【教育】きらりと光る作文の書き方ー読書感想文ー
ひとことまとめ
本の引用はなくていい!
ほんとは読書変容文だ!
今回は、きらりと光る作文の「読書感想文編」を書きたいと思う。
といっても、書き方の手順は、先日の記事に書いたものと基本的には一緒。
おさらいすると
①結論を一文で述べる。
②結論に至るまでの道筋を
…集める
…選択する
…順序立てる
③書き出しを工夫する
④題名をつける
で、⑤清書って流れ。これは全ての作文に通じるから身につけられるといいね😏
読書感想文の誤解
さて、読書感想文でみんなが陥る罠がある。
それは、本文を引用して「ここの記述からこう思ったんだ!」と伝えることが必要だ、あるいは大事だと思い込むことである。
本文中から一部分を丸ごと引用して、
「(長〜い引用)」と書いてあって、すごいと思いました。
という形式の感想文のなんと多いことか。結果として8割が引用、感想2割という作文さえも、珍しくないのが読書感想文の現実である。
あえて言おう。
読書感想文は引用0でも良い、と。
そもそも、読書感想文とは、読書を通して得た感想を書く文章なのだ。本の引用など必要最低限でいい。
呪縛から脱却するには
「引用」の呪縛から抜け出すいい方法がある。
本を閉じてしまえば良い。
考えてみると、本を読んだ感想は、本を全て読み終えた後にこそ結実するのだ。であれば、本を開く必要など無いではないか😏
例えば、映画を観たあと感想を語り合うのに、映画をもう一度見直す必要がないのと同じである。「あの時のあのシーン」くらいで、引用は事足りるのだ。
生活作文が自分の経験を振り返りながら、最も印象に残ったことを中心において書かれるように、読書感想文も、本を読み終えて最も印象に残ったことを中心に書いていけば良い。
感想文きらりポイント
さて、上記のことを心がけるだけでも頭ひとつ抜けた文章が書けるのだが、さらにきらりと光る大事なポイントを伝えておこう。
感想ではなく変容を書こう!
実は、これも「読書感想文」という名前がもたらす弊害だと思うのだが、読書感想文は「〜」を読んで感動しましたという感想を書くものではない。
これまでの自分が、読書体験をとおして、新たな自分にシフトチェンジしましたという物語
を書くのが、読書感想文なのだ。
書き方の例
では、手順に沿ってやってみよう。
①結論を一文で述べる。
②結論に至るまでの道筋を
…集める
…選択する
…順序立てる
③書き出しを工夫する
④題名をつける
みんなが知ってる物語🤔「走れメロス」でいいかな?
①結論を一文で述べる
はい、まずひとこと結論
これまでの自分が、読書体験をとおして、新たな自分にシフトチェンジしましたという物語を書くのが読書感想文なので、ひとこと結論の形式はこれを使おう。
何事もすぐに諦めてきた自分が、弱さを乗り越えていくメロスの姿を通して、自分の弱さを見つめ弱い自分に立ち向かっていこうと思うようになった。
「〜な自分が、〜を通して〜になった。」
これが結論のテンプレね。
②結論に至るまでの道筋を
…集める・選択する・順序立てる
次は、その結論を語るためのエピソードを集めること。これはマッピング法を使うと良い。(マッピング法で調べると、違うのが出てくるかも。コンセプトマッピングが近いかな。)
例えば、真ん中に「弱い自分」と書いて、周りにエピソードを拾っていく。部活で…勉強で…他者との関係で…など、思いつくままに書き出し、さらにそこからエピソードを掘り下げていこう。
また、どのように自分が変容したか、本のどの部分が最も印象的だったかということも同様にマッピング法などを用いて、簡単に書き出しておくとよい。
そうやって集めたもののうち、どのエピソードが一番印象的か、作文に適しているか、書きやすいか、など自分の直感で選ぼう😏
そして、最後に選択したものを並べ直すと、プロットのできあがりだ。
例えば、
・精神的な弱さで逃げていた経験
・メロスが悪い夢から目を覚まし、再び走り出すシーン
・自分の弱さに打ち克った経験
・今後の決意
こんな感じで並べてみる。(実際は経験部分をもう少し具体的に書く)
③書き出しを工夫する
プロットまでできれば8割完成。あともう少しだ。
書き出しは結論につながるエピソードの一部を使ったり、本の印象的な一節を引用したり、変容直前のエピソードを入れたり、など、自分が一番しっくりくるものにするとよいが、いくつか書いてみるのもいいだろう。
結論につながるエピソードパターン
「よく頑張ったな、生まれ変わったみたいだね」そう言って笑う先生の顔を見上げる僕は、確かにもう、昔の僕ではなかった。
印象的な一節パターン
「ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。」
メロスは、そうつぶやき、また走り始めた。自分を信じて待つ友のために、自分の命を投げ打つ覚悟をもって。
変容直前エピソードパターン
もう一度、もう一度だけやってみよう。そのとき僕は、一度は折れてしまったにも関わらず、自分をもう一度奮い立たせ、走り始めたメロスの姿を、はっきりと思い出していた。
まあ、こんな感じで。
④題名をつける
最後はアイキャッチとなる題名だ。
題名は、結論か象徴と覚えておこう。くれぐれも『走れメロス』を読んで、なんていう題名には注意だ笑
結論は
何事もすぐに諦めてきた自分が、弱さを乗り越えていくメロスの姿を通して、自分の弱さを見つめ弱い自分に立ち向かっていこうと思うようになった。
だったので、「弱さを見つめる」「弱さに立ち向かう」というところがキーワードだろう。
また、走れメロスで、弱さの克服の象徴となった岩の裂け目から湧き出た清水などをうまく使うのもお洒落である。
題名のコツは謎を残すことだった。
自分の弱さを見つめて
僕を変えた「清水」
例えば、このような形だと、「弱さを見つめて」どうなったの?「清水」?って何?となる。
そうそう、僕を変えた「清水」のような、象徴系の題名の場合、本文中で、その伏線回収も忘れずに。
僕にとって『走れメロス』の物語は、メロスにとっての「清水」そのものだった。
なんて一節を入れておくとよいだろう。
今回は読書感想文のお話でした。
この記事が参加している募集
お読みくださりありがとうございます。拙いながら一生懸命書きます! サポートの輪がつながっていくように、私も誰かのサポートのために使わせていただきます!