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公認会計士が経験から学んだビジネスの原則:等価交換の原則とマーケットの関係性

 ビジネスが上手くいくための再現性のある法則や、本当に使える考え方について、ビジネスに携わる人は常に模索しています。しかし、ビジネスは非常に個別的かつ具体的なものであり、ケースバイケースで成り立っています。運や確率の要素も少なからず存在する中で、上手くいくビジネスの背後には一定の法則があるのではないか、と考えざるを得ません。

 その中でも、私が注目しているのが「等価交換の原則」です。これは、等しい価値が存在する場合に交換が成立するというシンプルな原則です。しかし、ここで重要なのは「同じ価値のものが交換される」という点ではなく、「どのような場合に交換が発生するのか」ということです。この「価値の交換」こそがビジネスの本質であり、取引の基本です。

 交換が発生しない場合、それは交換を促すためのアピールが足りていない(認知が低い)こと、または、価格に見合った価値と認識されていないことが原因であると考えられます。
 手順としては、まずその商品やサービスが価格に見合った価値を提供しているかどうかを検証し、適切な価格設定を行い、その反応を確認することが重要です。
 この価格設定において考慮すべきは、商品・サービスの原価を踏まえた上で継続的な利益が確保できるかどうかです。
 さらに、複数の要素が絡む場合でも、それらが一連のものである場合は、その一連の収益性を検討し、事業戦略上一体として収益性を確保する必要があります。
 そして、交換が成立した後には、さらにアピールを強化することが求められます。

 しかし、これらのプロセスを実行する際には、そもそもその商品やサービスに対する市場が存在するのか、つまり需要があるのかを慎重に検討する必要があります。市場が存在しなければ、どれだけ優れた価値を提供しても交換は成立しません。市場調査やターゲット層の分析を通じて、実際にニーズが存在するかどうかを見極めることが肝要です。

 このように「等価交換の原則」を軸にビジネスの課題を整理することで、交換が発生しない原因を特定することが可能です。ただし、そこにそもそものマーケットが存在するかどうかは別途検討が必要であり、これがビジネス成功の鍵となる要素の一つです。マーケットがない状態では、いかに優れたプロダクトやサービスであっても、成功することは難しいです(ベンチャーあるある)。そのため、ビジネスを始める前や新しい商品を投入する際には、市場の存在とその規模、ニーズを十分に確認することが、成功への第一歩となります。


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