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本棚は段ボール

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読んだ本の感想を述べています。 ネタバレ等ありますので気にする方は気をつけてください。
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#村上春樹

本棚は段ボール Vol.16 『ダンス・ダンス・ダンス(下)』/村上春樹

本棚は段ボール Vol.16 『ダンス・ダンス・ダンス(下)』/村上春樹

じっと待つ。
簡単なようでいて、非常に難しいことだと思う。

ファンタジーだったけれど、共感するところや、現実にもこういうことってあるのではないかという心の動きや行動指針の示唆に富んでいたように感じた。

じっと待てばわかる。じっと見れば分かる。そうなりたい。静かに、的確に、ステップを踏みながら人生を踊りたい。

何もできないとき、分からないときは静かに待つということは、本当にそうだと思う。時間は

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本棚は段ボール Vol.9 『一人称単数』/村上春樹

本棚は段ボール Vol.9 『一人称単数』/村上春樹

友人に借りてよんだ。
友人は、「謝肉祭(Carnaval)」が1番好きだと言っていた。
何となくそれは分かる気がした。(その友達がどこを、というか何を好んだのか、ということについて)
ただ、そういうことを意識してしまうと、その話は「友達の好きな話」になってしまって、一番好きな話になり辛い部分はあると思う。

「品川猿の告白」は、安部公房氏の影響を受けていたりするのだろうか。名前を盗まれるというのは

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本棚は段ボール Vol.7 『ダンス・ダンス・ダンス 上』/村上春樹

本棚は段ボール Vol.7 『ダンス・ダンス・ダンス 上』/村上春樹

村上春樹さんの作品を、ほぼ初めて読んだ。
「続きを早く知りたい」という感覚を久々に味わった気がする。

出来事の流れと言う意味での物語が面白いと思える本はそうないと思う。人物像が面白いとか、この人がどんな人なのかどんなことをしでかすのか気になるということはあっても、大きな流れとして出来事、出来事でそのひとつひとつが面白いと感じられることはあまりなく、それがこの人のすごいところなのかなと思う。

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