シャボン玉
息を吹きそこに願いが込められる。
空中に漂う水玉模様。
虹色に輝き希望にあふれた世界だ。
それが天高くのぼり壊れる。
「あ・・」
悲しい顔をする子供たちにおじいさんが言う。
「大丈夫だよ。壊れることで君たちの吹き込んだ世界が現実に溶け込んでいくだけさ。君の願いも、もちろんそこのお嬢ちゃんのもね。その空気が大人になって苦しい時に君を救う。」
子供たちはぽかんとしている。
「あっはは。今はわからなくてもいいさ。」
そう言ってシャボン玉を吹く。
(彼らの人生に幸多からんことを)
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