094 みよしのの【令和訳百人一首】
【原文】
み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて
ふるさと寒く 衣うつなり
(参議雅経)
【個人的解釈】
吉野山から秋風が吹き夜が更け
古都吉野は寒くなり
衣を打つ音が寒々と聞こえてくる。
【感想】
冬の風景を秋の歌に転換して詠んでいる首。
衣を打つ、とは布を柔らかくしたりつやを出したりするための道具(木づちと台)であるきぬた(砧)で布を打つときに出る音を描いている。
砧って女性の仕事だったのかな。お洋服づくりの。というか家事。
なんだろ、今で言うアイロンとかボタン直しとか?
ちょっと寂しさとエモさが含まれた古都の雰囲気が伝わる。
住宅街を夕方に横切ると、各家のお料理の匂いするよね。
なんかエモくなるのは私だけなのか。
雅経さんも、夕暮れに家庭の音が聞こえてエモくなったのかしら。
【令和に言い換え】
寒くなってきた秋の夕暮れ。
外を歩くと子供の遊ぶ声が聞こえたり
どこかの家のカレーの匂いがしたりする。
エモいなあ。
【備忘録】
・み吉野:吉野の美称。現在の奈良県吉野郡吉野川の南岸地域。天皇の離宮があった。
・ふるさと:古都。
【自己評価】
★★☆☆☆
М-1準決。好きなコンビが落ちました。でも決勝楽しみにしています。
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