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いったい『ビジョン・バーストPDCサイクル』なんでしょうか?

はじめに

 こんにちは。公認会計士・税理士の望月史郎です。私は、CATAPULT会計事務所およびカタパルトコンサルティング合同会社を運営しています。先日、NOTEに「『ビジョン・バーストPDCサイクル』の重要性」という記事を投稿しました。しかし、読者からは「専門的すぎる」「わかりづらい」というフィードバックをいただきました。率直なご意見、本当にありがたく受け止めています。
 私個人としては、ビジネスをしていくうえで、私が考えている仕事のエッセンスというか、利益の源泉となる考え方というか、いずれにしても自分ではこの考え方を知らずには何もできないのでは?と思うほど、伝えたい考え方です。
 理解していただければ、よくいう”ギャップ分析”と、”PDCAサイクル”を連動させて、かつ、ビジョンというか、目標、目的を強く意識したテイストに仕上げたものになります。
 ここで、”よくいう”という感覚がズレているとの指摘がありました。まずは、ギャップ分析という概念や、PDCAサイクルという概念も知らない、聞いたことない人には、まったくの未知な事項となっていました。
 何事もわかりやすく簡単に伝えたい。伝わらなかったら意味がない!って思っている私の価値観からズレてしまっていたことを反省し、できるだけわかりやすいような内容に書き換えていきたいと思っています。最後までお付き合いいただいた際は、きっと、このフレームワークは”使える!”って思ていただけると信じております(すでに実証されその効果は間違いないです)。では、今しばらくお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

『ビジョン・バーストPDCサイクル』ってなぜこんな名前なの?

「ビジョン・バーストPDCサイクル」は、①ビジョン、②バースト、③PDCサイクルという3つの要素から成り立っています。ビジョンを最優先にし、PDCサイクル(Plan-Do-Check)を効果的に回すために、強力な推進力である「バースト」を加えました。
次の②バーストは、いろいろ悩みました。トリガー、ドライブ、アンカー等々、ChatGPTさんに相談しながらいろいろ候補を考えた結果、バーストという表現が、爆発的な加速をさせるイメージでかつ、ちょっとジャンプっぽいところが気に入り採用しました。ほんとにバーストさせてくれると思っています。③PDCサイクルについては、結局は、PDCサイクルをどうしっかり回していくかの王道でしか、成長はないし、成果もないことからそのまま入れています。PDCAといったPlan,Do,Check,Actionといった4要素で、4つ目で躍動感を出すとの考えもあるとは思いますし、PDCA(ぴーでぃーしーえー)といった音もよかったのですが、PDC(ぴーでぃーしー)で足りるし、トライアングルの安定化も好みなので、PDCサイクル(ぴーでぃーしーさいくる)としました。何事も長く説明すればいいわけではないと思っていますが、少しでも作成者の意図が伝わればとの想いで説明してます。

 つまりは、ビジョンをしっかりとイメージしながら、PDCサイクルをぐるぐるすれば良いよ!とのことが言いたいのです。
ただ、それだけだと、やはり伝えたいことが伝わっていないため、詳細にコンコンと説明したいと思います。

ステップの順番

繰り返しゴール地点を確認することで、ゴール地点に基づいた計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)が途切れることなく進行します。
以下の順に進めることで、ビジョンがPDCサイクル全体を回す原動力となります。
いままでは、以下のように、ちょっと外国かぶれてしまっておりました。もっとわかりやすくするために、母国語である日本語で伝えていきたいと思います。

  1. Vision(ビジョン)

  2. Actual(現在)

  3. Issue(問題&課題:ギャップ)

  4. Plan(計画)

  5. Do(実行)

  6. Check(確認)

改め、

  1. 未来のゴール地点

  2. 現在のスタート地点

  3. 課題

  4. 計画

  5. 実行

  6. 確認

上記の流れで説明していきたいと思います。

①未来のゴール地点

まずは、夢や希望から考えていきます。
ドラゴンボールに出てくる神龍(シェンロン)が3つまで願いを叶えてあげるよと、急に言われたら、何を願いますか? 

