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成果を生むプロダクト組織の目標管理方法 : [週次ゴール]と[Get Things Done]

はじめに

はじめまして!ShippioプロダクトマネージャーのKenT(@honobono1124)です。

Shippioでは、2022年9月に完了したシリーズBの資金調達を経て、コア事業である物流事業者としての役割に加え、SaaSプロダクト「Any Cargo」の展開にも力を入れています。(詳細はこちらのリリースをご覧ください)

複数の目標に同時に取り組むために、プロダクトチームメンバーは日々の業務を並行して遂行しています。しかし、半年前頃から多様な業務とそれに伴う目標が増えることで、各メンバーがどのタスクに優先的に注力すべきかが不透明になっていました。この課題に対処するために、今年の2月から「週次ゴール」の設定と「Get Things Done」の考え方を導入しました。

今回は、この考え方と実際の取り組みについて紹介します。

注力すべき課題に時間が避けない状態に

Shippioプロダクトチームでは、従来チーム内で月次ゴールを設定し、その達成にむけて個々がToDo管理をする体制をとっていました。しかし、それだけではチーム全体の目標に影響のない業務にリソースが割かれてしまい、

  • プロダクトのリリース対応や採用活動で今週はまったく進まなかった

  • 毎週 xx曜日はミーティングで埋まってるから実質稼働できていない

など、結果チームとしての月次ゴール達成が遅れることが度々発生していました。

ゴール達成に必要な業務が後回しにされがち

「週次ゴール」: 目標をより短期かつ具体的に設定する

この状況を打破するために、まずは月次ではなく「週次ゴール」のレベルまでチーム間で合意することを開始しました。まだ導入して間もないですが、月次ゴール達成に必要な各週での状態目標が明確になり達成率が向上していると感じています。

また、これまでより短期的なゴールを設けることにより、組織全体の進捗状況がより高頻度でアップデートされ、月次や中期目標に対しての達成度の分析が容易になると考えています。そのため、リソースの再分配や戦略の修正をスムーズに行うことができるなど、迅速かつ適切な対応ができつつあります。

🚢 Shippioのケース

Shippioでは、半年ごとに各スクラムが設定するBusiness Objectiveを基に、その目標を逆算して月次ゴールが設定されます。プロダクト開発のフェーズをDiscovery, Design, Delivery, Go to Marketという4つに分けて考えており、それぞれのフェーズに合わせた月次ゴールを立てることが一般的です。

例えば、半年後に「顧客の在庫管理に関わる問い合わせ対応をゼロにする」というObjectiveを達成するために、当月のDiscovery目標として「顧客の在庫管理に関わる最も課題の大きいJobを特定する」という具体的なゴールが立てられます。このように月次ゴールを明確に設定することで、週次目標への分解が容易になり、チームが方向性を持って取り組むことができます。

月次目標を週次目標に分解する際に、毎週成果物が出せる単位での目標設定をしています。SMARTのフレームワークを基本として、達成基準が明確な目標と成果物のアウトラインを記載することで、チームや組織で達成状況を判断できるように意識しています。

達成状況を判断するためには曖昧なゴールではもちろんNGなので、プロダクトチームでは「仕様を書いた(けどレビューは未だ)」「n社からフィードバック集めた(けど後続アクションは未定義)」などの次のステップに進めないゴールは定義しないことを徹底しています。

管理フォーマットは各スクラムによって若干異なりますが、以下の要素は共通して必ず記載しています。

  • ゴールのオーナー

  • 達成に向けたアクション

  • ゴール達成に必要な関係者

  • 週次の成果 Outline

チームの週次ゴール管理ページ

「Get Things Done」: 設定したゴールをやりきる力を身につける

✅ 世の中で言われているタスク管理術としての Get Things Done も大事ですが、ここでは英語の意味のまま。やりきるために大事にしている考え方を紹介しています。

設定したGoalが形骸化、未達のまま次週に持ち越しされる状態が続いてしまうと簡単にMonthly Goalや中期目標は未達になってしまうのが次に避けなければいけないホラーケースです。

ShippioではDaily 、Weeklyでやりきる力(GTD)が特に忙しくなりがちなPdMにとっては重要なスキルであると考え、やりきるための週次での業務の組み立て方を一部フレームワークとして浸透させています。

🚢 Shippioのケース

Get Things Done の中でShippioで特に大事にしている要点が2つあります。

  1. 週次ゴールを今週必ず達成するために必要なアクションを逆算・実行する

  2. 決めれる事はその場で決める、考えてもアウトカムが変わらないものには時間を使わない

先程も説明した「設定したGoalが未達のまま次週に持ち越しされる状態」を避けるために、未達にならないように計画すること、判断のために必要な情報が揃っているのであればその場で決めることを意識しています。以下は上記の要点について社内のメンバーが会話している様子です。

Doneにするために逆算でアクションすることをチーム内で認識合わせ
判断を先延ばしにせずその場で結論を出すようにしている一例

この考え方を経て、Shippioでは週次目標達成に必要なアクションを曜日ごとに定義し、以下の4つのステップに分けて取り組んでいます。(フレームワークとしてはDesign Sprintの考え方を参考にしています)

  • 月 ~ 火: 成果物を生むために必要な情報を集める 「Input」

  • 火 ~ 水: 情報を元に素案を作る 「Draft」

  • 水 ~ 木: 関係者と素案を元に最終案を策定する 「Review and Sign-Off」

  • 金: Reviewを経て最終成果物に落とし込む 「Fix」

また、週次ゴールの達成状況や認識の共有のために、Weekly StandupやWeekly Checkoutなどの定期的なミーティングが開催されています。ここでゴール設定のブラッシュアップや未達成ゴールの原因分析、改善策の検討を行っています。

週次ゴールを達成するために設定しているMTG

まとめ

上記でも触れたように週次ゴール単位での目標管理とGTDの考え方のインストールをすることで以下のような効果が出始めています。

  • 本当に達成しなくてはいけないゴールを最優先にすることがチームで合意できているので、他の重要そうに見えていた業務に取り組まない意思決定をすぐにできるようになりつつある。

  • 目標の目線合わせができているので、日々進捗管理のために会話する量は逆に減り各々集中する時間が確保できている

  • 週次の達成状況が見えることによって、柔軟に月次ゴールの優先順位の変更やゴールを削る等の修正対応ができるようになった。

  • ゴールの達成 / 未達という指標があることでチーム内で各々の働き方・業務への取り組み方に対して健全にFeedbackができる雰囲気が醸成されつつある。

まだまだ運用し始めではありますが、より成果につなげていくためのチーム強化を引き続き続けていきます。

さいごに

Shippioではあらゆるポジションで積極採用中です!

  • 0.1 → 10を目指すデジタルフォワーディング事業

  • 0 → 1で絶賛立ち上げ中のSaaSプロダクト(詳細

  • 0 → 1で絶賛立ち上げ中の物流事業者向けプロダクト(詳細

など、理想の物流体験を社会に実装すべく、様々なプロジェクトが動いています。

記事を読んでShippioに少しでもご興味をお持ちいただけた方は、Twitter(@honobono1124)からご連絡いただくか、下記の採用ページからカジュアル面談のお申し込みをしていただけると幸いです。


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