もっと自由に 【詩】
おい マイルス
小判鮫みたいに口を尖らせて
トランペットを吹き鳴らしている
あいつはいったい誰だ
夜空のむすうの星を吸いこんで
運河の底を撃ち抜いてるみたいな音
衝撃的なプレイだ
おい マイルス
あいつは何に牙むいているんだ
血のにおいを嗅ぐとゾクゾクするだなんて
全く危ないラッパ吹きじゃないか
あっちにあるのは何だ?
ピアノが逆さに吊り下がってるじゃないか
どうやって弾くんだ
あああいつ 真っ逆さまになって弾いてるよ
自由っていいな 何でもできるんだな
今度あいつとコラボしてみないか
あいつのバンドぼろぼろだから今なら引っぱれるぞ
テクニックは超絶
蝙蝠みたいに楽器にぶら下がって
逆回転でコードを掻き鳴らすポストサイケの天才
なあカッコつけるなよ マイルス
大御所だなんていわれるようになったらお終いだ
危険なフュージョンでおれをワクワクさせてみろ
お前は百年後の未来も記憶に残るだろう
自信を持っていいぞ
マイルス
だからもう妙な神話にしがみつくのは止せ
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