神龍をイメージしてください

なかなか即答して自分の満足のいく回答をすることは難しいと思います。普段からしっかり考えていれば別かもしれませんが、なかなか迷ってしまいます。
健康、富、愛する人の幸せ、不老不死、夢の実現、世界平和、キャリアの成功、知恵や知識、自由な時間、人間関係の改善。。いろいろあると思います。そのうち、3つとなるとこれこそ時間を下さいと言いたくなるものです。
そんな未来にかなってほしいゴールをイメージして欲しいのです。しかもできるだけ具体的に。たとえば、”将来、海が見える家に住みたい”と思ったとします。これを具体的に叶えるためには、将来は、5年後なのか、10年後なのか。海が見えるのも目の前がいいのか、遠くに少し見えればいいのか。家がいいのか、マンションではだめなのか。。。漠然と考えたいたもののイメージをそれを具体的にする。どこかの物件情報を入手して眺めてみるのもよいし、実際に物件の下見でもしたら、それはより具体的なものになっていく。ここでは、できるかぎりリアルに、具体的にしていくことがポイントになります。もしかしたら、その具体化をしていく過程で、違うゴールを目指す形になるかもしれませんが、それは、具体化という”行動”をして得たあらたな経験であるので、まったくの無駄ではなく、貴重な1歩なのです。頭で考えているだけではグルグルとして進まなかったものが、数センチでもゴールに近づいていることがポイントになります。
また、一人でその作業が難しい場合は、AIを活用して助けてもらこともポイントです。抽象的な内容を具体化する手助けを得ることができます。

ここでは、自分が求めるゴールを徹底的に深めることが大切です。妄想を繰り返しながら、理想の形を探し出し、それを文章や図、画像にして記録し、伝えることができるようにしておきます。また、定期的にビジョンに変更がないか、ブレや不明な点がないかを確認する習慣を身につけることも重要です。

海の見える家

②現在のスタート地点

ゴール地点を徹底的に検討した後は、現在のスタート地点の状況を冷静に確認することが重要です。まずは、自分が持っているスキル、時間、お金などを正確に把握しましょう。このスタート地点の状況把握は、先に具体化したゴール地点に並べていくことをおススメします。たとえば、”将来、海が見える家に住みたい”というゴールが具体化され、葉山に中古住宅で3億円の物件が自分のイメージに近いとしたとします(これは夢であって、それを具体化・妄想することにはお金はかかりません!)。現在の状況からいうと、まだまだ資金の部分が足りないのが現状です。このスタート地点を確認する。そこから1歩ずつ考えていけばよいというのが私の意見です。ゴール地点として、この物件に住むのが10年後としたとき、単純平均で3千万円を貯めていくことが必要となるな。税引後で3千万を作っていくためには、追加で所得として約6千万円を用意しないといけない。そのような所得を作るには自分でのビジネスが必要であって、還元率が10%とした場合では、約6億円の売り上げをあげるビジネスが必要になる。このように、具体的に考え、繰り返してどうしたらできるのか?何が足りないのかを考え続けていくことがポイントになります。そうすると、よりゴール地点にたどり着くまでに何が必要になってくるか、その繰り返しをしていく必要があります。ゴール地点とスタート地点を繰り返し確認することで、次のステップである課題(ギャップ)につながっていきます。

ゴールまでの道のりはいくつもある

③課題(ギャップ)

ゴール地点とスタート地点の間に存在するギャップ(課題)を認識することが重要です。ゴール地点を具体化し、ゴール地点とスタート地点を比較する過程で、ギャップを抽出して解決すべき課題が明確になります。具体化されたゴール地点とスタート地点が明確であれば、課題も自然に見えてくるはずです。その課題が明確でない場合、ゴール地点やスタート地点の認識がまだ不十分である可能性があります。この場合、再びステップ①や②に戻って、具体化を進める必要があります。ここでも、AIを活用して「課題をより具体的にするための問い」をインプットすることで、課題の明確化を支援することもできます。

