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創作チャーハン

現在夏休み真っ只中。
食事の支度に追われています。
というお話し。

夏の日差しが差し込むキッチンで
お料理をするのはなかなか大変。

キッチンのエアコンを使っているけれど
換気扇を付けると、涼しさが抜けていくし、火の熱で室温は上昇。

なので、
夏場のお料理は
手早く作れる物がいい。

お昼を何にしようかと
小説の文字を追いつつ
反対側の頭の中では
冷蔵庫の中を思い出しながら暫く考え

チャーハンを作ることにした。

本を閉じて
具材を刻む
炒める
溶き卵をかけ炒める。

中華皿に、まあるく盛り付けたチャーハンは、美味しそうに湯気をくゆらせている。
そこにネギを乗せ、
冷たい麦茶と
デザートの巨峰と
レンゲを
トレーに乗せる。

息子を呼び、
食べている息子を眺めていたら 
まぁまぁな量を食べた辺りで
息子がこう言った。


息子『これ、味無いよ』

私『え?(まさかコロナ?)』

私の心の声が聞こえたかのように
息子はこう答えた。

息子『巨峰の味は分かる。コロナではない』

うそだぁと言いながら
私もチャーハンを食べてみた。

・・・・・

有るのか無いのかさえ、ハッキリしない

自分が3歳だった時の事を
無理矢理思い出そうと、
遠くにある記憶を探す時のような

めちゃんこうす味だった。

原因はごはんが多かったのだ。

嘘。


味見をしないで雑に作ったチャーハン。
暑さから早く逃れたい一心で作ったチャーハンの味だった。

夏の私がやりがちなミス。
息子にはこう説明した。

私『これはね、味が無いのではなく、うすく感じる中にある、微かな味を追いかけ、何味かな?って、
想像力と記憶力を働かせて食べる創作チャーハンなの。
だから、人によって味が変わる。
ほら、このチャーハン、たまに味が濃いチャーシューに出会うでしょ?それを頼りに食べきって』と。

子供騙しにもならない事を言い放った。

息子はニヤニヤしながら
ふたくち程、口に運んでこう言った。

『もうたべれない笑笑笑』
『味、無さすぎ笑笑笑』

息子はレンゲと私を置き、
自室へ帰って行きました。

味が無いチャーハン
食べた事ありますか?

おしまい♪


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