最初で最後の手紙…Ep4(H様)
私のうぬぼれと自信を
ズタズタにされた毎日…
這い上がろうとしても
上がれない
それでも生きていかなければ…
差別されることを
上から受け止めていた私への
罰だったのでしょうか?
そんな屈辱的な ヒビ を
怠惰に過ごしていた頃
あなたは
鮮やかに
私の中に飛び込んできましたね
ああ
あなたはなんて大きな
存在だったでしょう…
幾度
あなたの名前を
呼んだことでしょう
呟きだったかもしれません
だから
この声は届かなかったでしょうか
「こっちを向いて」と
祈っていたのですよ
今日も
明日も明後日も
あなたが何を考えているのか
わからなくて
知りたくて
だから
あの ヒビ を
生きていくことが出来ました
あなたを知ろうとして
でも
自分をさらけ出すことは出来ずに
何か
大きな器に
のめり込んでいくようでした
あなたは
ほんの少し
私の方を向きかけたけれど
私は目を背けました
私を見るようなあなたは
あなたじゃない
私が
求めていたあなたではなくなってしまう
あなたを求めたかったけれど
そこに
自分を落とし込めなかった
自分の中の
自分という矛盾に
慄く ヒビ …
そして
別々の道を
お互い背を向けて
歩き始めた
離れたからこそ
繋がっていると
そう思う私は
冷笑していたのです
あなたと私は
同じ空の下にいると
勝手に
確信しています
あなたが見ている空は
何色でしょうか?