見出し画像

普通であることのハードル

みなさん、仕事をしていて普通じゃダメだと言われたことないだろうか?自分はしょっちゅうそんな場面に遭遇する。そうでなくても普通でいい、という言葉もある。だがよく考えてみて欲しい。普通であることってそんなに簡単なことなのかと。

結論から言うと、普通であることってかなり稀なことである。確率で考えればよくわかる。それを相手に要求しているのなら今すぐ考え方を改めて欲しいと考える次第です。

ではなぜ普通であることがそんなに珍しいのか。詳しく見ていきましょう。

まず、普通とは何かということから考えます。先に定義づけしておいた方が話が早い。私は受験生を悩ませる偏差値基準で、もう一つは条件を満たす状態を維持できる確率で見るとどうなるのか、の2点で普通とは何かを考えたい。

では偏差値だとどうだろうか?みなさんご存知の通り、偏差値とは平均点が取れれば50と表記される。これを普通と捉えるならば、もうこの時点でかなり振るい落とされる人が出てくる。一般的に偏差値50というのは上位半分の人がこれ以上の偏差値に分類される。つまり普通を合格点にした時点で半分の人が失格になってしまう。

最初に言ったように、普通に仕事をしていてはダメだって言うだけで、半分の人は仕事ができない人になってしまうのである。では、もし偏差値60が仕事ができる人という基準になったらどうだろうか?偏差値60だと上位15%ほどだと言われている。つまり仕事ができる人を雇いたいならば、10人雇って2人いればかなり運がいいという確率だ。

今の日本では仕事でこんな状態が求められているんだから、本当に働く人は大変である。10人中1人か2人しか生き残れないような社会だと息が詰まるはずだ。それに会社もそれだけ要求するなら、かなり給料を支払わなければならないはずだが、どうやらそんな風にもなっていない。要求だけして自身の義務を果たしていないと言われても文句は言えまい。

これを偏差値50で考えても結果は悲惨である。半分の人は条件を満たせないのだから。つまり普通でいいって思っても半分の人は十分な仕事ができないことになるから、これでもかなり贅沢な要求だ。

では次に確率で見た場合はどうなるのか?偏差値で見ただけであれだけ悲惨な結果が出たのだから押して知るべしだ。

ここでも計算しやすいように普通に仕事をしてくれる人が50%の確率でいたとする。しかし仕事はひとつではない。日本においては総合職と言われるように複数の業務を並行的にこなさなければならない。仕事の種類が3つあるだけでもうお分かりだろう。確率は1/2を3回かけて1/8になってしまう。確率で言ったら12.5%だ。これこそ10人に1人しか生き残れなくなる。

分かっていただけただろうか?最低の要件を満たすだけでこれだけ確率が減るのである。もちろん今回は1/2で計算したが90%であったとしても複数個条件を出せば一気に確率は悪くなってしまうことを。

スペシャリストではなくゼネラリストを求めることの多い日本型雇用においてはこれだけ仕事ができる人というのはかなり珍しい存在であり、貴重な存在であるということを。それだけ会社が従業員に要求しているのなら、希少価値も含めてもっと従業員を大事にしてあげて欲しいと言いたいです。

さて長くなりましたが、今日述べたことはあくまで数字上のことです。実際は仕事で大事なことは、休まない、ミスしない、滞りなく仕事する。こんなことになるでしょう。しかしこれも先に述べたように、これだけ曖昧な基準にしても、条件を増やせば一気に確率が悪くなります。

まとめると普通でいいとか普通じゃダメだというのはかなり贅沢な要求であることを経営者たちに知ってもらいたいです。まず仕事を回すだけでもかなり高度なスキルが必要であることを分かっていただきたい。そうでなければ、優秀な人材は皆海外に行ってしまうし、そこまでしなくとも会社を辞めてしまうことは容易に想像できます。そうなれば残った人に皺寄せが行き、さらに経営が苦しくなることも。

以上のようにみなさんが普通だと考えていることは客観的に見たら全然普通じゃないということです。要求も最小限に留め条件を満たさない確率を極力下げることを考えてください。

それでは今回の記事を終わります。なにかご意見があればコメントをお寄せください。お待ちしてます。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

528,964件

#仕事について話そう

110,851件

サポートしていただいたお金は子供の学費のため貯金します。一人でも多くの人が学べる機会を得られるように、お互いサポートしていきましょう。みなさんに感謝しています。