番外「転調」1-2.2(JP・1-2.2)
■「部分・転調」(近親調)。
「C調」→「F調」。「G調」
(★対象・作曲「中(上)級」者向け)
(つづき)
では、具体的な説明の前に、「転調」の仕方についての確認です。
「中(~上)級者」向けですので、すでに、「転調」の基本は理解されているかと思いますが、確認のため、また、まだ、ご存じない方のために、一通り、説明しておきます。
■「転調」の仕方
「部分・転調」の仕方には、大方、2つの方法で行われます。
①「V7-I」の「全終止」確立による転調。
②「ピボット」転調。です。
①「V7-I」の「全終止」確立による転調とは、
・C調でしたら、「G7-C」。
・F調でしたら、「C7-F」。
・G調でしたら、「D7-G」。
という形。 すなわち、「全終止」で調性を確立・後に転調する方法です。
もう一つは、
②「ピボット」転調ですが、これは、「転調・前」と「転調・後」の調性において、「共通のコード」を介して、転調する方法です。
例えば、C-G7-C-F-C7-F は、
①とも、捉えられますが、見方によっては、
②とも、捉えられます。
C-G7-C-F までが、「C調」。
F-C7-F が、「F調」 となります。
「F」は、「ピボット(共通)・コード」です。 要するに、「F」は、
「C調」のダイアトニック・コード(Ⅳ度) でもあり、
「F調」のダイアトニック・コード(Ⅰ度) でもありますね・・・
ちなみに、各調のダイアトニック・コード は、以下の通りです。
「C調」のダイアトニック・コード
C Dm Em F G(7) Am Bm7♭5
「F調」のダイアトニック・コード
F Gm Am B♭ C(7) Dm Em7♭5
「G調」のダイアトニック・コード
G Am Bm C D(7) Em F#m7♭5
そうしますと、「C調」と「F調」の「ピボット(共通)・コード」は、
「C。 Dm。 F。 Am」 の4つです。
「C調」のダイアトニック・コード
C Dm Em F G(7) Am Bm7♭5
「F調」のダイアトニック・コード
F Gm Am B♭ C(7) Dm Em7♭5
ということで、「C調」と「F調」において、「ピボット」転調する場合は、
「C。 Dm。 F。 Am」 のどれかを「ピボット(共通)・コード」として利用して転調するということになります。
■カデンツ
もう一つ、「カデンツ(終止形)」も、確認しておきましょう。
「カデンツ(終止形)」とは、(C調の場合)
「度数」 「コード(C調)」 「機能」
(1)。Ⅰ-Ⅴ7-Ⅰ C-G7-C T-D-T
(2)。Ⅰ-Ⅳ-Ⅰ C-F-C T-S-T
(3)。Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰ C-F-G7-C T-S-D-T
「度数」。「コード」。「機能」で表しますので、こんがりそうですが、必須事項ですから、覚えておきましょう。
以上、「転調」を説明する前の確認事項でした。
では、次回、下記、譜例の解説です。。。