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尊みをめぐる瀬戸内旅 1日目(2018.1/21〜22 東京〜岡山〜尾道)

2018年1月。

前年末で7年続けた花屋のブランドを一度終わらせ(といっても1人でいそいそとやっていたものだけど)、この年の2月から体制を変えて新たなブランドを始める準備をしていた。

本格的に始まる前に、少し長めの旅に出ようと、ひとり、冬の瀬戸内へ向かった。


1月21日、日中は友人に遊んでもらってミロンガとラドリオに行ったあと(2021.4/15の記事)、そのままバスタから夜行バスで倉敷へ。


1月22日、夜行バスは大体が早朝に目的地に着くもんで、平日の朝、通勤や通学で混み合う倉敷駅を抜けて、ほとんど観光客なんて居ない倉敷の街に向かった。

15kg近くある重い荷物背負って(パッキングがほんと下手な僕は、一週間の冬の旅となるとめちゃ荷物が増える)ウロウロ歩いているのはなかなかしんどかったけど、憧れの美観地区を見てまわれてそれはそれでほっこり。



さて、この日は尾道まで移動する予定だったので、昼のうちに倉敷にてレンタカーを借りて、今度は車移動。
全国的に大寒波がやって来ていて、東北にある地元は大雪となっているとの連絡がある中、瀬戸内沿いの道は雪はちらつくものの積もるなんて様子は無かった。

瀬戸内に行くなら冬がいいよ、と聞いていたけど、激しい冬の中で育った身としては、穏やかな冬があることをこの旅で知った。

この旅の目的のひとつは、しまなみ海道を渡ること。尾道に向かう前に、尾道の港からすぐそこに見える向島に向かった。


一階は郷土資料館になっている建物の2階にあるチョコレート工場、USHIO CHOCOLATL。

瀬戸内海の見える静かな場所だった。

お土産にいくつかチョコレートを買い、その後また移動。

向島から瀬戸内海を挟んですぐ向かい側の尾道への渡し船に乗り込んだ。

海に馴染みのない者としては尚のこと船に乗るのは仰々しく考えてしまっていたけど、通勤通学や買い物のために毎日、目の前の対岸に渡っていく地元の方にとっては生活の一部なわけで、バスや電車に乗るような感覚なのだなとわかった。

乗船料は大人¥100くらい。車両ごと乗っても+¥100くらいなもんで。所要時間も4分程度。みんなチリンチリン〜とベルを鳴らしながら自転車で乗り込んできた。穏やかな夕方の海を渡る船の上はとても気持ちがよかった。


尾道に着く頃はもう西日がさす時間帯だったけど、スケジュール的にできればこの日のうちに向かいたい場所があった。

海と共に街を挟むようにある千光寺山にロープウェイで登りたかった。

海の側の街というと、山手側に高級住宅街があるイメージ(横浜や神戸、長崎など)があったけど、尾道はずっと、なんというかとても好意的な意味での生活感のある穏やかな街に感じた。人がずっとここで生きているんだなと。それはそうなんだけど。


山頂の展望台からの眺めは最高だった。地元は大雪だというのが信じられないくらい、穏やかな夕暮れ。瀬戸内海は本当に穏やかな海だな、という印象だった。

千光寺山に来たかったのは、ロープウェイに乗ること、この景色を見ること、そしてもうひとつ、目的があった。

千光寺山といえば猫の細道と呼ばれるほど、猫がたくさん住み着いていると知り、帰り道は歩いて降りることにした。

降りる途中の公園や道すがら、本当にたくさんの猫に出会った。

観光客も多い土地だからなのか、またそこに住む方々が地域猫を見守っているからなのか、割と人になれた様子の猫たちばかりだった。

たまらぬ可愛さにやられ、結局翌朝早くにまた猫に会いに来ることをスケジュールに加えた。

自ら膝の上に乗ってくる猫はしばらく撫でられた後、先導するかの様に道を行き、他の猫たちのたむろする場所へ。 

千光寺山を降りてからはもう日も暮れていたので予約していた宿へ向かった。

レストラン、バー、ベーカリーや雑貨店、特産品などを扱ったお店、そしてGIANTのサイクルショップ等が併設された複合施設ONOMICHI U2内にある、HOTEL CYCLEに宿泊。

しまなみ海道を渡るサイクリスト向けにもなっているため、自転車のまま館内に乗り込み置いておけるサイクルスタンド、メンテナンススタンドなどもある。自転車が無い場合は貸し出し用のクロスバイクやロードバイクもあるみたい。

ホテルの客室内にも壁にサイクルハンガーがあるので、愛車を掛けておけるのだろう。

元々は港湾倉庫だったものを再活用した施設とのこと。

こういうことできるの、すごいねぇ。

昭和の街並みや雰囲気の残る尾道と、近代的な感覚が共存できる価値観が羨ましくもあった。

両方あって、いいのよ。


さて、夕飯は宿ではとらず、せっかくなので街を散策して決めることに。

ほんとに…こんなにもツボな店舗が残る商店街があるのかと、歩きながらひたすら写真を撮る怪しいやつになってしまったくらい、尾道のアーケードは素晴らしかった。夜でほとんどのお店が閉まっていたので、実際どれほど営業しているのかもわからなかったけれど、こうして昔からの姿のまま残っていることに心を震わせていた。

そして尾道にはまた必ず来ようと決めた。

で、肝心の夕飯は、歩きながら調べた気になるお店はもうこの日は閉店していて、結局駅の並びにある尾道ラーメン屋さんへ。澄んだ醤油スープだけど独特の油のコクがあって美味しかった。

そして宿に戻り、この日は施設にあるバーで少しお酒を頂き就寝。

工程は割と詰め込み気味の旅だけど、本当に穏やかな気持ちだった。


さて、続きはまた別記事で。

振り返ってみると思いの他ボリュームがある旅(と写真)だったので。

では、おやすみ。









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