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本棚は段ボール

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読んだ本の感想を述べています。 ネタバレ等ありますので気にする方は気をつけてください。
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#安部公房

本棚は段ボール Vol.32 『水中都市 デンドロカカリヤ/安部公房』

安部公房生誕100周年ということで、書店という書店で安部公房作品を一挙に並べていて嬉しい。

頭のおかしい人間の、普通の人間から、段々思い込まされていって狂ってしまう、その過程がなんだか共感できるのに確実に頭のおかしい人間だと思わされる感覚が、自分も一歩違う方向に踏み出して気付かなければそのままおかしくなってしまうだろうという気持ちにさせられる。

また、本書は「嫌な気分になる」「イライラする」と

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本棚は段ボール Vol.9 『一人称単数』/村上春樹

本棚は段ボール Vol.9 『一人称単数』/村上春樹

友人に借りてよんだ。
友人は、「謝肉祭(Carnaval)」が1番好きだと言っていた。
何となくそれは分かる気がした。(その友達がどこを、というか何を好んだのか、ということについて)
ただ、そういうことを意識してしまうと、その話は「友達の好きな話」になってしまって、一番好きな話になり辛い部分はあると思う。

「品川猿の告白」は、安部公房氏の影響を受けていたりするのだろうか。名前を盗まれるというのは

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