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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2021年7月の記事一覧

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210: Harpers Bizarre / The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)

サイモン&ガーファンクルの名曲は多く、またカヴァーされた曲も数多くあります。 ハーパース・ビザールのデビュー曲となったこのヴァージョンは、もっとも初期にカヴァーされた部類に入るでしょう。 S&Gのオリジナルは、1966年リリースのアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収録されていました。また、「動物園にて」のB面としてシングルカットされています。 ハーパース・ビザールのヴァージョンは、レオン・ラッセルがアレンジをしており、自身もピアノで参加しています。また、イントロや間奏では、木管四重奏(フルート、オーボエ、クラリネット、バスーン)が主役級の存在感を誇示しています。 とはいえ、もちろん主役は彼らの声が織り成す絶品のハーモニー。これぞドリーミー・ポップと言わんばかりに、夢見心地にさせてくれます。 1967年にリリースされた彼らのヴァージョンはUS13位/UK34位のヒットとなりました。 どちらのヴァージョンが好きかは好みの問題ですが、まあ、チャートアクション上はオリジナルを超えたと言っていいでしょう。

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209: Simon & Garfunkel / The Sounds of Silence

『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』のプロデューサーは、アンディ・ウォーホルですが、「日曜の朝」のみ、トム・ウィルソンがプロデュースしています。 トム・ウィルソンは、ヴェルヴェッツの他にも、ボブ・ディランやザッパ&マザーズなど、多くの大物ミュージシャンをプロデュースしていますが、彼にまつわるエピソードで最も有名なのは、サイモン&ガーファンクルのこの曲での「事件」でしょう。 サイモン&ガーファンクルは、1964年に1stアルバム『水曜の朝、午前3時』をリリース。プロデューサーはトム・ウィルソンで、「サウンド・オブ・サイレンス」はアコースティック・ギターのみの伴奏でした。 しかし、アルバムは全く売れず、デュオは解散。ポール・サイモンはロンドンへ渡り、アート・ガーファンクルはコロンビア大学に戻ります。 ところが、デュオの運命は、この後思いもよらない方向へ進みます。 1965年、ボブ・ディランの「ミスター・タンブリング・マン」を、ザ・バーズがフォーク・ロックにアレンジしたヴァージョンがNo.1ヒットになったことをヒントに、トム・ウィルソンは「サウンド・オブ・サイレンス」の音源に、本人たちには無断でエレクトリックのバンド・サウンドをオーヴァーダブします。 これがシングルでリリースされると、1966年1月にはNo.1に昇りつめる大ヒットを記録。これがきっかけデュオは再結成され、その後の大成功へとつながります。 まあ、今こんなことやったら、大炎上どころでは済まないでしょう。 しかし、この「暴挙」がなければ、『ブックエンド』も『明日にかける橋』もなかったと考えれば、音楽の歴史に対しては大きな貢献だったとも言えます。

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208: The Velvet Underground / Sunday Morning

ジョン・ケイルは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの印象が強いため、アメリカ人と間違われますが、実はウェールズ出身です。 ニューヨークに渡り、現代音楽家として活動していた彼は、1965年にルー・リードと出会い、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成。 ルー・リードのもつポップ・センスと、ジョン・ケイルの現代音楽的なアプローチが融合することにより生まれたアヴァンギャルドなサウンドは、後にオルタナティヴ・ロックと呼ばれる一連の音楽の出発点になったといえるでしょう。 この曲は、1966年にリリースされた1stアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』のオープニングナンバー。 今では歴史的名盤に挙げられるアルバムですが、リリース当時の最高位はUS171位(UKではチャートインせず)。シングルリリースされたこの曲も、チャートインしていません。 このチャートアクションは、当時の一般的なリスナーには理解できない、ぶっ飛んだ作品であったということの証明でしょう。 この曲は、ニコが歌うことを想定して書かれたドリーミーなポップ・チューン。にもかかわらず、歌っているのはルー・リード。でも、ニコはちゃんとバッキング・ヴォーカルで参加しているという、何か良く分からないことになっています。 そして、この曲で最も印象的なイントロのチェレスタを弾いているのはジョン・ケイル。やはり、彼の存在があってこそのヴェルベッツであることを再認識させてくれます。

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207: John Cale / Hallelujah

レナード・コーエンの曲で、最も多くカヴァーされているのは、多分この曲だと思います。 オリジナルは、1984年リリースのアルバム『Various Positions』に収録されており、シングルカットもされています。ただ、そこまで大きな話題になるということは、当時ありませんでした。 転機となったのは、1991年にリリースされた、彼のトリビュート・アルバム『I'm Your Fan』収録の、ジョン・ケイルによるこちらのカヴァー・ヴァージョンでした。 ピアノの弾き語りで切々と歌われるこの曲は、神々しさすら感じさせる独特の世界を生み出しており、高い評価を得ました。映画『バスキア』でも使われていました。 彼のヴァージョンを聴いたジェフ・バックリーは、1994年のアルバム『グレース』でこの曲をカヴァーし、こちらも名演として非常に高い評価を得ています。