階段の段差を低くしていくことがポイント

④計画

課題が明確になったら、次はそれを解決するための計画を立てます。この計画では、ポイントとなるのが経営資源の確保です。経営資源とは、ヒト、モノ、カネ、時間、情報をいいます。ビジネスをやっていない方もいらっしゃるので、経営資源といっても関係ないと思われるかもしれませんが、やはり、ゴール地点に向かうには、それなりのガソリンが必要になるのです。スタート地点から、ゴール地点まで、物理的に考えたら、たとえば車に乗って、ナビゲーションを設定して運転していけば、到着できると思います。いまでは、GoogleMapで目的地を検索さえすれば、いくつかの手段で、また、いくつかのルートで自分にとって都合のよいものを選んでそれに従えば、ゴール地点までたどり着けます。東京渋谷区のスクランブル交差点から神奈川県藤沢にある江の島の灯台まで行きたいと思った場合、”江の島シーキャンドル”という単語をしっていれば、車で1時間ほど、電車でも1時間30分で到着ができそうです。ここまで具体的であれば、それに必要な時間の確保や移動に伴う費用などを用意すれば、実現可能な旅行計画ができそうです。ある意味、修学旅行で作成された”旅のしおり”を作ることがこの計画におけるポイントになります。
ちょっと脱線しますが、会社が作成する”事業計画”って見たことありますか?あれと”旅のしおり”の違いってわかりますか?シンプルに具体性のレベルが違うと思うのです。たいていの会社は、抽象的なレベルで終わってしまって、具体的な内容までは決定していない。もちろん、あまりに不確定要素が多いから、そこまでカチッと決めることはできないとは思います。でも、進んでいくなかで、今月の予定、今日の予定が見えてきたときに、それは、ゴール地点につながっているものなのかが重要になってきます。どうしたらゴール地点にたどり着けるかのイメージできるような計画を作っていきましょう。
繰り返しとなりますが、限られた経営資源を最大限に活用する方法を考える必要があります。ゴール地点にたどり着くために必要な経営資源を明確にし、具体的な実行計画を立てることが重要です。計画を立てる際には、何を(What)、誰が(Who)、いつ(When)、どのように(How)を具体化し、加えて最も重要なのは「なぜ(Why)」を明確にすることです。この「なぜ」が明確でないと、計画が適切に進行しない可能性があります。計画はタスク管理ツールを活用して管理することが望ましく、計画と課題の関連性が確認できるツールが理想的です。

⑤実行

計画がすぐに実行できるレベルまで具体化されていれば、あとはそれを粛々と実行していくのみです。ただし、計画では予見できなかった現実的な障害により、実行が困難になる場合があります。その際は、迅速に原因を把握し、難易度が高いのか、時間が足りなかったのかと不足している内容を特定し、必要に応じて計画を修正する必要があります。目の前にある課題の解決については、担当者(もしくは自分)が責任を持って管理すべきであり、進捗状況は速やかに共有され、必要に応じて再度実行されるべきです。

⑥確認

確認には、以下の5つの重要なポイントがあります。理想的には、計画を立てた人や実行した人以外の第三者が確認を行うことが望ましいです。確認担当者は、①課題と計画がマッチしているか、②計画通りに実行されているか、③実行の結果が課題解決に貢献しているか、④その課題がゴール地点につながっているのかを確認し、⑤評価することが重要です。計画を進めていく担当者は、これらの確認を主におこなう役割を果たすことが求められ、適切な確認が行われないと、全てが無駄になる可能性もあります。

チームでの運用

『ビジョン・バーストPDCサイクル』の運用は、個人でもチームでも効果的に機能します。特にチームでの運用では、各メンバーがどのステップを担当し、次に何をすべきかをゴール地点につながっているかを理解することが重要です。ゴール地点共有し、全員がそのゴール地点に向けて一丸となって進むことで、PDCサイクル全体が”バースト”する力を得て、より効果的にゴールを達成することができます。

最後に

最終的に、『ビジョン・バーストPDCサイクル』の成功は、ゴール地点の具体化にかかっています。先ほどから上がっている”将来、海が見える家に住みたい”というゴール地点があった場合、その背景にある「なぜ」を徹底的に追求することで、真のゴール地点が明らかになります。このプロセスは、個人でもチームでも効果を発揮します。ゴール地点を具体化し、それを繰り返し意識することで、PDCサイクル全体を強力に動かし、目標達成に向けたバースト力を生み出します。

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