身体管理学協会ニュース【2024年6月15日発行】


身体を正しく管理できる人を日本中に増やそう!/日本身体管理学協会事務局

◉今週のごあいさつ

もうすぐ梅雨入りになりそうな関東地方です。

気温も湿度も上がってきて、もうすぐ夏を感じる季節になりました。

脱水や熱中症に気をつけて、良い夏を過ごせるようにしたいですね。

◉身体管理指導士®養成講座

5月23日(木)から、スモールジム出店者向け養成講習会がスタートしました。

スモールジムを出店される方、もしくは店長として現場に携わる方が受講されています。

今年は年内に一般の養成講座も計画中です。

予定がまとまりましたら、改めて皆さんにお知らせいたします。

◉内科系身体管理の視点
【第52回:「全身の循環はとてもうまく調節されている」】

こんにちは、神谷です。

このnoteを読みくださっている皆様へ、身体管理を指導するトレーナーに必要な内科系関連の情報を、最近のトピックス等を交えてお伝えします。

私たちの体は、刻々と変化する状況に合わせて、酸素や栄養素を必要な場所に効率的に送り届けるために、巧妙な循環システムを備えています。

トレーナーの皆さんは、この循環システムの仕組みを理解することで、運動中の心肺機能や筋力トレーニングの効果をより深く理解することができます。

1. 心臓:血液を送り出すポンプ
心拍数と心拍出量
循環の中心となるのは、筋肉で構成されたポンプである「心臓」です。

心臓は、左右2つの心房と心室から成り、右心房から右心室を経て肺へ、左心房から左心室を経て全身へ血液を送り出します。

心臓の拍動数である「心拍数」と、1回の拍動で送り出される血液量である「一回拍出量」は、運動強度や体内の酸素需要に応じて変化します。

運動中は、交感神経が優位になり、心拍数と一回拍出量がどちらも増加し、より多くの血液を全身に供給します。

2. 血管=血液の通り道

血液は、太い動脈から細い毛細血管まで、網目状に張り巡らされた血管を通って全身を巡ります。

時に「河」に例えられます。

これまでにもお話した通り、動脈は、酸素と栄養素を豊富に含んだ血液を全身に運ぶ太い血管です。

一方、静脈は、老廃物や二酸化炭素を含んだ血液を心臓へ戻す血管です。

毛細血管は、動脈と静脈をつなぐ非常に細い血管で、酸素や栄養素を細胞に直接届け、二酸化炭素や老廃物を回収する役割を担っています。

血管壁には平滑筋が存在し、交感神経と副交感神経の働きによって収縮と拡張を繰り返します。

運動中は、交感神経が優位になり、血管が拡張し、血流が増加します。

一方、安静時には、副交感神経が優位になり、血管が収縮し、血流が減少します。同時に心拍数も安静時の状態に戻ります。

3. ホルモンと神経伝達物質:多様な調節機構

循環を調節する仕組みには、ホルモンや神経伝達物質によって様々な調節機構が働いています。

例えばアドレナリンは緊急時の対応に必要なものです。

運動開始時に分泌されるアドレナリンは、心拍数や心拍出量を増加させ、血管を収縮させることで、筋肉への血流を促進します。

「NO」は「一酸化窒素」です。

これは血管拡張作用があります。

一酸化窒素(NO)は、血管内皮細胞から産生される神経伝達物質です。

NOは、血管を拡張し、血流を増加させる作用があります。

運動中は、筋収縮に伴ってNOが産生され、筋肉への血流が促進されます。

4. 運動中の酸素と栄養素の効率的な供給

運動中は、以下のような変化が体の中で起こります。

そのことにより酸素や栄養素を必要な場所に効率的に供給します。

  • 心拍数と心拍出量の増加

  • 血管の拡張

  • 血液量の増加

  • ホルモンや神経伝達物質の分泌

トレーナーとして循環システムの仕組みを理解することで、運動中の心肺機能や筋力トレーニングの効果をより深く理解することができます。

循環器への理解を深めることで、お客様の課題やお体の状況を把握しやすくなり、より質の高い運動指導・健康指導に役立てることが出来ますね。

◉編集後記

先日、認知症予防に関する勉強会で講師を担当する機会がありました。

このような機会をいただけることに本当に感謝しております。

その時に使う資料を作成しているときのこと。

日本経済新聞の記事検索を使って、「認知症」を調べてみると出てくる出てくる・・・。

3日に1度は記事があるのではないかと思うくらいの記事の量でした。

認知症は健康問題として身近な存在になりました。

私ももちろん他人事ではないし、このような仕事をしている以上は少しでも予防に貢献出来たらと思う気持ちです。

どこかの機会で認知症について、またその予防についての知識や取り組みもご紹介できたらと思います。

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