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わたしの不妊治療記②

わたしの不妊治療記①に引き続いて②をお送りします。


部署異動

異動前の部署では上司に不妊治療をしていることを伝えていた。
上司の不妊治療に対する理解も深く、加えて業務自体も自分の裁量で進められるものが多かったし、同課の方々も自身のお子さんの都合で休まれることが多かったので【おたがいさま】精神で成り立っていた。結果的に不妊治療のことは上司以外に伝えていないが、通院の休みは取りやすく非常に恵まれた職場環境だった。
そんな恵まれた職場を離れて部署異動することになる。

不妊治療との両立

異動先は、業務内容も全く異なり転職したようなものだった。
そうすると、いくつかの悩みと問題が出てきた。

①不妊治療を誰に伝えるか

まず、異動してすぐに直属上司に不妊治療を行っていることを伝えた。
上司からは「不妊治療されている方の相談も受けている。気にせず取り組んでください」言っていただいた。

ひとまずは上司。
ただ、一緒に働くのは上司ではなく同僚。
異動早々業務の全体像も見えない中、上司以外の誰に不妊治療のことを伝えればいいかについて悩んだ。
デリケートな話になるし、心情的にも広くは知られたくはない。
業務上関わりのある最小限の方にお伝えすることにした。

①不妊治療への理解

『周期に合わせた通院の為、今日、明日レベルで突発的に休みの取得が必要になること』と上司にも同僚にもお伝えしていた。しかも周期に入ると週1回の通院では済まない場合もある。

しかし現実問題、職場では圧倒的な人員不足。
突発的な休みなど、どうしても迷惑をかけてしまう。
そして、不妊治療と言われてもきっと同僚にはイメージが湧かなかったはずである。

「はなももさん、休みたい日があったらシフト表に〇つけてね~」って優しく言ってくださる。しかし、休みが突発的なのだ。子どもが風邪を引くように。

同僚の立場に私がなってみたとて、不妊治療と言われても、実際何に配慮してよいか分からないしどこまで聞いていいか分からないし、分からないのだ。

どうしよう。
わたしは頭を抱えた。

心身の不調

異動してしばらく経った頃、睡眠障害がみられ始めた。
早くに布団に入るのに、朝方まで寝付けない。
個人情報も取り扱うしミスも許されない。
業務を覚えること、職場の環境の変化、不妊治療両立への不安が重なってのことだった。
心が、いっぱいいっぱいの状態だった。

これを機に、わたしは仕事を退職することになる。

その当時の心境としては、妊活をするためにフルタイムパートを選んだのに、仕事で心身を壊していては本末転倒だという思いもあり退職しか考えられなかった。

続けていれば、産休・育休もとれただろう。
この先、1年半も専業主婦でいるなんて想像もしていない。

そして、私の場合、辞めていなければ体外受精にステップアップすることもなかっただろう。
幸いにも、退職を申し出た瞬間から心が軽くなりよく眠れるようになった。

この選択が良かったのかまだ分からないが。

ひとつ、反省するならばもっと相談すれば良かったと思う。
心が悲鳴を上げる前に相談していれば、半ば逃げる形で退職することはなかったのではないかと思う。
同じ選択をするにしても、その時の自分に納得して出来うる最善を尽くせたのではないかと思う。

今、不妊治療の両立で悩んでいて退職しか考えられなくなっている方がいらっしゃれば、近く相談できる方や、人事やハローワークやキャリアコンサルタントへ一度相談することをお勧めする。
納得していれば良いが、何か心にひっかかりがあるならば同じ選択をするにしても焦らなくてもよいと思う。できれば、いっぱいいっぱいになる前に相談してみて欲しい。

悩みの渦中にいて、悩みに飲み込まれそうになった時にも、手を差し伸べてくれて、自分が大切にしたいことに気づかせてくれるのがキャリアコンサルタントだと私は思う。

自分の人生を、自分で選択しそして大事にしながら歩むための原動力は、自分が大切なものに気づくことだとわたしは思うのだ。

自分の話だけを、聴いてくれる場は思いのほか少ない。
そして、話しを聴いてもらえるだけで気づくことは多々あるのだ。

キャリアコンサルタントの端くれとして断言する。

長くなったので③に続きます。