見出し画像

【考察日誌】 プログラミング教育の波紋!専門スキルは「常識」になってしまうのか?

こんばんは、芝本です。

働き方について、これまでいろんな観点からアウトプットしてきました。

ここ数年で実際に、知人・友人から「転職したい」や「フリーランス」になりたいという相談も受けることが多いです。その中でも、「SEになりたい」や「プログラミングをマスターしたい」という声は、やはり一定数聞きますね。

そんな中、最近プログラミングに関する記事で面白いものを見つけました。

6月11日に発売されたNintendo Switch用ソフト『ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング』が、爆売れしているという記事です。

なんでも、AmazonのTVゲームストアの予約数ランキングで1位を獲得するなど、連日、各通販サイトで上位にランクインする人気っぷりです。家庭用ゲーム機を媒体に、子供もプログラミングを学ぶことができるとは、驚きですね。
少し昔に「脳トレ」のゲームが流行っていましたが、今回も新しいユーザー層を獲得するためのチャレンジが成功した事例かもしれません。

こういったゲームが人気になった背景として、一体何があるのか?少し考えてみました。

誰でもゲームプログラムが作れるゲーム

画像1

Nintendo Switch用ソフト『ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング』がどういったゲームかについて調べてみました。

まず、このゲームは「プログラミング教育」を目的としたゲームです。そして、ここでできるプログラミングは「ゲームのプログラミング」であり、市販のゲームがどのような仕組みで作られているかを勉強することができます。

一般的に、プログラムを組むとなると避けては通れないのが「プログラミングコード」です。

「プログラミングコード」
何かのプログラムを作る際に、そのプログラムに「どんな動作をさせたいか」という処理の内容を書いたテキストファイルのこと。これらを組み合わせることで、1つのプログラムが完成する。

「プログラミングコード」と聞くと、やっぱりなんだか難しそうです。
しかし、さすがの任天堂さん。このゲームでは難解に見える「プログラミングコード」は使いません。「プログラミングコード」の代わりとなる「ノードン」というキャラクターをつなげることで、ゲームプログラミングを組み立てることができます。

例えば、ゲーム画面内に置いてある箱に対して、「ボタンノードン」と「まわせるモノノードン」を繋げると、『コントローラのボタンを押すと箱が回る』というプログラムが組むことができます。

これなら素人のボクもできそうですね。

さらに、丁寧なナビゲーション付きで、自分のペースで進めることができます。また、スキルをある程度つけた人は、自由にプログラミングを組める「フリープログラミングモード」で際限なく遊べるというおまけ付きです。

ということで、大体どんなゲームかはわかりましたね。では、このゲームが人気になった背景を考えていきます。

「プログラミング教育」必修化による影響

画像2

1つ目の背景としては、先ほど、ちらっと出てきた「プログラミング教育」。これは、2020年に小学校(2021年に中学校)で必修化されていたものだってこと、みなさん知っていましたか?

「プログラミング教育」
文部科学省が定めた新小学校学習指導要領により導入された情報教育。2020年をもって小学校で必修化。その狙いは、主に以下の3つと言われている。
・”プログラミング的思考”を育むこと
・プログラムの働きやよさに気付くこと
・各教科での学びをより確実なものにすること

「え?今のキッズはプログラマーだらけになるの?」と思った方、大丈夫です。あくまで「プログラミング的思考」を育むものです。

「プログラミング的思考」
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」
(出典:文部科学省の小学校プログラミング教育の概要)

例えば、ロボットに「歩行する」という命令を与えるとき、以下の流れで動いています。

「右足を前に出す」→「右足に体重を載せる」→「左足で地面を蹴る」→「左足を前に出す」→「左足に体重を載せる」→「右足で地面を蹴る」→・・・

この動作の繰り返しです。
人間では無意識的に行う”歩行”という一連のアクションが、ロボットだと一つ一つの細かいアクションの連続で動いている、、、ということを理解する力が「プログラミング的思考」です。

要するに、「物事を漠然と捉えるのではなく、しっかり順序立てて分析し、頭の中で構成する思考力」のことです。たしかに、これはプログラム以外にも該当しそうですよね。

以上のように、国による教育改革があったからこそ、教育を受ける子供やその親御さんの「プログラミング」に対する意識が向上するのは当然です。さらに、ゲームとなれば、スキル的にもコスト的にも始めるハードルも低いので、これが人気が出た背景の1つでしょう。

創るという「経験価値」

画像4

もう一つの背景は、創るという「経験価値」が昔に比べて世の中に浸透してきたことです。なんだかボク自身、ここでもかっていうくらい「経験価値」を書いている気がしますね。。。

例えば、同じゲームでいうと「Minecraft(マインクラフト)」や「スーパーマリオメーカー」といったものもそうです。両者ともゲームのフィールドを作ったり加工したりするゲームで、YouTubeでも実況動画がたくさんアップされるほど非常に人気です。

こうしてみると、どれも作っていく過程がめちゃくちゃ面白いと思います。友人や仲間と一緒に取り組めば、なおさら体感できる「楽しさ」も増えるでしょう。このように、一つのものを作り上げていく過程に「経験価値」を感じるコンテンツが昨今では増えています。

さらに、『今まで難しいと思っていたプログラミング』が、簡単に体感できるのも、人気が出た背景でしょう。

「専門」から「常識」へ・・・

画像3

このプログラミングのゲームに人気が出た背景として、「プログラミング教育」と「経験価値」の話をしました。こうなると、プログラミングがより身近なものになってきているのは間違いないでしょう。

数年前までは、「プログラミングの仕事をしている人」というのは専門性の高い技術職で、”選ばれし者”の職業のイメージが強かったです。

しかし、今や国の「プログラミング教育」という波紋から国民のプログラミングの意識は高まり、Nintendo Switchのゲームのようにスタートしやすいツールやサービスが増えてきました。

つまりは、プログラミングができる人というのがますます当たり前になってきている、ということです。プログラミングができて「常識」になるのも、近い未来かもしれません。

そうなると、プログラミングを生業にしていくには、専門スキル以外の能力が鍵になってきますよね。これは、以前の記事にも書きましたが、専門スキル以外に”コミュニケーション能力”を磨いたり、”選ばれる自分”になるためのアクションと努力が大事だと、ボクは考えます。

「専門スキルを磨く」、「自分の人間としての魅力を磨く」、どちらも努力は必須です。でも、他の人より優れた結果を望んでいるのなら、両方やるべきだとボクは思います。専門スキルを磨きたい人は、ぜひ、専門スキルに”+α”となる自分の魅力を磨いていきましょう。

今日はここまで。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?