乃木坂46「ここにはないもの」MVロケ地を巡る 〜ロケ地巡り#11〜
2022年12月7日
乃木坂46の31枚目にして、1期生・齋藤飛鳥さんの卒業シングルとなる「ここにはないもの」が発売されました。
公式のMVは11月19日に公開されました。
場面ごとにロケ地(推定を含みます)を見ていきます。
■ロケ地① 冒頭の屋上シーン
東京・目黒区にあるスタジオ「FEM」が入るマンションの屋上と思われます。
このスタジオはこの後の室内シーンでも出てきます。
屋上の手すりの角にもたれていて、視線の先には右端に小さく東京スカイツリーが、左端に新宿の高層ビル群が見えています。
■卒業コンサートは・・・
この冒頭の屋上シーンでは、ちょうど北方向を向いています。この先にあるのは代々木競技場方面ですが、そのやや東側には国立競技場と明治神宮野球場があります。
飛鳥ちゃんの卒業コンサートは、時期も会場もまだ発表されていませんが、このMVからヒントを探すなら、国立代々木競技場第一体育館か、国立競技場か、明治神宮野球場か。あるいは、代々木競技場からさらに進んでいくと、さいたまスーパーアリーナもあります。
代々木第一体育館は白石麻衣さんの卒業コンサートが、さいたまスーパーアリーナは橋本奈々未さんの卒業コンサートが開催された場所です。飛鳥ちゃんとの関係性を考えると、あり得る・・・のかなあ。全然わかりません。
■アパレルショップのシーン
MVは飛鳥ちゃんがアパレルショップに勤めながら、デザイナーの夢を再び追い始める、というストーリーになっています。
アパレルショップでの「日常」を示すシーンですが、ここがどこのお店なのか、またはスタジオなのかわかりません。
■ロケ地② 食事シーン
飛鳥ちゃんが友人と食事をするシーン。
ロケ地は東京・六本木にある「CEDAR THE CHOP HOUSE & BAR」です。
MVでは画面の奥に店名が裏返しに見えています。全体でのダンスシーンを撮影している六本木ヒルズの近くにあるダイニングバーで、撮影ようにレンタルもされているそうです。
先日、「ハマスカ生放送部」で東京に出かけた際に行ってみましたがこの日は貸切になっていました。
■ロケ地③ ソロダンス 東京メトロ銀座線「渋谷駅」
飛鳥ちゃんのソロダンスシーン、あやめんとベンチに腰掛けているシーン、ランウェイを歩くモデルたちのようにメンバーが現れるシーンが撮影されています。
東京メトロ銀座線の「渋谷駅」がロケ地です。JRの渋谷駅から繋がってはいますが、銀座線だけは他の路線と比べて少し離れています。
メトロ、と言いながら銀座線の「渋谷駅」は地上駅です。
上記の②と同じ日に行きました。平日の朝9時ごろでしたが、通勤ラッシュはひと段落していたものの、当たり前ですが人の流れが途切れる瞬間がほぼありません。乃木坂46の公式サイトにも掲載されているように、なかなかロケ撮影の許可が降りない場所。往来の多さを考えれば当然ですが、MVの撮影も電車が走っていない午前3時過ぎに撮影されたようです。
先日放送された「乃木坂工事中」(12月4日 深夜0時 31thシングルヒット祈願・前編)の中 CMで、「ここにはないもの」告知CMが流れましたが、MVでは使用されていない部分も含めた飛鳥ソロダンスのロングバージョンになっており、カメラが引いた時にホームの時計が3時39分を指していました。
MVのシーンでは違和感が出ないように20時台に調整されています。
WEBメディアでも渋谷駅で撮影されたことが取り上げられ、注目を集めたせいなのか、巡回している駅員の数は多かったように思います。なので、あまり大っぴらには撮影できないです。
渋谷駅は銀座線の終着駅にあたることから、折り返し運転などで数分間、車両が停車します。午前9時台にそうした「すき間時間」があり、かろうじてベンチなどは他のお客さんがいない状態で撮影できました。
JR「渋谷駅」から「銀座線」の案内を頼りに改札口を目指します。ホームに直結する大型の改札口があり、そこを抜けるとすぐ、特徴的なアーチ上の梁が並ぶ渋谷駅のホームに出ます。
飛鳥ちゃんのソロダンスシーンは、このJR側の改札口から入ってすぐの場所で撮影されています。普段はとにかく人が多いです。
