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向井柳雲の食とワインのマリアージュレポート vol.1


ワイン名

モンマルサル・ブリュット・レセルバ・オーガニック

産地

スペインカタルーニャ州ペネデスDOカバ

ワイナリー

モンマルサル

品種

チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ、シャルドネ。


モンマルサル・ブリュット・レセルバ・オーガニック


モンマルサル・ブリュット・レセルバ・オーガニック


値段

1848円(税込)

購入店

ヴィノスやまざき



マリアージュ

チーズ

蔵直日本チーズ「白」


蔵直日本チーズ「白」

料理

蛸とマッシュルームのアヒージョ


マリアージュイメージ

ワイン単体

モンマルサルは家族経営の蔵元でオーナーが元音楽家のため、クラッシック音楽をワイン醸造の際に使用している。
焼きリンゴや杏のようなアロマがあり、どこか懐かしさを覚える。そう、それはまるで遠い昔母の腕に抱かれたときのような懐かしさ。そして、産地が海に近いからか、いつの日だったか、寄せては返す波をただ見つめていたことを思い出した。あのとき、自分は何を思っていたのか。今となっては、もはやそれを思い出すことさえできない。そのとき、ふと私の肩に手を添える者がいた。見ると、シルクドレスを着た女が優しく微笑みかけてくる。スペインのシャルドネは、フランスと違いそこまで華やかでも無ければ鋭利でもない。それ故の気品のある優しさが、そっと私を包んでくれた。

チーズとのマリアージュ

蔵直日本のチーズ「白」は牛乳(北海道産)と食塩だけで出来ており、それ故の優しい味わいが際立っている。ワインとチーズを合わせると、チーズに内包されている色々な要素によってまるで目の前に数種類の果物がいっぱいに入った籠を置かれた気分になる。それはやはり、ワインに使われている焼きリンゴや杏を思わせるアロマと、チーズにすることによってよりまろやかで胃腸に優しい味わいになった牛乳の相互作用によるものだろう。

料理とのマリアージュ

アヒージョは刻んだニンニクとオリーブオイルで食材を煮込んだ、スペイン南部の料理。スペインのワインと料理のマリアージュ。しかも同じ南部に所縁がある両者であるため、マリアージュ自体はさほど難しいことでは無い。そして、今回使った食材は蛸とマッシュルームだ。
マッシュルームは、食用栽培種である担子菌門ハラタケ科のきのこであり、和名はツクリタケ。世界で最も多く食用にされているキノコであり、ホワイト種、オフホワイト種、クリーム種、ブラウン種の4つの品種群に大別される。
蛸は、300種類を超える品種が見つかっている。ユダヤ教では蛸は食べてはいけない魚介類に指定されている。そしてそれは、キリスト教やイスラム教の一部の教派でも同じように取り扱われている。
ワインと料理を合わせると、ともに海という共通点があるからか、海中をすいすいと自由に泳ぐ魚になったような気分になる。海風に当たるブドウ畑で作られたワインと魚介類である蛸、そこにマッシュルームが全体を優しく包み、まさに渾然一体となした素晴らしいマリアージュを演出している。


おすすめのシチュエーション

一人でゆっくりリラックスしたいとき。

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