ものぐさな人生です。体がデカく気が小さい。流されるまま28年の歳月を経る。哲学、精神医…

ものぐさな人生です。体がデカく気が小さい。流されるまま28年の歳月を経る。哲学、精神医学等々。日記。薬にも毒にもならないことを書いてます。

マガジン

  • ものぐさ生活史

    ものぐさ人間の生活史です。登場人物「俺=俊」「まるちゃん=彼女」

  • ものぐさエッセイ集

    エッセイ集。エッセイって、フランス語の「試す、試みる」を意味する動詞essayerからきてるみたいです。

  • ものぐさ読譜

    読んだ本の書評です。生意気こいてます。趣味だから許してほしい。

  • ものぐさ精神医学

    ガチめな精神医学の書き物たち。

  • ものぐさ映画録

    観た映画について細々と書いてます

最近の記事

ものぐさ生活史 2024年2月10日〜13日

10日 本を読んで気に入ったことばをコツコツ集めて記録してる。 別に何かに使うわけじゃなく、ただの趣味。 基本的に貧乏性だから本を読んだら何か記録しておきたい欲望に負ける。 今日、目についた文章たちがこちら。 だからなんだって話。 まあ、こういう言葉を集めてWordに記録してプリントアウトしたものを眺めるのが好きなんだ。 寺山修司に「ポケットに名言を」っていう本があったけど、あれと似たようなもので、言葉を集めたがる変態志向が俺にはある。 12日 他者の目をどの程度気

    • 俺のブックオフ偏愛履歴

      みんなブックオフに行ってるかい? そこは人生のいかなるフェーズにも開かれてる寺子屋みたいなものだ。 俺は小学生からブックオフに通い詰めてる。 最初は狂ったようにマンガを読んだんだ。 マンガの上に座ってマンガを「座り読み」してた。 クソったれな小学生だった。あの頃の自分に出会ったらゲンコツのひとつでもいれてると思う。 でも、そのおかげで世の中に色んなマンガがあることを知った。ドラゴンボールから少女マンガまであらゆる漫画を読んだ。 子どもにとって多様性っていうのは世界の

      • ものぐさ生活史 2024年2月8日

        今日は一日ダラダラ。 なんでダラダラした日の夕方ってちょっぴり後悔するのかな。この感覚は子どもの時にはなかった。 大人の味だ。 パンクした自転車を直しに自転車屋に行った。 そこの自転車屋は、小学生の頃からお世話になっていて、いつも変わらない佇まいで安心する。 ずっと前からの店員さんに、知的障害のある人がいる。結構障害が重くて、その人が接客してくれるとお客さんは不安になるほど。 話が通じてるのか分からないんだよな。 言ったこと伝わってるのかな?ってなる。 だけど、その店員さ

        • ものぐさ生活史 2024年1月26日~30日

          1月26日 今日はめちゃくちゃ寒い。寒すぎる。 駅のホームに人が震えてた。寒さに震える人を見るのは久しぶりだな。 こういう時に雪山で遭難したらこんな感じなんかなって想像する。痩せてる奴から死んでいくんだろうな。熱計算のジュールってやつを昔、理科の時間で覚えさせられたっけ。人間も生き物だから熱を身体に保ってないといけないんだ。恒温動物の宿命。変温動物だったら寒いのとかへっちゃらなんかな。ヘビとか。ヘビが震えてるって全然想像できないもんな。 家までの帰り道。寒い中、マフラーに

        ものぐさ生活史 2024年2月10日〜13日

        マガジン

        • ものぐさ生活史
          6本
        • ものぐさエッセイ集
          3本
        • ものぐさ読譜
          2本
        • ものぐさ精神医学
          3本
        • ものぐさ映画録
          1本

        記事

          ものぐさ生活史 2024年1月16日〜20日

          1月16日 『Good Will Hunting』をNetflixで観る。 たぶん4回目くらい。何度観てもいい話だ。 カットの画も、セリフがなくて登場人物が表情だけで、立ち姿だけで語るシーンも綺麗。映画を観て思ったことは、人は死ぬし、自分のほんとうにやりたいこと、目を奪われるものを見つけたのなら、わき目を振らずにそのものを追いかけることの大切さだ。1人の人を愛することとその記憶は人生を豊かにすること。 映画の中では惚れた女の子に身体全体でぶつかっていくことを「その子を確

          ものぐさ生活史 2024年1月16日〜20日

          ものぐさ生活史 2024年1月12日〜15日

          1.12 仕事をした。 帰宅して「にがにが日記」を読みながらチョコレートを食べる。チョコはいつも甘くてうまい。 本を読むとすぐに集中できなくなる。switchを手に取ってみるけど、それにもすぐに飽きる。 飽き性なんだな。仕方なく部屋を見渡してみる。なんの変化もない。また、読書に戻る。 1.15 今日は休み。朝から歯医者に行った。なぜ歯医者に行く前はあんなにも憂鬱なのか。滅多に不機嫌にならないが、歯医者さんに対してはかなり不機嫌な態度を見せている気がする。申し訳ないけど。 歯

          ものぐさ生活史 2024年1月12日〜15日

          ネガティヴ・ケイパビリティについて

          箒木蓬生『ネガティヴ・ケイパビリティ-答えの出ない事態に耐える力』を読んだ。 とてもいい本。 めちゃくちゃ良くて2回読んでしまった。 詩人キーツが兄に宛てた手紙にある一文がある。 人って矛盾に耐えられないから何かしらの答えをひねり出す。どっちつかずってのが一番嫌な生き物なんだ。 昔付き合ってた彼女に中途半端が嫌いだ、と言われたことを思い出す(完全にこちらが悪かった) キーツの生き様は劇的(父母は幼い時に病死、本人は25才で死んでる!)だけど、長生きしていたらどうなって

