新規プロダクトの立ち上げにおける顧客ニーズの発見までのプロセスを振り返る~PdM×Designer×CSクロストーク(前編)~
こんにちは、Shippio 採用人事の小野寺です。
今回はShippioの新規プロジェクトである物流事業者向けのプロダクト開発をテーマに、Product Manager (PdM)、Product Designer、CSのクロストーク会の内容を公開します。
今回の参加者プロフィール
立石:Shippioのプロダクトマネージャー。フードテックカンパニーにおいて新規サービス立ち上げを経験した後、Shippioに入社。
西藤:Shippioのプロダクトデザインマネージャー。コンサル、AIテックスタートアップ等でのUXデザイナー、PdMの経験を経てShippioに入社。
関本:ShippioのCS/ Partner Sales マネージャー。大手倉庫会社など複数社を経てShippioに入社。
Shippioの新規プロジェクト「物流事業者向けプロダクト開発」とは
皆さん、本日はよろしくお願いします!まず物流事業者向けプロダクト開発について教えてください。
関本(CS):
Shippioでは現在、荷主企業の貿易実務担当者向けのプロダクトを開発・提供し、Shippioがデジタルフォワーダーとしてお客様とコミュニケーションをとっています。
Shippioのミッションである「理想の物流体験を社会に実装する」という言葉には、「貿易の仕組みを持続可能なものにアップデートする」という意味合いも含まれています。
そのためには、荷主企業へのソリューションの提供だけでは不十分で、物流業界を支える物流事業者の課題をも解決していくことが必要不可欠と考えています。
これまでも、輸入プロセスの後工程にいる納品先(営業倉庫)のご担当者にもShippioクラウドサービスを活用いただくことで、情報共有や調整の負荷を解消する機能は提供していましたが、物流事業者特有の課題にフォーカスしたプロダクト開発は出来ていませんでした。
そこで、これまで取り組んできた荷主向けの提供価値最大化に加えて、物流事業者の課題解決により、ミッションを実現するためのもう一つのピースを埋めにいこうというチャレンジが物流事業者向けプロダクト開発です。
新規プロダクトの立ち上げは「ユーザーの潜在的な”期待”を引き出す」こと
立石(PdM):
最初に課題解決をするターゲットは「物流事業者」の中でも誰なのか。ターゲットは本質的にどんな課題を抱えているのか。という問いに対して、仮説を立てては外しながら試行錯誤を繰り返して来ました。
ーー それはスタートアップPdMとしての醍醐味ではないですか?
立石(PdM):
はい、まさに私がShippioに入ってやりたかったことの一つです。
「ユーザーの本質的な課題はShippioの誰もがまだ分からないのでPdMにお任せします。1次情報から取りに行ってください」という状態から任せてもらえるのは新鮮でしたし、とてもやりがいがある・ワクワクする仕事だと思いましたね。」
関本(CS):
物流事業者向けプロダクトを立ち上げた時というのは、これまで一定程度荷主向けの提供価値の大きな方向性が見えてきた中で、どうやって課題解決の幅を業界全体に広げていくかを検証する必要があるタイミングでした。
これまで通りずっと荷主向けのソリューションの提供だけやっていても、Shippioのビジョン「貿易を超える」は実現できません。
少しずつ仮説やテーマを変えていきながら、既存プロダクトで培ってきた我々のアセット/強みを活かせる部分が物流事業者にもないか?その解像度を上げる取り組みをしていました。
ーー物流事業者向けプロダクトの仮説検証は具体的にどのように行ったんですか?
立石(PdM):
CSが持っている知識や社内ドキュメントを元に事前に課題仮説を立てた上で、お付き合いのある物流事業者の担当者様にヒアリングをさせていただくことで仮説の解像度を上げていきました。
また、フィードバックの精度を高くするためにデザイナーと連携して営業資料のプロトタイプを何度も作っては壊しながら、ヒアリング・仮説検証を進めました。
西藤(PdD):
物流事業者の担当者様にヒアリングをする前に課題仮説を可視化することで、プロトタイプの当たりどころを付けやすくなりますよね。
立石(PdM):
まさにそうでした。物流事業者の担当者様との「共通言語」がない状態でヒアリングに挑むのは怖いので、目線合わせをするためにも仮説を用意しておいたことがよかったです。
さらに、ヒアリングを通してフィードバックをいただくことで仮説が合っていたかどうかの振り返りを深めることができます。
関本(CS):
これはCPOの森さんも実践しているプロセスですよね。想定ユーザーにヒアリングをする前に仮説を可視化して、優先順位をつけてもらう。プロトタイプが良いか悪いかではなく、それによってユーザーの行動がどう変化するかに集中するのはとても重要なことだと思っています。Shippioのプロダクトチームにはそのカルチャーが根付いていますね。
西藤(PdD):
とにかく壊せるものを作ること、ヒアリング前後で明確に仮説の差分を見つけること、解決すべき課題の優先順位をつけることなどは全て重要ですが、一般的にやり切ることができるケースは意外と多くないように感じます。
高速でプロトタイプの検証を繰り返して解決すべき課題の解像度を上げる
西藤(PdD):
自分たちの仮説を検証するために、プロトタイプとしての営業資料を用意したことが役に立ちました。
物流事業者向けのプロダクト開発に着手する時点では、前提条件として「想定ユーザーが何を求めているのかはっきりと分かっていない」状況でした。
お客様が「絶対にこのプロダクトを導入したい」と思うかどうか。「絶対に使いたい」というリアリティが出るまで営業資料の改善を繰り返しました。
これが営業資料プロトタイプのアップデートの回数と頻度です。
色々な営業資料のプロトタイプを作りながら、物流事業者の担当者様に実際に使いたいと思っていただけるかどうかをヒアリングしていきました。
立石(PdM):
AとBとC別々の仮説に基づくプロトタイプを作り込んで、全て検証するという西藤さんの姿勢に本気を感じました。
西藤(PdD):
そうですね。それぞれの仮説に対して、適切なプロトタイプを用意していました。
物流事業者の担当者様に対して「色々できます」だと「so what」に繋がりづらいため、数ある課題の中でもどれから解決していくべきかということが、営業資料を尖らせたからこそはっきりわかりました。
関本(CS):
営業資料を磨き込む中で、「基幹システムの外側にある業務を圧倒的に楽にする」というアプローチが良かったように感じます。お客様の基幹システムが解消できていない課題を見つけていって、それを解決するソリューションを提供するということを明確に打ち出すことができたと思います。
立石(PdM):
数多くの検証によって、物流事業者の社内事情や部署として導入する際のハードルまで可視化することで、最終的には「誰の」「どの業務まで」をShippioがお手伝いするのか?ということまで意識して提案できるようになりました。
ここまでは、新規プロダクト開発にあたって課題仮説の検証をどのように行ってきたかについてご紹介しました。
後編では、Product Manager、Product Designer、CSが互いにどのような影響を与え合っているのかについて、またビジネス職とプロダクト開発職のクロスファンクショナルなカルチャーについてご紹介します!
前編終わり
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