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「速読と遅読!読むことを創造につなぐには?」心に浮かんできた言葉(029)

こんにちは「てると大吉」です。
写真は瀬戸内の島々。空と海の色に秋の訪れを感じます。

秋と言えば・・・。読書の秋ですかね。読書週間はまだ先ですが、今日は読むことについて書いてみます。

まず「最近、自分の読みは雑になっているのでは」と感じています。確かに「読み飛ばす」ことが多くなっている。スマホやタブレットでニュースを読むときは特にその傾向が・・・。みなさんはどうですか。

情報を得ることが主目的だと、AIの力もかりて、効率よく読むことを無意識に優先しているようです。それに対して、小説や随想など一冊の本は、行きつ戻りつ、繰り返しなどがあたりまえで、効率とは縁のない読み方をしています。いや、効率は必要ない気がします。

このこと、『悲しみの秘義』では、次のように対比されています。

現代人は情報を取り入れることに忙しく、不可視なものを「よむ」ことを忘れ、ひたすら多くのことについて知ろうとしている。 031頁

空気は目に見えない。しかし、私たちは全身でその存在を感じている。「よむ」ときも目や頭だけでなく全身を開放して言葉に向き合わなくてはならない。
読むことは、書くことに勝るとも劣らない創造的な営みである。作品を書くのは書き手の役割だが、完成へと近付けるのは読者の役目である。 032頁          

『悲しみの秘義』著者 若松英輔(文春文庫)2019.12.10 株式会社 文藝春秋

速読は知識を効率よく得るには有効な読み方。それはそれで大切なこと。だけど対象や目的が違えば、ちがう「よみ」があるのですね。

遅読は、たとえば、この『悲しみの秘義』という本の著者の言葉としっかり向き合う。そして言葉の持つ空気のようなもの、目に見えないものを、丁寧にゆっくりと感じることでしょう。難しいことですが、この姿勢は僕の「よみ」を変えてくれる気がします。

最近、「あわててもしかたないなぁ」と思います。読書もそうですが、目の前のことをしっかりと味わうゆとりを持てたら・・・。なにごとも「あわてない!あわてない!」ですね。

今週も読んでいただきありがとうございます。明日から10月。どうぞ良い一週間をお過ごしください。ー20024.9.30ー

ちなみに、文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」の結果についてをみると、「一か月に読む本の冊数」は、読まないが6割台ですが、「本以外の文字・活字による情報を読む機会」は、ほぼ毎日あるが7割半ばです。
「読まないが6割」という部分に注目した報道が多い気がしますが、そこだけ見てはいけないなぁと思います。

文化庁のホームページ、令和5年度「国語に関する世論調査」の結果の概要を参照しています。

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