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206: Leonard Cohen / Famous Blue Raincoat

タイトルに「New York」が入る曲はあまりにも多すぎるので、ちょっとひねって、タイトルには入らないけど、ニューヨークにちなんだ歌を考えていて、思いついたのが、この曲です。 カナダのシンガーソングライター、レナード・コーエンが、1971年に発表した3rdアルバム『愛と憎しみの歌』に収録されていたこの曲は、様々なアーティストにカヴァーされている彼の代表曲の1つです。 ギターの弾き語りを基調とした、非常に少ない音数で演奏されているがゆえに、彼の歌声が生々しく響きます。ちなみに、ライブでは楽器が追加されることが多く、それがまた曲の雰囲気を変化させることで、新たな魅力を引き出しています。 そして、この曲の最大のポイントは歌詞。ニューヨークに住む主人公が、三角関係の恋敵となった男性に送った手紙の形式で書かれているのですが、すべての意味が分かるわけではないのに、ところどころゾクッとするような表現が散りばめられています。 ご興味のある方は、一度歌詞をググってみることをおすすめします。

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205: The Trade Winds / New York's A Lonely Town

アルバム『リンゴ』からは、USナンバー1シングルが2曲続いた後、「オー・マイ・マイ」がシングルカットされ、US5位のヒットとなっています(UKではリリースなし)。 この「オー・マイ・マイ」はヴィニ・ポンシアとリンゴの共作なのですが、ヴィニ・ポンシアと言えば、絶対に取り上げたいのが、トレイド・ウインズ名義でリリースしたこの曲です。 彼は、ピート・アンダースとソングライター・コンビを結成し、フィル・スペクター門下で発表していましたが、1965年に書いたこの自信作を、スペクターがリリースを拒否したことがきっかけとなり、スペクター門下を離れます。 そして、自ら録音してリリースしたこの曲が、US32位のヒットとなります。 幾重にも重ねられたコーラスと分厚いエコーの掛かったサウンドは、どこから聴いても「ウォール・オブ・サウンド」。当時のスペクターの影響力が強烈であったことをうかがわせます。 この曲を含むアルバム『Excursions』は、ドリーミーなポップスが詰まった作品で、個人的にはもっともよく聴くソフトロックの作品です。 ちなみに、アンダース&ポンシアは、1967年にはイノセンス名義でアルバム『イノセンス』をリリースしており、こちらもソフトロックファン必聴の作品となっています。

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204: Ringo Starr / Photograph

ビートルズ解散後、初めて4人全員が関わった作品が、1973年リリースのアルバム『リンゴ』(UK7位/US2位)。 さすがに4人の共演はありませんが、ジョンは「I'm the Greatest」を提供し、この曲にピアノで参加しており、一方のポールは「Six O'Clock」を提供し、こちらもピアノとシンセサイザーで参加しています。 険悪な関係になってバンドが解散しても、リンゴとだったら一緒に演奏したい、と思わせる人間的魅力があったということでしょう。 そして、そんな名ソングライター2人が曲を提供しているにも関わらず、本作からの1stシングルとなったのは、ジョージとリンゴが共作したこの曲でした。ジョージはアコースティック・ギターでも参加しています。 1973年の11月に見事にUS1位(UK8位)となり、これによりビートルズのメンバーは4人ともソロでUS1位を獲得するという快挙を達成します。 ちなみに、次のシングルとなった「ユア・シックスティーン」(ジョニー・バーネットのカヴァー)もUS1位(UK4位)に輝いています。

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203: Ringo Starr / Night And Day

3回連続のコール・ポーター・シリーズ(勝手に名付けました)のラストを飾るのは、これもスタンダード・ナンバーの「ナイト・アンド・デイ」。ちなみに、邦題は「夜も昼も」と、ザ・直訳。 エラやシナトラやビング・クロスビーと言った、ジャズ界、エンターテイメント界の大御所たちが録音している大名曲ですが、ここではちょっとひねって、リンゴ・スターのヴァージョンを取りあげました。 この曲を収録した、彼の1stソロアルバム『センチメンタル・ジャーニー』は、スタンダードナンバーのカヴァー集で、UK7位/US22位のヒットとなりました。 アルバムのリリースは1970年3月27日。2週後にはポールがビートルズ脱退を発表するという緊迫した時期でもありました。 ですが、リンゴの歌声はいつも通りで、朗らかに飄々と歌っています。誰からも愛されたリンゴの本領発揮と言えるでしょう。 もちろん、ドラムの腕前も一流ですが、個性の強いメンバーの集まりであるビートルズをまとめていたのは、そんなリンゴの人柄だったのかも知れません。

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202: Ella Fitzgerald / I Get A Kick Out Of You

