ランプ 【詩／ショートミステリー】

アンディとウォーホルは
ふたり仲良く
ひとつの部屋に暮らしていた

その部屋には
腿肉のかたちをした
ランプが吊り下がっていて
ほの紅く
優しげな光を滲ませていた

アンディたちは
その明かりのおかげで
喧嘩をしなかった

でも時々は
泣き声が聞こえた
その声がウォーホルの
ものなのか
ランプのものなのか
わからなくて　笑い声
のようにも聞こえるので
階段の薄暗がりからでは
真相はわからず…

そこでホームズは
一計を案じたのだ。
窓から見えるように
まだらの紐を垂らしてみて
あいまいに揺らしながら
窓に寄せていく。
ガタンとこれみよがしに
悲しげな音を立ててみせる。
アンディさん、
今そこにいるのはあなたですか、
と聞いてみる。
するとランプは答えるだろう。
はい　そうです、
と　そのとき　名探偵は
ほの紅い人肉がせわしなく燃えているのを
見るにちがいない