見出し画像

【初めての夜】留学episode⑤

前回までのepisodeでホストファミリーが全員揃った。

もう一度おさらいをしておこう。

ホストファーザー : エド

ホストマザー : キアラ

ホストシスター : ヒルトン姉、妹

ホストブラザー : ジャスティン

中国人留学生 : ジャッキー

実はこのメンバーに加えて自分より1週間遅れで日本人が入ってきたのだ。

彼は、さかなクンに似ていたので以下さかなクンとする。

これで自分を含めると8人で一つ屋根の下で暮らすこととなった。

"これはたいそう賑やかな毎日になるぞ"

そんな風に初日は期待を抱いていた。

ある意味賑やかな毎日を送ることとなる。

色々なエピソードがあり、全部思い出せるか分からないがなるべく忠実に思い出して表現していきたい。

-----------------------------------------------------------

初日の夜、部屋にいるとノックの音が聞こえ夕飯の準備ができたと声が掛かる。

いよいよここでの生活が本格的に始まる。

"みんなと楽しく話できるかな、でもちょっと緊張するな、、

あ、そうだ!日本から箸とかのお土産持ってきたから渡そう!

みんな待ってるから早く行かなきゃ"

そんなことを考えながら部屋を出てリビングへと向かった。

リビングへ着いた。

そこにいたのは、キアラとヒルトン姉、ジャッキーだけであった。

"あれ、他の人たちはどこ行ったのかな?

まあいいか。あとでゆっくり話せばいいよね。"

とりあえず席に座り彼らと軽く挨拶を交わしてみる。

ヒルトン姉はやはり優しい。質問も投げかけてくれる。

ジャッキーについては、もはや質問ではない。

自分がいかに日本のアニメを知っているか豪語してくる。

すまない、ジャッキーくん。

初日にして君とはウマが合わないと感じるんだ。

まあ、ご飯でも食べ始めよう。。

カッチカチのオージービーフを食らいつく。

このカッチカチオージービーフについてはまた話すとする。


キアラに聞くと、

どうやらエドだけ出かけているらしい。

となると、

ヒルトン妹とジャスティンはどこにいるのだろう。

そんなこんなを考えていると、少しして2人がリビングへやってきた。

よし!やっと来た!ファーストインプレッションは大事だぞ!と思いながら、

ビッグスマイルで挨拶をしてみた。

自分「ハ、ハーイ!ナイス トゥーミーチュー^^」

ヒルトン妹 「Hi」(小さくはにかむ)

ジャスティン「Hi」(小さくはにかむ)

彼らは小さなスマイルとその言葉だけを発し、それぞれの自分の夕飯を持って部屋へと戻っていってしまった。

おわた。

まだ名前も言えていない。

わずか20秒ほどの出来事であった。

これは自分の責任なんだろうか。

もっと間髪入れずにこちらからクエスチョンを投げかけるべきだったのだろうか。

こいつは誰だ?って普通興味持つもんじゃないの?

せめて名前だけは言わせて?

もうもしや存在すら見えてない?笑

そんなことばかりが頭を駆け巡っていた。

"落ち込んでもしょうがない。まだ始まったばかりだ。

また、再チャレンジしよう"

そう意気込んで夕飯を再開した。

あ、そうだ、日本から持ってきたお土産渡すのを忘れていたんだった。

自分「hey,キアラ!日本からお土産持ってきたんだよ」

キアラ「まあ、ほんとに?」

箸とか日本の伝統の商品を色々と渡す。

キアラ「wow!thank you!」

彼女はその言葉を発してすぐに棚にそっとお土産をしまったのだ。

少しのはにかみを残しながら。

え、、もうちょっとお土産のくだりあるよね?

”これはこう使うんだー”とか、

”実際に箸トライしてみてよ” ”下手だねーhahaha"

とかそういう微笑ましいやりとりを想像していたのだが、キアラはほぼほぼ袋も開けきらずに棚へとしまったのだ。

そして何事もなかったかのようにカッチカチオージビーフを再び食べ始めたのである。

"うう、ツワモノだ。しょうがない。近いうちに箸を使わせてやるぞ”

夕飯を食べ終えると、キアラがこういうファミリー用のアイスを冷凍庫から取り出して来た。

画像1

やった!アイス好きだから嬉しい!さっきのは許しちゃおうかな!

そう思っていた矢先、キアラは自分の脇にそのアイスを抱え大きいスプーンで1人で食べ始めたではないか。

え、それがこっちでは常識のアイスの食べ方なのか?!
1人1ケースが基本?!

アイスへの常識が覆った瞬間であった。

そしてソファにどっしり座りテレビを見て爆笑している。

とても幸せそうだ。

気付けばヒルトン姉もジャッキーも部屋に戻っていってしまった。

そして初日からリビングに1人取り残されるのであった。


この家族はすごいぞ、、!自分がこの家に来たのにはきっと何か意味がある。

これでへこたれているようではこの先生きてはいけない。

そう思わされる初日であった。

さあ、明日からはどんな日々が待っているのかな。

淡い期待に胸を膨らませながら、生乾き臭のするベッドで初めてのブリスベンナイトを過ごしたのであった。

---------------------------------------------------------------------------

次回、日本人留学生さかなクン現るの巻。

お楽しみに。

そしてどうしてもホームステイ話が長くなってしまいますね。笑

どうぞゆるくお付き合いください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?