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Issue #03 | 起業家のメンタルヘルス

地域・社会の課題を考える「Issue」。

今回のテーマは、「起業家のメンタルヘルス」です。


政府は、2022年を「スタートアップ創出元年」とし2027年までの5年間でその数を10倍に増やすことを目指しています。このことは大人の世界の話だけではありません。教育の分野においても「グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGE)(2014-2016)」「次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)(2017-2021)」など大学における起業家人材育成に向けた各種事業が行われてきました。そして、これは小中高生の教育にも広がってきています。


今後、起業を志す人が増えてくる中で、考えるべきテーマ「起業家のメンタルヘルス」について、リディラバジャーナルの特集記事から考えてみました。


カリフォルニア大学(アメリカ)の調査によると、起業家のうちメンタルの不調を経験したのは49%(起業家ではないグループでは39%)とおよそ半数の起業家がなんらかのメンタルの問題を抱えていることが分かりました。


この背景としては、負荷の大きさや本音で話せる(同じ目線で話せる)相手がいないと言った起業家ならではの要因があること。そして、メンタルに支障が出た後も、そのことを表に出せず知らぬまに社会から姿を消してしまうケースが多いのだそうです。


自由には責任がつきものです。ましてや、会社の代表ともなればなおさらのこと。

そうではあれど、起業家のメンタルヘルスには課題があることをしっかりと認識し、方策を検討した上で、起業家を増やしていく旗振りを行っていく必要があるのではないでしょうか。



【所見 -あり方を考える-】


「起業家のメンタルヘルス」の問題は、単に起業家本人のみならず、その周りの関係者の存在も大きいといえます。


起業家本人が、メンタルヘルスに関するリスクについてしっかりと理解していることはもちろん大切です。とはいえ、本人が気づかないうちに徐々に徐々に不調が生じてくるというケースも多いわけで、その際に、投資家や支援組織、起業家の仲間といった、家族でも従業員でもない第三者の理解と声かけが重要になってきます。


また、今後、起業家を産めよ・増やせよという社会の潮流となってくる中で大切なのは教育のアプローチではないかと思います。起業は、キラキラした魅力的な世界に見えがちなわけですが、その裏にはさまざまなリスクも潜んでいることをメンタルヘルスに限らず伝えていく。『正しく知り・正しく恐れる』教育のあり方が何より大切なのではないでしょうか。


人口減少社会が到来し、さまざまな社会課題が顕在化する日本。

これまでの当たり前を問い直し、新しい構造を・新しい事業を産んでいくためにはイノベーションが必要です。

リスクを恐れていては、イノベーションは生まれません。

しかし、リスクだけが転がっている状態ではチャレンジしようという人も生まれません。

「『正しく知り・正しく恐れる』教育」「チャレンジと失敗に寛容な社会」

この2軸こそが、イノベーションの土壌になるはずです。



<参考文献>

▷リディラバジャーナル
・(intro)【起業家のメンタルヘルス】挑戦者たちの隠れた苦悩
https://journal.ridilover.jp/topics/31
・(no.1)光の陰に潜む「起業家たちの心の痛み」
https://journal.ridilover.jp/issues/168?journal_user=journal_user_7243&journal_token=20220808155133DA6sXcuHYSIbOJ5Z3L
・(no.5)多様な起業を支えるしくみづくり
https://journal.ridilover.jp/issues/172?journal_user=journal_user_7243&journal_token=20220808160644zV8iKqv3UQJGFZjElk
・(no.7)編集長安部が語る「起業家のメンタルヘルス」
https://journal.ridilover.jp/issues/174?journal_user=journal_user_7243&journal_token=20220808160030IfyTMYlkOs9RwimJAE

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