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十一月 【詩/現代詩】

十一月は お友だち
ふくれつらの
僕らも
飴色の雨を楽しむ

(これは奇跡)

テレビから
AIアナウンサーの美声
しゃぼんのような声

(シュワシュワシュワ)

ステキな
あめんぼう
スリムな
さんま
一糸まとわぬ
軌跡を描く

(奇跡は
 あなたの
 声の隙間で
 起きているのです)

そのゼリーを味わってみよう
何だかザラメのような
うっとりする
雨ですね

(象さん 象さん 被害者は僕らです)

今日は動物たちの話題を...

「生体情報は内緒です
 ミスターX
 僕らは卵生ですから」

(不覚であった
 ああ
 この火災
 この燃料で再稼働できないか)

お日さまは
ほの暖かく
返礼品は
うとましきもの

(税関は通しませぬ)

(この知見は使えますね
 使えますね)

(濃度をうすめて)

跳ねている
跳ねている

(ノンステップバスを降りたら)

十一月はお友だち
跳ね上がる
雨を
僕らは楽しむ
飴色の雨を

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  米谷清和「夕暮れの雨」1992年 三鷹市美術ギャラリー蔵

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