見出し画像

四季を想ふ -桜の木-



ー桜の木 カリンパニ(アイヌ語:桜の木)ー

日本の四季は本当に美しいなって思います。
季節の移ろいを感じて、吸い寄せられたその情景を慈しみ、美しさの中に浸りながら、いつの間にか胸いっぱいに溜まった心地よい感情が、ため息と共に漏れていく。

私たち日本人は、今も昔も、その感覚を無意識に欲しているのだろうなと思いうのです。桜に対する想いがそうであるように。

例えば季語。桜の季語は数えきれないほどにあって、どの瞬間にも私たちは桜を追いかけている。花が散り行くその瞬間にさえも、憐憫を重ねて美しさを見出しているのだから、私たち日本人は桜の生涯に心を寄せたくてたまらないのだ。

現代でさえも、こんなにも美しい桜。
私の大好きな安土桃山時代の頃には、きっともっと美しく咲いていたのだろうなと、思いを馳せてしまいます。

コンクリートのない、ビルのない、電車のない、車のない、自転車のない、機械のない時代。
夜桜の奥には、綺麗な星空が広がっていたのかもしれない。

iPhoneだってカメラだってないのだから、その一時をその瞬間でしか捉えられない。
でもだからこそ、その美しさを心に収めて、心で味わって、味わい尽くして、その儚い想いを季語という言葉に宿して、そうして数々の和歌が謳われ、私たち日本人の感性が育まれたのかもしれない。そう思うと、先人の方達に感謝せずにはいられません。

日本が四季に愛されたのは、きっとその四季を使いこなし、四季を愛でてきた方達がいてくれたからなのだと思うのです。

だから私も、その心を忘れないようにしたい。
そんなふうに思うのでした。

#アイヌ語
#アイヌ民族
#アイヌ
#桜
#茶道
#裏千家
#歴史
#歴史小説

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?