーなのです。
これは、トップから末端まで徹底した文化レベルになっている。
だから、そんなチーム、そんな組織が強いです。
そんな末端までって大げさな、、、第一そんなレベルまでやっても、(自分に)意味ないでしょ??違う!違い!還元がちがう!! ボーナス半端ない(笑)ほぼ年収(笑)
しかも、株主還元も違う。。。普通じゃない。
そう、仕組として利益出すと、みんな徳。三方よし。ってなってるんだよ。
こういう会社は、継続して強いよ。
もちろん、カルチャーレベルでしっかりだから、その会社に合わないひともいるだろう。でもさ、年収分のボーナスだよ(笑)※私が聞いたときはそうだった。。。
そんな組織にいたいじゃん、どうせ働くなら、ちゃんともらったほうがいいじゃん。正しいことをしっかりやったら、それの成果が出るんだから。
これは組織づくりの問題。たしかに、やっている事業も素晴らしい。ビジネスモデルとしてもいいとこおさえてるなーって思うけど、この高収益を説明するには、事業選択だけではないと思うんだよ。
徹底したコスト管理
分かってくれたかな?伝わったかな?
つぎ、B社
これはどちらかというと、私が気になっていた会社があって、その退職した人をインタビューして、やっぱり、仕組みが違うなって思った会社です。
そこも高収益というか、高企業価値の上場企業。
なにが違うって、営業の管理レベルが他社とはちがった。
聞きづてだから、どうしても私の体感レベルでは、情報が薄くなってしまうけど、噂にたがわず徹底した営業管理してた。
まずは、新人のころには、ブラザー的な上司がマンツーマンでついて、ゴリゴリにPDCを回していく。。その管理シートみたいなのは、よくあるパイプライン管理や、ファネル型のプロセス管理シートみたいなものだったけど、そのマンツーマンでの指導の粒度が細かい(笑)。
もちろん、聞いたのは退職した営業担当のみですが、割と書籍でも取り扱われてる会社で、書いてある内容と、聞いた内容では違和感ない感じでした。
その粒度は、まずはどこのだれに、いつ、どんな内容の話をしたのか、1件1件説明して、「どんな感じで話したの?やってみて」レベルで、ポイントを指摘していく。ある意味、俗人化する営業スタイルが、テンプレート的な型にはめられていく。しかし、そのテンプレートがいままで実証されてきた最強テンプレートなんだけどな。。
そんなフィードバックを繰り返し、徹底して実施していく。
しかも、それが、カルチャーになっている。そう!カルチャー!!
簡単じゃない。カルチャーって、トップが体現していかないとできないし、その末端まで、そのカルチャーを感じさせていかないとできない、続けていけないもの。。伝統なのか、そんなレベルだった。
いずれにしても、何がポイントかって、ハード系PDCを回すこと。
ごく当たり前なのことなのかもしれないが、きっちりPDCを回すことって、パワーが必要なのよ。ちょっと思いつきじゃつづかないよ。
習慣になって、カルチャーになっているのよ。。それが”源泉”なんだよね。
※PDCは、Plan-Do-Checkね。Actionも必要ね!
ハード系PDC
そう、そんな感じでいえば、伝わってくれるかな。
そして、C社
この会社は、もし、知らなかったら100万円あげるよ!レベルの会社の子会社。上場会社だった(あ、もちろん今でもね)。
当たり前ですが、ここも予実管理がしっかりでした。月次決算も4営業日で締めてたし、上場企業であれば、当然なのかもしれない。
でも、ここで気づいたのは、この当たり前に4営業日で締めるって大事で、中小企業なら、1営業日、2営業日で締めろってことなんだよね。できますか?やってますか??
早く締める目的は、2つ。1つは、開示資料をつくるため、もう1つは管理会計のため。決して節税とか云々ではないのよ。
上場企業だから、開示資料を作るためには、できるだけ早く実績数値を固めていって、子会社もあるから、連結会計もしないといけない。そのためには、個社は、4営業日は必達。そのあとに、経営管理や企画が数字検証して、また、PDCを回す。。。当たり前なのかもしれないけど、それを目指さないといけない。勝てない、継続できない。。そんな厳しい現実なんだよね。でも、思うんだけど、ほんとにしっかり、月次決算を早期でやっている会社どれくらいあるのかな?私が見ている中小企業でも、なかなか締めるのが時間かかってしまっているよ。まずはそこをしっかりやるだけでも違うんだと思うだよね。
ポジショントークでしょーって言われがちだけど、実際にうまくいっている会社はそうなんだよ。
モデルのあの子が暴飲暴食しないのと同じぐらい、当たり前だとおもう。
運動、食事、睡眠が基本であって、整理整頓、ホウレンソウも大事。同じレベルで早期月次決算なんだよね。それができない企業は、管理がよわよわで、利益なんて積み上がっていかないんだよね。
月次決算の早期化しましょうって、現場サイドに言っても、自分のいままでのやり方を変えることになるから、なかなか進んでいかない。
そう、人間は、変化が苦手なんだよね。
よほど、経営者のトップが本気でやっていく、必要だって言わないと無理。いってもまずは、「実務がわかってないから。。」的な、自分の土俵に乗せて相撲を始める。いえいえ、これは経営の根幹で、経理だけの問題ではなく、みんなのボーナスにかかわってくる問題なんだよ(笑)
会社の利益率が低い理由に、経理が脆弱って正直あると思う。ただ、処理をすればいいわけでもないし、スピードと正確性と情報量も求められる。この問題の根源は、経営者、そう、会社のトップが、経営数値を早く把握することの価値を知らないから!!学校の教科書には書いていないし、わかっていないからなんだよね。残念ながら。
1日で判断できたことが、10日後に判断したり、1か月後に判断したりしてたら、”遅い”ことが罪なのは明白だよね。”早い”ことが価値だし、それぐらいしか価値出せないんじゃないかって思うよ(特にうちの会計事務所)。
そんなわけで、
早期月次決算
これがうまくいっている会社が必ずだどりついている基本なんだと思う。
まとめると、
①徹底したコスト管理
②ハード系PDC
③早期月次決算
この3つをやろうよ。これができることで、これをまずはやらないといけないことなのよ。めんどくさいけど、やろうよ。
そもそも、めんどくさいって、やれることなんだよ。できないことをめんどくさいって言わないのよ。
”稼ぐ”って、薄利を重ねるというより、工夫して高利を目指すことだと思う。工夫を重ねていけば、できることだと思うよ。できなことじゃない。
利益が増えれば、社員に還元もできる。利益が見えていれば、計画的に投資もできる。なんか行き詰った感じのある日本で、これがまずできることなんだと思う。
まずは高収益企業にならって、できることを重ねてやっていこう。
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