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ー恋歌・朝井まかてー



この本は、中島歌子さんという歌人の物語

水戸藩の武士と結婚したのだけど、早くに死別
その後歌塾を主宰し、名を残された方

 
私が歴史小説や時代小説が好きなのは
武士が好きというのもあるのだけど(♡)
その時代の言葉や慣わし、価値観や文化
そういうものの全てに魅力を感じているからです

特に戦国時代が大好きなのですが
どの作品を読んでも
どことなくその時代特有の
なんとも言えない哀愁が漂っていて
上手く言えないのだけど
そういうところにも惹かれているのかもしれないと
最近思うようになりました

この本にしてもそうですけど
読み終えた後の憐憫を含んだ余韻が
その物語りを更に綺麗に思わせてくれるなと
そう思うのです
 
 

素敵な男性と出逢い、結ばれ
歌塾も繁栄して、順風満帆な人生という物語だったとしても
それはそれで楽しく読めただろうけど

どうしようもない孤独や悲しみ、そういった葛藤があって
それでも一生懸命に(あるいは淡々と)生きていく
そういう物語りの方が感情を揺さぶられ
美しく感じるのかなと思いました
 
 
光と影とか
陰と陽とか

その両方があるから味わい深くて、深みが増す
どちらか一方だけでは、どちらも存在しないに等しく、意味をなさなくなるのかなと思います
 
 
なので、今は苦しかったとしても
それは、光と影でいうところの影の側面で
陰陽でいうところの陰の側面でしかない

真逆から見てみると
全く別の側面が見えるのかもしれない
そしてそれは光であり陽であるのもしれない

グルグルと色々なことを考えている自分自身に
そんな事を思いました
  

 
中島歌子さんの人生は
陰の要素が強く思えたのですけど
それは私側から見た
私のフィルターを通して感じた事であり
歌子さんご自身は
そうは思っていないのかもしれない

結局私たちは、人様に対しても
自分のフィルターを通して物事を捉えがち

だから本当のことなんて分からないのだけど

いずれにしても
私から見ると、とても素敵な方で
とても綺麗な物語だと思いました

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