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海外の大学院の試験と成績評価について 【オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #22】

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

今日は「海外の大学院の試験と成績評価 」についてお話しします。海外の大学ではどんなふうに試験が出されるのでしょうか。成績はどのように評価されるのでしょうか。オンラインと対面ではどのような違いがあるのでしょうか――。私が在籍していたイギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のオンラインコースの例をもとにお話しします。


試験と成績評価について

オンラインコースでも成績はシビアに評価されます。UCLでは評価尺度も対面と変わらず、出席率や課題の提出状況、学習成果などをもとに評価されました。

ちなみにオンライン授業の「出席」といってもなかなかイメージしづらいかもしれません。出席の定義は大学によって異なるかと思いますが、たとえばUCLでは課題の提出状況やディスカッションの貢献度等から総合的に判断されました。

一定の出席率をクリアすると最終課題に取り組むことができます。最終課題はおもにテスト(論述試験)やエッセイでした。UCLのMA Educationの場合、両者の割合は約半々でした。

テスト(論述試験)について

テストは特定のテーマに基づいて自分の意見を述べる論述形式の試験がほとんどでした。テスト指定の会場に行って受けることになっていました。私が在籍していた当時は都内のブリティッシュ・カウンシルのオフィスが会場として指定されていました。ブリティッシュ・カウンシルの施設はイギリスの大学が日本で試験を実施する際の会場としてよく指定されます。イギリスの大学で学んでいるとときどき足を運ぶことになるかもしれません。

このテスト会場に関して面白いエピソードがあります。試験当日、会場にはイギリスの大学で学んでいる人々が全国から集まるのですが、みんな一つの部屋で試験を受けることになります。つまり大学も専攻もバラバラな人たちが机を並べて試験に挑むという興味深い光景が広がるのです。おそらくコスト面の事情によるものかと思いますが、私が試験を受けたときは毎回そうでした。インペリアル・カレッジの人もいれば、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の人もいましたし、専攻分野も経営学から理科系までさまざまでした。日本人だけでなく外国出身の方もいました。北は北海道から南は関西まで、住んでいる地域もバラバラ。そんな人たちと毎回の試験後にしばし会話に花を咲かせました。なんといっても「イギリスの大学にオンラインで通っている」という共通点で結ばれた者同士です。初対面でも親しみが湧いてきます。ただし共通点といえばそのくらいで、ほかの点はみごとにバラバラなのが面白いところでした。

授業で一緒だったイギリス人のクラスメイトとも、このテストセンターで初対面を果たしました。授業を通して毎日いろんな話をしていたからか、はじめて会った気がしなかったことを覚えています。当時、オンライン学習自体がまだそこまで日本に浸透していなかったなかで、海外の大学にリモートで通う人々がこれだけいるという事実に驚きを隠せませんでした。心強く思うと同時に、感慨深い気持ちになったことを覚えています。

エッセイ

エッセイの課題もよく出されました。自分自身でテーマを選び、論文の形式に則って書いていきます。教員側からテーマを指定されることはありません。自分自身が本当に探求したいテーマを選び、主体的に論じていきます。

ちなみにUCLでは論述試験の際に「形成評価」と呼ばれる方法がとられていました。形成評価とは生徒ひとりで黙々と課題に取り組むのではなく、先生と対話やフィードバックを重ねながらインタラクティブに取り組んでいく学習(あるいは評価)方法を指します。そのためUCLでは自分ひとりでエッセイを書いて出して終わり、ということはまずありません。必ず先生との間で何度かドラフトを往復させ、フィードバックを受けながら内容を磨き上げていきます。適当に済ませられないぶんシビアではありますが、それだけ成長にもつながります。

こうした方法が取られる背景には、課題を単なる評価ツールではなく学習ツールとして捉えていることがあります。エッセイを書く過程を通して学びを深め、最終的に修士論文の執筆に耐えうるライティング力や思考力を磨いていくという意図もあります。

修士論文に話が及んだところで、次回は修士論文をテーマにお話ししていこうと思います。

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