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『FACTFULNESS』を読んで”ベンチャー志向”について再考する(2/50)

Q:世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A:低所得国
B:中所得国
C:高所得国

調査会社であるIpsos MORIとNovusにより、2017年に開始された「ギャップマインダーテスト」のうちの1問です。この設問の解答はBですが、実は日本人の正答率は24%。4人のうち3人は世界の様相を事実とは異なる見方をしています(ちなみに、選択を無作為に選ぶチンパンジーに同じ問題を解かせたところ、正答率は33%でした)。『ファクトフルネス』の著者であるハンス・ロスリングは、この思い込みを人間の「分断本能」によるものだと書きました。

“人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つのグループに分けないと気がすまないものだ。そして、その2つのあいだには、決して埋まることのない溝があるはずだと思い込む。これが分断本能だ。世界の国々や人々が「金持ちグループ」と「貧乏グループ」に分断されているという思いこみも、分断本能のなせるわざだ。”

”この世とあの世”、”物事に白黒つける”、”南北問題”、などの表現から分かるように、確かに物事は、世界中様々な場所で二つに分けられてきました。就職活動においても、この夏から冬にかけて、就活生が企業の絞り込みをかけていく中で、様々な二分法が使われます。うち代表的なものの1つが大手かベンチャーか、という分け方ではないでしょうか。弊社にエントリーしていただく学生の皆さんも、「ベンチャー中心に見ています」と仰る方がかなり多く、スピード感を持って業務にあたることができることや、裁量権が大きいことなどがその主な理由です。

大手企業とは、一般的に中小企業基本法で定義される“中小企業”よりも規模の大きい企業を指します。中小企業の定義は業種によって異なりますが、例えばサービス業の場合、「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人」とされています。この法的定義になぞらえるとリブセンスは大手企業です。(2021年7月現在の資本金は236百万円、正社員数は273名)。

一方、ベンチャー企業の明確な定義は存在しませんが、基本的には言葉通り、冒険的な事業創造を行う企業を指します。リブセンスでもベンチャーマインドを大切にしており、新卒採用を行う際にも、革新性や逆境を乗り越える力などを重要視しています。新卒3年以内にプロダクト責任者を務める社員が複数いるなど、裁量は大きいと思いますが、会社規模は決して小さくありません。

“ファクトフルネスとは……話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。それが、重なり合わない2つのグループを連想させることに気づくこと。多くの場合、実際には分断はなく、誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいる。”

一口にベンチャーと言っても、規模感や組織構造(例えば、スタートアップベンチャーなのか、ベンチャー気質の大手企業なのか)によって、得られる裁量や体感するスピードの種類が変わります。自分がどのような生き方を目指していて、そのためにどのようなキャリアを歩みたいか。分かりやすく考えるため、あるいは分かりやすく伝えるために様々な物事が単純化されがちですが、就職活動のみならず人生を歩むに際して、本当は数えきれない選択の機会があり、選択基準があります。

それらについてディスカッションし解きほぐす場の一つが就職活動であると、私は思っています。

この問いについて、一緒に考えてみませんか? 今口に出している就活軸は、どんな思考から出てきたのか。そしてそれはどこから来たのか。これまでの人生を参照した上で、自分の大事にしているものは何で、それを大事にし続けるために就職先には何が必要なのか。それは、白と黒との間に存在する限りないグラデーションを注視する作業であり、南北問題と括られた世界中の家庭1軒1軒の暮らしを覗き見る作業です。

就職活動という大切な場において、あなたの最良の解が何なのか、見つけ出すお手伝いをぜひさせてください。お待ちしています。

▼リブセンスでは、人事面談を受け付けています。ご応募は下記からDMにてお願いいたします▼
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