孤独に襲われて駅のホームで立ち尽くした話

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「ちょっと考えさせてくれる?」と言われた話

昨日、恋人に「ちょっと考えさせてくれる?」と言われた。なにを考えるのか、「別れる事」以外に私には想像ができなくて、あぁ私はふられるんだ、と思って、その連絡の後は1時間おきくらいにずっと泣いている。

今日も、朝起きてからずっと、気がつくと頬を温いものが伝っていた。

まだ連絡は来ない。

最近、なんとなく気持ちが離れている気がしていたので不安で、余計にメンヘラっぽくなってしまった(のだと思う。正直、メンヘラにならないように細心の注意を払っていた)。

「週末くらいにまた連絡するから!」

ときたのが今日の昼過ぎ。夕方、私はそれに「OK. 私が感じていた以上にたくさん負担を掛けてしまったんだと思うから、ゆっくり考えて。」と返事を出した。それに既読がついて、そのまま。

涙がとまらなくて、色々と生活に支障が出そうになって。怖い。

今はだいぶ落ち着いて、さっき部屋の片付けをしながら、こんな事を思い出した。

孤独に襲われて駅のホームで立ち尽くした話

それは2年前の事だ。

私はまだ恋人が出来たことがなく、処女を失ったばかりだった。その相手は、その頃通っていたとある教室の8歳上の男性で、その人の事をよく知らないまま、食事に誘われるままついていった。

初めてふたりで食事をした時に、キスをされた。

私はそれまで大学へも行っておらず、友人も少なく、様々な常識を知らなかった。キスをされた時、驚くと同時に、一時的に孤独から救われた気がした。泣きそうになっていた。その人を好きでもないのに、この、キスをした状態のまま地球が爆発すればいいと本気で思った。その時に私の中にあったのは、

もうひとりになりたくない。ひとりの場所に帰りたくない。

ということだった。

その気持ちが消えることなく、それからも彼に誘われるまま、食事へ行った。そしてある夜、ついに処女でなくなった。

本当は怖かった。でも何が怖かったのかは、わからない。1つではないかもしれない。自分の裸に自身がなくて、脱いだら嫌われると思ったのかもしれない。

ただ、なにかが恐くて、「嫌だ」という素振りを見せたはずだったけれど、すると彼は「脱ぐか、一緒に風呂に入るか」という2択を迫った。なんとなく、その表情が恐ろしく見えた。それで私は「風呂」と言って、結局それは奪われた。

その男性と、それからも連絡を取り合ってはおり、食事をしたりホテルへも行った。けれどその男性は私に「付き合おう」とか「好き」とかいう言葉を言ってはくれなかった。

それは「処女」という大事なものを奪われた側としては屈辱的なことだった。処女を差し出しても尚、私は求められない、とそう感じた。

身近なある人に言われた「皆、お前から離れていく」という言葉が三度永遠頭の中を回るようになった。

それでもその教室へは通っていた。ただし、その通学途中の電車内で私はなぜかいつも泣くようになっていた。手すりを握って立ちながら、なぜか泣いている若い女を訝しげにちらと見てくる人もいたかもしれない、でも私は他人なんか気にしていられなかった。

「死ぬか、もう少し頑張るか」

と毎日ひたすら考えていた。とても寂しかった。

そしてある日、その教室の最寄り駅についた私は、教室へ向かうために改札をくぐろうとして動けなくなった。「行かなきゃ、月謝も払っているし」と思う。でも脚が動かない。

そして私はその日の帰り、駅のホームで立ち尽くした。家の最寄り駅までは電車に1時間ほど揺られなくてはいけなかった。そんなに長いこと、電車に乗っていられる自信がなかった。

ホームレスになろうか。

と本気で考えた。

しばらくして、どうにか動くことができたのは、

もし本当にホームレスになろうとして、そのへんの路上で夜を過ごしたら、私の髪はきっとべとべとになり、べとべとの髪で人前に出る勇気のない私は、そのままその路地から出られずに餓死を選択する気がしたからだ。

「助け」を求めた夜の徘徊と電車の中でひたすら泣いた日々

その頃私は21歳〜22歳になっていた。私は19歳の頃から、毎日泣いてばかりいた。誰かに抱きしめてほしくて、守ってほしくて、見つけてほしくて、毎晩何時間もひたすら歩き続けていた。

それにプラスして、その頃は電車に乗るのも精一杯で、電車の中でずっと泣いていたのだ。

いつまで一人で居たら良いの?

と。

何度も何度もそういう事があった。数回なんてもんじゃない。十数回なんてもんでも、何十回なんてもんでもない。子供の頃から何百、何千とそういう事があった。

それでもどうにか私は生き延びて、いま、その頃に比べればずっとタフになった。周りの優しさや愛情をうまくキャッチできるようになった。

彼からの連絡がいつ来るかはわからない。けれど、とりあえず待つだけ待とうと思う。

もっと強くなれるはず。

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