それで気づいたのですが、MVではホーム上に等間隔に並ぶ柱の一つ一つにLEDライトが装着されていますが、実際にはありません。撮影用に取り付けたものと思われます。ずっと奥の方まで照らされているので、かなり大掛かりな撮影だったことがわかります。スタジオ用の照明セットを組んだり、スタンドを立ててしまうとリアリティが失われてしまう、あくまで自然にしたいという演出意図なのかなと思います。ありかなしかで言えば、LEDがあった方が(光量を稼げるのはもちろん)全体がシャープな印象に仕上がります。より奥行きが強調され、飛鳥ちゃんのソロダンスが引き立つ効果があります。真っ白の衣装と相まって、とても綺麗なシーンですね。
このシーンでベンチが映っていますが、飛鳥ちゃんとあやめんが腰掛けていたベンチとは別のものです。
ベンチのシーンですが、同じデザインのものがたくさんあるのでわかりにくいです。MVで後ろ側に見えている柱と案内看板を目印に探しました。上記のソロダンスシーンとは「反対側」です。
ソロダンスシーンはJR線に繋がる改札口側、ベンチのシーンはホームの反対側、東横線に繋がる改札口側(ヒカリエ方面改札)という位置関係です。
■ロケ地④ 全体ダンス 六本木ヒルズ スカイデッキ
メンバーの全体ダンスシーン、飛鳥ちゃんが美月、えんちゃんと話すシーンは、六本木ヒルズのスカイデッキ上で特別にセットを組んで撮影されています。
六本木ヒルズの展望台は2つあり、52階の「Tokyo City View」と屋上部分の「スカイデッキ」です。通しチケットが販売されていて、平日で2000円でした。これも②③と同じ日に行きました。風が強い日で心配したのですが、解放されていました。今回のMV撮影などでの貸し切りや、強風・大雨時にはクローズすることもあるそうです。52階の展望施設は、「森美術館」にあたる部分と隣接しています。
ちょうど冨樫義博展が開催されており、52階を訪れる人のほとんどが展覧会のお客さんでした。「幽☆遊☆白書」は一番好きな漫画の一つですが、今回は目もくれずに屋上を目指します。今回の目的はこっちなのです。
なのですが。
屋上のスカイデッキは、遮るものが何もないので強風が直接吹きつけます。通常はヘリポートとしても運用されていて、MVの撮影にあたってはヘリポート部分を人工芝で埋めてたくさんの花を配置していたようです。
この場所の反対側に、飛鳥ちゃん、美月、えんちゃんが並んで立っていた場所があります。
その奥が、飛鳥ちゃんが一人で佇んでいたシーンの撮影場所です。
この場所から代々木方面や、明治神宮方面が見えます。MVの冒頭と同じ(近い)方向を向いていることになります。
■空っぽになった部屋のシーン
冒頭の屋上シーンが撮られたと思われる、東京・目黒区のスタジオ「FEM」だと思われます。
HPにはサンプルとして室内の写真が出ていますが、窓脇のダクトが一致しているのと、地図(グーグルアースなど)で見ると、窓から見えている向かいのマンションの外壁が同じです。
MVの終わり方が、「サヨナラの意味」に似ている、という意見もあるそうです。「サヨナラの意味」のMV内では、飛鳥ちゃんはななみんの妹という設定でした。あの「妹」が成長して、自分の道へと歩み出していく。姉がかつてそうしたように、言葉少なく、しかしはっきりとしたメッセージを残して。
そんなふうに解釈すると、辻褄が合うというか、何か通じ合っているようにも見えます。
そうすると、同じ確率で飛鳥ちゃんもまた、ななみん同様に芸能界を去る(表舞台から姿を消す)という選択肢も十分にあり得ることになります。
いつか、かずみんだったと思いますが、ななみんの「功績」として「人前に立つこと以外の、こういう道もあるんだということを示してくれた人」と称えていました。
MV内の「いってきます」は、確かにMVの設定(デザイナーとしての夢を再び追い始めた主人公)に沿った「いってきます」かもしれない。けれど、齋藤飛鳥という人物のこれまでのことを(少なくとも我々に見せてくれていた部分を)総合して考えるとき、この「いってきます」の言外に込められた意味をどうしても深読みしてしまいます。ネガティブな読みではなくて、かといってポジティブなのでもなくて、彼女だからこその意味が込められている気がするのです。
「なんとなく」の道には決して進まない女性だと思っています。自分の中に確たるものを秘めている人だと。
飛鳥、いってらっしゃい。
2022年12月7日
*MVのシーンはYouTubeチャンネル「乃木坂配信中」『ここにはないもの』より