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DX支援の第一歩

前回UX改善のステップについて書きましたが(前回の記事)今回はDX支援を行うときの進め方について触れてみたいと思います。とはいえ自分の業務としてはDX支援もUX支援も最初の第一歩はほぼ同じです。

ヒアリングで大切にしていること

言わずもがな、ご相談をいただいたときにはご依頼の目的をヒアリングします。そのヒアリングで目的が明確なときもあれば“実行したきこと”をお話しされるケースも多くあります。実行したきことの背景にはもちろん業界的な課題だったり、“依頼主の思い”がありますが、ご相談いただいた時点では私にはわからないので、その背景をしっかり把握するようにしています。

稀に“手段が目的になっている”と思ってしまうときありますが、実際は私がその背景を把握していないだけなので「なぜそれをやるのか?」「どんな未来を思い描いているか?」を丁寧に伺うようにしています。

このとき(最近になってやっとですが)、私が過去に受けたコーチング研修の経験(過去の記事)を活かすことができていると感じています。
また、昨年、一昨年には、逆に私がコーチングをしてもらうという経験をしたのですが、その経験も活きていると実感しています。

私のところにご相談いただく時点で、かなりの課題感を持たれているはずなので、丁寧にお話を伺い、ご相談の背景を共有してもらうようにしています。

業務の整理にはユーザーストーリーマッピング

次に実際の業務整理を行います。業務整理を行うにあたってはユーザーストーリーマッピングの手法を用います。
「アジャイル開発でもないのにユーザーストーリーマッピング?」と思われる方がどれくらいいるかわからないのですが、業務の整理にはユーザーストーリーマッピングの手法が向いています。

私はnotionのボードビューを使うのですが、業務のステップを横軸に並べ、それぞれのステップの列の中に具体的な作業内容をカードで記載していきます。そしてそのカードの中に課題や実現したきことを記載していきます。

まずは肩の荷を下ろしてもらう

業務を整理している過程でそのステップごとに課題や改善案などが出てきます。大体において課題は山積みです。「やらないといけないことがいっぱいあるんですよね…」という言葉は常に出ます。
そのとき私は必ず「まずは今持っている課題を全部出し切って肩の荷を下ろしてください」と伝えます。頭の中でわかってはいるものの、時間や人、お金など、さまざまな事情があって口に出すことも躊躇ってしまう。その結果精神的にも辛くなってくる。だからまずは課題を出し切って、肩の荷を下ろしてもらいたいと思っています。そうすることで、すっきりとした気持ちで課題の優先度を整理し、改めて課題に向き合う準備ができるのです。

見落としたくない改善の兆候

業務ステップをひとつひとつ紐解いていくと、課題が山積みなステップもあれば特に何も問題はないステップもあります。ただここが要注意で、“何も問題ない”というのは、本人がそう思っているだけで、実は隠れたところに問題があり、気づいていないだけ、ということを疑う必要があります。
なぜなら、気づいていないから改善に取り組むことができず、その結果、その状況が“当たり前なこと”として社内で(業務に関わる社員の間で)改善しようとしなくなってしまっている可能性があるからです。

「特に問題はない」その言葉が出た時は注意して話を聞くようにしています。

もうひとつあるのは、改善を“諦めてしまっている”ケースです。業界の常識や慣習だからと言って諦めてしまっていたりすることの中にこそ、DXのヒントが隠されています。そこを徹底的に疑うことが、初期のヒアリングでは一番重要なことかもしれません。

業界の常識や慣習に改善の余地があれば、それはその業界自体の課題でもあります。そして、業界の課題ということであれば、それはそのまま社会課題とも考えられます。そこに依頼主の思いが加わることで、企業の社会的意義が強くなり、企業価値を高めることにも繋がります。

はじめは企業の業務改善相談として気軽に声をかけたつもりが、新規事業開発の話になっていた。過去にご相談いただいた中には、そんな例もありますので、みなさまお気軽にお問い合わせください。

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