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生きることは祈り【瀬戸しおり】

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#コロナウィルス

政治家が倒れても国は回る。医者が倒れたら回らない。

政治家が倒れても国は回る。医者が倒れたら回らない。

片頭痛の薬をもらうためだけに行っている近所の内科の診療所だが、昨日も二か月ぶりに訪れて、思わず
「お疲れっすね……」
といつも私を診てくれる担当医の先生に言いたくなった。診療所なので2~3人の医師が常駐しているのだがこの先生と私は、歳も近く親しい。

初めてコロナの話をしたのは今年の3月ころで、
「今ヘンな風邪が流行り始めたから気を付けてね。うちにもちらほら来るようになったよ」
と聞いていた。まだ

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フィリピンと日本の自殺者の特徴の差

フィリピンと日本の自殺者の特徴の差

契約社員の友達がコロナ禍で契約切りとなり、無職となってしまった、ということを英会話をオンラインで習っているフィリピン在住の先生に言ってみた。
「しおりはその友達に、お金をあげたの?」
と言われて驚く。
「フィリピンだったらそういう困った友達に会うと、すぐにお金をあげるよ」
と。私は、
「何もしてないよ。日本では現金をあげることは失礼になるの」
と結局何もしてあげられていないことを自分で自分に確認す

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臨床心理士と父の記憶

臨床心理士と父の記憶

眼鏡をかけた強迫性障害の、たしか32歳の色白の女性と、その真正面に座っていた眼鏡をかけた浅黒い臨床心理士は、とても良く似ていると思った。
私が22歳、精神病棟に初めて入院した1月の冬の出来事である。

主治医の指示によってグループカウンセリングに行くように言われた私は頭を抱えこんだ。そんなものは見たことも聞いたこともない。今でこそHuluやNETFLIXなどのVODの普及で海外ドラマの断酒会などの

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東京には空がある

東京には空がある

人の消えた 東京に

空は罪深そうに 顔を出した

ビル街のなかを

「はあ これで呼吸できる空間ができた」

とすぅっと風が駆け抜けていく

今日 恐怖にわなないているのは 人間だけ

風俗産業はハナから1番危険だと思っていた件

風俗産業はハナから1番危険だと思っていた件

風俗店やスナックで働いた経験者として言わせてもらうが、私は「濃厚接触」というコロナ用語を聞き始めてから、1番ヤバイのは風俗産業だと思った。つまり、感染拡大はこういう裏社会から始まって、裏社会だからこそ感染情報は表に出ず、安倍首相や小池知事のようなカタイ政治家が「キャバクラ」「デリヘル」なんていう言葉を言うわけないので、感染は露呈されないまま爆発していくだろうなと3月頃心密かに思っていた。
予想通り

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コロナ騒ぎの中受診した内科医との会話

コロナ騒ぎの中受診した内科医との会話

昨日片頭痛と咳喘息の薬をもらいにいつもの内科を受診した。首都圏で急激に感染者が出始めてから私にとって初めての外来である。
1か月前もすでに野戦病院のような状況だったが、きっと今日もごったがえしてるんだろうな~と覚悟して行ったら、自動ドアをくぐってシーーーーン。
予約制とはいえ患者がひとっこ1人いない!!
この病院はクリニックでも総合病院でもない中規模病院だ。診察室は2~3個稼働している内科である。

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みんなで乗り切ろうコロナウィルス

みんなで乗り切ろうコロナウィルス

今回のコロナウィルスの件は、311の国難とずいぶん違うなと思う。311のとき、私たちは「復興」を掲げ、「絆」がその年のテーマ漢字になるほど津波と原発で壊滅的ダメージになるところを一致団結して乗り切った。
『がんばろう、休んでもいいよ、そしたらまたがんばろう…』
そう隣人に声を掛け合って、計画停電や節電、義援金、寄付…色んな痛みを分かち合った。

コロナウィルスはその雰囲気が薄い。
「がんばろうね」

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怖いのはウィルスより人のパニック

怖いのはウィルスより人のパニック

首都圏のコロナウィルス感染拡大が起きている。メディアで買い占め報道がされる。かごいっぱいに食料を入れた人が10人も並んでいる映像が流れる。小池知事の会見よりも前のニュースで、だ。
「早いな…」
と思う。こうした行動は「パニックバイング」と言われるものだが、紙製品に続きついに食べ物までパニックバイングとなったのか…。311のときを思い出す。

私はこうした災害や緊急事態が起きると、いつもメディアが

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