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京都大学11月祭 「パレスチナ写真展」に向けて

私が選ぶ1枚

担当:にっしー

何か暴動、騒動でも起きたのだろうか。そうではない、これは難民キャンプに侵入するイスラエル軍の様子だ。正面のテナントに入っているのが、見切れてはいるが「~~Style」というかわいらしいブティックであること、青い看板にはティアラとプリンセスらしきイラストが描かれていることなど、背景が一般的な風景であることでこの写真の異様さは強調されている。パレスチナ人はイスラエル軍に突然街中で取り調べを受けることがあるという。「日常らしい日常」と「異常な武装」の明らかな非対称がパレスチナの日常の一側面なのだ。
パレスチナの人々は彼らの存在をどのように教えられ、どういった感情をもっているのか。イスラエル軍の人たちはどのような表情、目線でパレスチナの民間人を見るのか。常識を疑うことが難しいように、あからさまな不均衡の常態化に対するある種の慣れのようなものを感じている可能性もある。ただ、受け入れるべきはこの写真が特別な瞬間ではないということだ。写真展ではこの写真のほかにもイスラエル軍とパレスチナ人を映した写真を展示している。ぜひ見に来てほしい。

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