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友達ってサイコー、友達を増やしてウキウキ人生を送ろう

ずっと「自分には友達なんていない」と感じていた私が変わった話。「群れるのは嫌い」と思っているあなたにも、人間関係はきっと大切なものを与えてくれます。


アイリッシュセッションという集まりの話

年に2〜3回、音楽好きの仲間たちと、公園のあずま屋に楽器を持って集まっています。お昼の少し前くらいに集合して、持ち寄ったお菓子を広げて、おしゃべりをして楽器を弾いて、日が落ちる前くらいに解散します。

この間の週末はやや寒くなり始めた秋の日で、曇り空にときどき晴れ間が覗くといった天候でした。風が強くなかったのが幸いです。私と同じく、アイルランド音楽の演奏を趣味にしている仲間が計8人集まりました。年齢層はやや高めで、たぶん平均すると50歳くらいになるので、30代の私が最年少です。会社員の人もいれば、自営業の人も専業主婦の人もいます。楽器はフィドルが5名、コンサーティーナが2名、手ぶらでお菓子を食べ続ける人が1名でした。

フィドルという言葉もコンサーティーナという言葉も、初めて聞く方がいると思います。コンサーティーナは、アイルランド音楽などで使用される6角形の小さな蛇腹楽器です。これについては語り出すと止まらなくなってしまうので、ここでは私の演奏動画のリンクを貼っておくに留めます。

次に、フィドルというのはバイオリンのことです。楽器としてはバイオリンと同一なのですが、演奏スタイルや歴史的な文脈が異なるので、アイルランド音楽などの民族音楽ではフィドルと呼ばれています。バイオリンというと、小さい頃から習っていないと弾けないような難しい楽器だと思われがちですが、アイルランド音楽の世界では、大人になってからフィドルを始めたという人も普通にいます。(バイオリンがわかる人のために少し詳しい話をすると、アイルランドの伝統的な曲はほとんどが第一ポジションだけで弾けるので、そこまで高い技巧は要求されないのです。)

アイルランド音楽には「セッション」という文化があります。これは楽器を持った人で集まって、お互いが知っている曲を楽譜も見ずに次々と弾いていくという、面白い集まりです。セッションは伝統的に、民衆が集うアイリッシュパブで行われることもあれば、誰かの家のキッチンの隅やリビングで個人的に行われることもあります。今回のように私たちが公園で集まったのも、世界中で無数に存在する、ゆるいセッションのひとつです。

友達ができるなんて思わなかった

いい大人が晴れた日の公園でお菓子を広げて、楽しそうに楽器を弾いている。控えめに言ってサイコーだと思います。

私は元々、人間との付き合いが苦手なほうですから、学校でも職場でも、人の集団からは距離を置いていました。街中で2名を超える人数で遊んでいる人たちなどを見ると「どうなってんの??」と思います。個人的に親しい友達なんかもいなかったです。

そういう私が多少なりとも社交的になったり、個人的に仲のよい友達ができたりしたのは、アイルランド音楽のコミュニティに出会ってからのことです。アイルランド音楽には伝統的なレパートリーがたくさんあって、曲さえ知っていれば、初対面の人でも同じテーブルで楽しく一緒に弾くことができます。ほぼメロディ楽器だけで音楽が構成される(メロディにリズムが内包されており、ベースやドラムなどのリズム楽器がいなくても成立する)という特殊性もあって、楽器の組み合わせの制約もありません。

そうやって楽器を弾く場に顔を出し続けていると、自然とよく話すような人ができて、中には個人的に親しくなっていく人も出てきます。音楽とは無関係に、家で一緒にご飯を食べながら人生について語り合うような友達ができます。そこまででなくても、ほどほどに親しい音楽仲間がたくさんできます。楽器を持ってうろうろしていれば、アイリッシュパブのカウンターでたまたま隣に座った見知らぬ人とか、公園で練習をしているときに犬の散歩をしていてたまたま楽器の音に気づいた人だとか、そうした無数の人たちと話すきっかけを持つことができるんです。

世界に仲間を増やしていこうぜ

私自身の経験から言えば、「アイルランド音楽めちゃくちゃ楽しいぜ! 今すぐ楽器を始めよう!!」という話になるのですが、何が好きで何が得意かというのは人によって異なるので、もう少し一般的な話をします。

趣味っていうのはひとりでも楽しいですが、同じものを好きな人とそれを共有できるのはもっと楽しいです。また、普通に会社生活を楽しんでいる人というのは、組織の中でいろんな人と一緒に協力しながら何かを進めるということを楽しんでいるのだといいます。好きなことでも、大変なことでも、人と何かを一緒にやったりするのは、大きな喜びになるんですね。

友達をたくさん作ろうなんていう人は、最初から友達がたくさんいるようなタイプの人でしょ? って思いますよね。でも、先にも触れたとおり、私はそのようなタイプの人間ではありません。何をするにもひとりでいるほうが好きだし、人付き合いが得意なタイプでは全然ないです。楽しそうなイベントでも観光地でも、人がたくさんいるというだけで行く気をなくすような人間です。

そういう人間にとっても、やはり人間関係というのは大きな喜びの源泉なんです。もはや自分がこの世でひとりであるとは感じなくなった今、これをまた奪われたらたぶん生きてはいけないな、と思います。

そういうわけで、私はみなさんに、友達をたくさん作ることを勧めたいと思います。最初はおそらく、いろいろ失敗します。人付き合いが得意なタイプな人でも、こういうことは失敗しながら学ぶものですので、得意でない人はもっと失敗します。それでも頑張ってみてください。それは苦労してでもやる価値のあることです。

私がそうなったように、あなたがたくさんの仲間に恵まれますように。

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