ドイツ法における発明者への報酬

ドイツ従業員発明法(ArbEG)では使用者(企業)に多くの義務を課してます。
例えば、13条は従業者が発明した特許を、遅滞なく特許出願をする義務を課しています。また、使用者が出願を望まない他国においては従業員に出願を許さなくてはなりません(14条)。
もし、ドイツにおいて就業規則や職務発明規程を作成する場合には、これらの義務を免除(=従業員の権利を放棄)するように留意が必要です。
また、いざ紛争に発展してしまった場合、報酬を計算する名目ですべての関連文書の提出が必要になる場合があります。これは企業にとっては大きな負担であると同時に、万が一不完全な情報開示となった場合には刑事責任を負いかねないリスクでもあります。
そのため、会計書類の請求権を制限する内容とする必要性も高いです。
また、欧米ならではですが、報酬請求権を目的とするトロールも横行しています。これを防ぐ観点からは譲渡禁止とするのがよさそうです。
ドイツでの職務発明の考え方は、日本においても応用できる部分があります。ますます研究が必要ですね。

以下についても学びがありました。これについてはどこかの機会で。

・関連企業へ特許が移転している場合、当該実施による利益は従業員に還元されるか
・報酬請求権に消滅時効はあるか

下記のセミナーを受けての感想でした。


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