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自然とともに生きる村。「アウトドアと食文化(長野県王滝村)」フィールドワークを実施しました。

10/19(土)に、信州つなぐラボ第2期プログラムのキックオフミーティングが開催され、参加者、自治体、事務局が一堂に会して顔合わせを行いました。今回は、その翌週に実施された長野県王滝村でのフィールドワークの様子をご紹介します。

こんにちは、信州つなぐラボ事務局の橋本です。
10/26(土)~27(日)の2日間をかけて、「アウトドアと食文化」チームの参加者11名が、長野県王滝村へフィールドワークに行ってきました。
今回は、その様子をお届けします。

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王滝の風を感じる、Eバイク体験

到着してはじめに向かったのは、松原スポーツ公園という村営公園。
そこで出迎えてくれたのは、現役選手としてマウンテンバイクのレースにも出場する役場職員の宮津さんと、王滝村のトレッキングガイドなどを務めるグラデンさんです。

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村では、アウトドアスポーツ振興の一環で「Eバイク」と呼ばれる電動のマウンテンバイクが導入されていて、今回は特別にそのEバイクを使って村巡りをすることに。

いざ、村内を周遊

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宮津さんの丁寧なレクチャーのおかげで、最初はすこし緊張気味だった参加者も、いざ風を感じて走り出すと、自然と笑顔がこぼれます。

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御嶽山の麓にあるこの村を、山の神様とともに見守ってきた「御嶽神社」にもごあいさつ。

急な坂道をぐいぐい進み、お昼会場に到着した頃には、皆「着いた…!」という達成感に溢れた表情でした。笑

Eバイクで体を動かした後は、おいしい食事

ここでようやく、お昼ご飯。
村内に唯一あるお蕎麦屋さん、「そば処 さくら」にて美味しい蕎麦定食をいただきました!

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地域の皆さんと簡単な自己紹介、意気込み共有を終え、だんだんと会話も弾みます。

再びEバイクで「里宮」へ

お昼を食べたあとは再びバイクに乗り、御嶽神社の社殿の一つ、「里宮(さとみや)」へ。

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Eバイクチームは勾配のあるオフロードを、徒歩チームは368段の階段を登って、着いた先には、美しい小滝が。

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御嶽山の神様を祀る御嶽神社。
グラデンさんから山岳信仰の歴史について説明を受け、村のあちこちに立っていた石碑が、信仰者の魂を弔う「霊神碑(れいじんひ)」だということを学びました。

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山岳信仰は、王滝村の一部として今も深く根付いている一方で、参拝客の高齢化も進み、信仰で村を訪れる人は年々少なくなっているそう。

また、村にあるスキー場も、スキーブームの低迷や御嶽山噴火の影響で、お客さんが減少しているようで、当時賑わったペンションや宿は、閉業しているところも少なくありませんでした。

一方で、新しい取り組みも

次に訪れたのは、「ギークハウス 信州王滝」。

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現在は、主に地元の子供たちが、放課後に学習したり遊んだりできる無償の学習塾としての役割を担っていて、今後はテレワークスペースとして都内からIT企業の社員誘致なども検討しているとのこと。

参加者の間でも、「ここは、こういうふうに使えるかも」「自転車で村を周ったりしながら、滞在拠点にできそうだね」という声が聞かれました。

夜は、さらにディープな滝越地区へ

温泉で束の間の休憩を終えた一行が向かったのは、村の中心部から、車で30分ほど離れたところにある「滝越(たきごし)」というエリア。

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まるで「もののけ姫」の世界にいるような、山深い林道を抜けて行った先に、突然、わずか数世帯が暮らす美しい集落の風景が広がります。