          ネガティヴ・ケイパビリティについて

          ものぐさ生活史 2024年1月8日〜9日

          1月8日 最近ちょっと読みかじったものを紹介。 『星の王子さま』を書いた有名な作家サン=テグジュペリの言葉に「交換」というものがある。これは、人間は何かの仕事に打ち込んで、自分のすべてをそれに捧げることで、自分の命とそれを交換するという思想らしい。 交換の思想のもとで生きた人について、サン=テグジュペリはこう思ってた。 詩的でいいな。星いっぱいで死ぬ人生を自分も歩んでみたい。 我を失うほどに没頭して何かをすることが人間の幸福の一つであることは、仏教でも言われてた。うじう

          ものぐさ生活史 2024年1月8日〜9日

          映画「パターソン」-過ぎゆく日常の揺らぎを見つめて-

          ジム・ジャームッシュ監督「パターソン」を観て 詩人のバス運転手、パターソンの1週間を描いた作品。 同じ時間に起きて、同じ朝食を食べて、 同じ仕事で同じルートを運転し、恋人とご飯を食べる。犬の散歩、行きつけのBarでお馴染みの顔と会話を交わす。 寝る前に地下室でその日にあった印象的な出来事を詩に書き連ねる。 そんな何も事件が起きない映画だけど、その日常を詩人の目は色鮮やかに捉えていく。 パターソンは寡黙でほとんど自己主張もしない人だけど、その内面にはどんな小さな出来事で

          映画「パターソン」-過ぎゆく日常の揺らぎを見つめて-

           不安について 〈交感領域という試案〉

          不安について 「不安」とは何か。 誰もが感じる感情だが、不安ほど個人によってその程度が異なる感情はないように思う。 たとえば、「喜びを噛み締める」というように、喜びを感じていることは外から観察できるし、溢れ出てくる感情である。 一方で、不安というものには一種の掴みどころがない。自信家の人の背後にも不安がある。そして、不安は外からも見えない上、不安を感じる本人によっても意識されない場合がある。 一般的に、不安は多かれ少なかれ隠される感情であり、怒りや悲しみと同様に、むやみ

           不安について 〈交感領域という試案〉

          世界における牽引と徴候

          この論考は、ニセアカシアの香りから着想を得て作られた。木々たちの香り、ニセアカシアは現在を、金銀花はまだ到来していない香りの予感を、桜はすでに過ぎ去った過去の余韻を、それぞれ現在に持ち越して香っている。この匂いの中で、「予感と余韻と現在」の時制を考える。世界は現在の記号だけでなく、予感と余韻という表象され得ない意味を有している。 世界における牽引とは 世界は「牽引」が満ち溢れている。プルーストはマドレーヌの香りから遠い過去の記憶を牽引して現在に呼び起こす。「牽引」とは引

          世界における牽引と徴候

          詩を読む夕方。詩人田村隆一について。

          詩人の言葉は心の深いところに届くのでなく、ごく表層に膜を張るように忘れがたい印象を与えるものだ。こう思うのは、詩人田村隆一の『腐敗性物質』の書き出しの一文を読んだからである。 詩人は人間を「腐敗性物質」と言う。一見して、人間を物質に還元して捉えている、という意味にはあまり思えない。身体か精神という、古典的な二項対立を使っているわけでもない。 「腐敗性物質」という言葉のなかに、どこか人間を恐れているような感じを受けるのは俺だけかな。形式という、ある意味安定した秩序のなかに、得

          詩を読む夕方。詩人田村隆一について。

          強迫症についての断章

          序文 精神医学で言う強迫性障害とは、不快なイメージ(強迫観念)が頭から離れず、それを解消しようとする行為(強迫行為)が止められない病気である。 ここでは強迫症とは何か、強迫とはどのような精神構造のもとに生じるものなのか、さらには、その治療について少し書いてみたい。 強迫症は精神疾患であるが、「強迫性」は私たち誰にでもある傾向だろう。「時間がもったいない」というタイパ思考、「生産性がないことに対する拒否感」のようなコスパ思考も大きいな意味で強迫的傾向と現れと言える。強迫とは現

          強迫症についての断章

          中井久夫 「私の日本語雑記」

          「私の日本語雑記」 著者:中井久夫 出版社:岩波書店 発行:2010年 著者は精神科医の中井久夫である。精神科医として、統合失調症の寛解過程理論、風景構成法の考案、その業績は枚挙にいとまが無い。一流の精神科医でありながら、現代ギリシャ詩の頂点であるカヴァフィスの全訳を行い、フランスの詩人ポール・ヴァレリー の詩集『若きパルク・魅惑』まで訳す翻訳家でもある。さらに、本書のような一般読者に向けたエッセイでは、その教養の深さから様々なテーマの問題を取り上げ読者を知恵の森に引き込む

          中井久夫 「私の日本語雑記」

          デイヴィッド・ホックニー DAVID HOCKNEYとその芸術

          来歴と作品  1937年イングランド北部のブラッドフォードに生まれ。同地の美術学校とロンドンの王立美術学校で学ぶ。1964年ロサンゼルスに移住。アメリカ西海岸の陽光あふれる情景を描いた絵画で一躍脚光を浴びた。  60年以上にわたり美術表現の可能性を探る試みを続け、現在はフランスのノルマンディーを拠点に、精力的に新作を発表している。2017年には生誕80年を記念した回顧展がテート・ブリテン(ロンドン)、ポンピドゥー・センター(パリ)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)を巡回

          デイヴィッド・ホックニー DAVID HOCKNEYとその芸術