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SOSは、受け止めなくてはいけない。

私が勤務しているクリニック(精神科・心療内科)では、9月に入ってから、いつも以上に患者さんが増えています。

カウンセリング目的だったり、検査目的だったり、目的は様々ですが、予約の埋まり具合にビックリする日もあります。

生きていると、悲しいこと、辛いこと、深く傷つくこと…ありますよね。

残念ながら、悲しいことしかなかった…と、おっしゃる方もいます。

もちろん心身共に元気に越したことはないですが、人間、調子を崩すことだってありますし、
「そんなに傷付いたら、そりゃそうなるよ。
よく今まで頑張ってきたよ…」と思わずにはいられない方もいます。

ただ、ほんの少しの出会いが、ほんの少しのきっかけが、人生を見直したり生きる力を取り戻すことに繋がることが、実際に、あるんです。

サポート資源は多い方がいい。

だから、少しでも迷っていたら無理せず病院に行ったり、カウンセリングを受けることを検討してほしい。

何も恥ずかしいことでは、ありません。

もし、それを嘲笑する人がいるなら、その人は、自分が大切なものを失っていることに気付かない「鈍い人」です。

おそらく、他人を不快にさせたり、迷惑ばかりかけている人です。真正面から傷付く強さがない人です。それだけの話です。

現場感覚で言うと、厳密には様々なケースがありますので、一概にこう…とは言えませんが、

ご自身の抱えるものと向き合おうとする姿勢は、尊敬に値します。だって、勇気がないと出来ないことだから。

その勇気は、適切な場所でしっかりと抱えられるべきです。私は、そう思っています。

また、どうか周囲の方から「死にたい」「消えたい」という発言があった場合は、まず、その方の「死にたいくらい辛い気持ち」を受け止めてあげてください。

「そんなこと言わないで」
「生きてれば良いことがある」
「みんなが悲しむ」

などの言葉ではなく、

(当事者からすれば、そんなことは言われなくても分かっているはずです。)

ただ、その辛さを受け止めてあげてください。

その気持ちを否定せずに
心を寄せて黙って側にいるだけでも、
支えになるはずです。

その上で、必要性を感じたら
「でも私は、〜さんに生きててほしい」と伝え(主語が「私は〜」なのがポイントです)、その苦しさについて共に考え、適切な医療機関(場合によっては、入院。)や相談機関につなぐ、情報提供をするなどのサポートをしてあげてください。

専門家ではなくても自死を防ぐことはできます。(そういう存在をゲートキーパーというのですが、気になる方は調べてみてくださいね。)サインを逃さないことが大事です。

下記に、厚生労働省が電話相談窓口を示したページを添付しておきます。

こちら


最後に。

悲しいことや気が滅入ることが多すぎる現代ですが、少しでも楽しいことや心安らぐことをして、良い意味で自分勝手になることも大事だと思います。

ネガティブなことに引っ張られず、自分の幸せファーストでいきましょう。(自戒を込めて。)

そして、頑張っても上がって来れない時は、迷わず専門家のところにいきましょう。

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