四方を山に囲まれ、集落のすぐそばには池が、少し行くと森の中にキャンプ場や川辺もあり、都会ではなかなか見ることのできない景色です。

村民との触れ合いから、王滝を知る夜

滝越地区にある皆の憩いの場、「水交園(すいこうえん)」へ到着すると、いよいよ村民との交流会がスタート。

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村からは、副村長の越原さんや村誌編纂室の澤田さんが参加してくださり、これまで見てきた王滝村の風景を思い出しながら、気になることを続々と質問しました。

地元の方の声にもだんだんと熱がこもり、会は盛り上がったまま、お食事をいただく流れに。

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乾杯をしていただいたのは、滝越地区で宿「三浦屋」を営む、三浦さん。
かつて、村を走っていた森林鉄道や村の産業、歴史について、語っていただきました。

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ベテランから若者まで、村民と参加者がひとつのテーブルを囲み、王滝の食を味わいながらの交流会に話題は尽きず…気付けばあっという間にお開きの時間に。

村を巡り、地元の方の話を聞いて、少しずつ王滝村が見えてくる中、「自分みたいに、都会で働く人が来れるきっかけを作りたい」、「村の人が話してくれた歴史や幾多の災害を乗り越えて強く生きる姿を発信したい」と、今後のプロジェクト構想に向けた議論も飛び交う夜でした。

2日目は、村の一大行事をお手伝い

2日目は、王滝村の一大イベント「おんたけ湖ハーフマラソン」のボランティアからスタート。

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 おんたけ湖ハーフマラソンは、今年で9回目を迎え、全国から述べ1000人以上が参加する大会です。
村の人口を上回る人数の参加者がやってくるこの大会は、村人総出で準備・運営されています。

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私たちつなぐラボも、ボランティアの一員として、担当ごとに、ランナーにドリンクやおにぎりを手渡ししたり、ゴールテープを持ったり、地元の方とコミュニケーションを取りながら、お手伝いさせていただきました。

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準備の合間には、地元のお母さんが作った赤かぶの漬け物や栗の渋皮煮の試食大会が始まり、「これも、これも、食べてみて!」と、どんどん出てくる王滝の味に、皆ワクワクした様子でした。

王滝に伝わる食文化を体験

ハーフマラソンのお手伝いを終え、フィールドワークの締めくくりとなる、すんき・赤かぶ漬け体験へ。

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教えてくれるのは、王滝の「ばあちゃん」こと佐口さん。

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佐口さんのお家には、普段からいろんな人が訪ねて来ていて、村の人がふらっと来てお茶を飲みながら世間話をしたり、ご本人が気付かぬ間に知り合いがお家にあがっていることもあるそう。

そんな佐口さんは、王滝に伝わる郷土食を今も作り、伝え続ける数少ない一人でもあります。

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皆、王滝のばあちゃんの話に耳を傾けながら、自分たちで作った赤かぶ漬けとすんき漬けの食べごろを楽しみに、体験を終えました。

これからに向けて

2日間を終えて、いま感じていることをお互いに共有する時間に。

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「マウンテンバイクで見下ろした景色がすごく印象に残っている」、「まだまだ2日間では王滝の魅力は知りきれない」、「人生で初めて村に来て、村人と出会えたことは、自分にとって衝撃だった」など、11名の参加者それぞれが感じた王滝村をシェアしました。

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その後は、改めて「王滝村でやってみたいこと」をキーワードにし、無言でお互いのキーワードを見せあいながら、共感したメンバー同士でチームに。
今後のプロジェクトに向けて、早速チーム初の作戦会議も行いました。

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最後に

あっという間の2日間でしたが、実際に村を訪れたことで見えるものが沢山ありました。

「災害がある度に、乗り越えてきた王滝村には、癒しとともに芯の強さを感じた」という参加者の声にも現れるとおり、普段、都会にいると忘れがちな、「自然とともに生きること」の尊さを感じる2日間でした。

現地でのフィールドワークを終え、いよいよこれからチームごとに事業構想に向けて動いていきます!
引き続き、つなぐラボメンバーの活動にご期待ください。


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