昨日、エラ・フィッツジェラルドの「ラブ・フォー・セール」は放送禁止のため取り上げられなかったので(ウソです)、そのリベンジとして、同じくコール・ポーター・ナンバーのこの曲で登場していただきます。 1934年のブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』からのナンバーで、タイトル曲同様、非常に多くのミュージシャンが録音しているスタンダードです。最も有名なのはフランク・シナトラのヴァージョンでしょうか。 エラのヴァージョンは、とにかく落ち着いた上品な雰囲気が特徴で、「The First Lady of Song」と呼ばれるのも納得です。 そして、この曲でもう1つ素晴らしいのは邦題。 「君にこそ心ときめく」とは、よくぞ付けたものだと感心します。

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201: Cannonball Adderley / Love For Sale

「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」は、1969年にBBCから放送禁止に指定されています。 このシステム、おそらく1930年頃に始まったようですが、その直後に、コール・ポーターが書いたこのスタンダードナンバーも、指定されています。 曲の内容はタイトルのまんまで、歌詞は、路上で「愛を売る」女性の視点で書かれています。大恐慌の真っ只中というリアルな状況でもあったでしょうし、指定やむなしと言ったところでしょうか。 また、この曲、1956年にエラ・フィッツジェラルドが歌ったヴァージョンも指定されています。 ここでは、問答無用の大名盤「ブルーノートの1595番」収録のヴァージョンを取りあげました。 フリーテンポのピアノで始まり、ブレイキーのドラムが轟音で入ってきた直後、マイルスが「プッ.....ポ~、ぺ~」と吹くオープニングは何度聴いても最高です。「枯葉」の次にこの曲があってこその名盤です! ちなみに、歌詞がないので、キャノンボールのヴァージョンは放送禁止になっていません。

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200: Serge Gainsbourg and Jane Birkin / Je t'aime... moi non plus

記念すべき200回目も、ゲンスブールのナンバーにしたいと思います。 ご存じの方には説明不要かもしれませんが、1969年リリースのこの曲、性的な描写があまりにも過激すぎるということで、多くの国で放送禁止等の扱いを受けています。 そもそも、こういう曲を作ろうと思いつくところが、ぶっ飛んでいますが。 ただ、そういった悪評を受けながらも、UKではNo.1ヒットとなっており、ゲンスブールの代表曲の1つとなっています。 そして、女優ジェーン・バーキンにとっては、この曲が歌手としてのデビュー曲となりました。 タイトルは英語だと「I love you… me neither」という意味ですが、女性に「愛してる、愛してる」と言わせておきながら、自分は「俺は別に」と返すという、超絶サイテーなところ(←もちろん誉め言葉です)は、何とか見習いたいものですが、私には絶対に無理なので、だいぶ前に諦めました。

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199: France Gall / Les Sucettes

「夢見るシャンソン人形」と同じく、この曲もセルジュ・ゲンスブールが作詞・作曲しており、1966年にリリースされています。 アニーはペロペロキャンディが大好き、という内容の歌詞で、このMVもそういった内容になっており、アニーに扮したギャルが、ニコニコしながらキャンディを頬張っています。 が... そこにはとんでもない「裏」の意味(ここには書きませんが、「アニーとボンボン」でググれば出てきますので、ご興味のある方はご覧ください)が隠されていて、ある日それを知ってしまった彼女は、ショックのあまり、数か月間外出できない状態になったといいます。 いかにも、フランスを代表する、国民的変態エロオヤジ(←もちろん誉め言葉)のゲンスブールらしいエピソードではあります。 まあ、今だったら、確実にセクハラで大炎上してアウトでしょう。

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198: France Gall / Poupée de cire, poupée de son

「プール・サイド・ミュージック」はブリッジの2ndシングルでしたが、1stシングルは、この有名曲のカヴァーでした。 フランス・ギャルは、1947年パリ生まれのフランスの歌手。1965年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストにルクセンブルク代表(何故?)としてこの曲で出場し、見事優勝しています。 日本でもリリースされ、大ヒットしただけでなく、非常に多くの歌手にカヴァーされている曲でもあります。 「夢見るシャンソン人形」という、アイドル・ポップスの模範の様な邦題がつけられていますが、原題を直訳すると「蝋人形、詰め物人形」という意味らしく、10代の女性アイドルが歌う曲とは思えないものとなっています。

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197: ブリッジ / プール・サイド・ミュージック

カジヒデキは、ソロ活動に入る前は、ブリッジのベーシストでした。 ブリッジは、1989年に結成された6人組バンドで、1993年にトラットリアからデビューしています。 小山田圭吾がプロデュースした1stアルバム『SPRING HILL FAIR』は、全曲英語詞で、サウンドも80年代初頭のUKネオアコ風と、当時としては異色の作品でした。 1994年の2nd『プレッピー・キックス』は、大半が日本語詞となり、60年代のソフトロックを彷彿させるポップなサウンドが印象的でした。 この曲は2ndアルバム収録曲で、シングルでもリリースされています。 まあ、60年代のUSポップ好きの方なら、The Innocenceの「All I Ask」を元ネタにしていることに気づくとは思いますが、個人的には、夏になると聴きたくなる、そんな1曲です。