『”キメ顔”の理論』 〜 写真うつりは、技術で変わる。〜
「私って写真うつりが悪くて…」
と1度でも思ったことのある全ての人へ。
「もっと自然な表情を撮りたい…!」
と悩むカメラマン仲間へ。
このnoteが少しでも役に立てば嬉しいです。
こんにちは。
カメラ紳士もーりーこと、森川亮太と申します。
人を撮るのが好き、というシンプルな思いからポートレート撮影を始め、かれこれ1年ほど人を撮り続けてきました。
このnoteでは、私が何人もの”撮られ慣れていない人”の写真を撮ってきて、皆に共通していた、「写真うつりの自信のなさ」について、感じたことを再現性を持たせて書いてみようと思います。
1年間の撮影から得た、私なりの経験則に基づいたお話になりますが、楽しんで頂ければ幸いです。
写真うつりとは、技術である。
「あの人、なんでいつも綺麗に写ってるんだろう…?」
「やっぱり、顔が良くないと写真うつりなんて良くならないよな…」
TwitterやInstagramなどのSNSに流れてくる美男美女の写真を見て、一度はそう思った人が少なくないのではないでしょうか。
確かに、世に言う”イケメン”や”美人”といった類の人は、正直に言って何をしていても画になります。そりゃあもう、外れなく。
私も、カメラマンとして向き合ってみて、改めて良くわかりました。
顔が良い人は、何をしても、何を着ても、映えるのです笑。
「じゃあやっぱり顔を変えるしかないじゃないか…」
そんな声が聞こえてきそうですが、ちょっと待った!
確かに、モデルやタレント、被写体を生業としている人には及ばないかもしれません。
ですが、ちょっとした工夫で、自分の顔を”魅せる顔”に変えることができるのです…!
これは、センスや持って生まれた才能は関係ありません。
誰にでも会得可能な、”技術”です。
それを、このnoteで皆さんにお伝えしたいと思います。
顔を”魅せる”ための3つの技術
1.顔の角度を操る。
突然ですが、皆さんは「自撮り」をしますか?
実は、1つ目の技術はこの自撮りと、とても深い関係にあるのです。
僕が今まで撮ってきた人たちの中で、「自撮りをよくする」と答えてくれた人は、総じて写真うつりがよい傾向にあったのです。
何故だろうと思い、相関関係がないか考えていたところ、1つの答えにたどり着きました。
それが、”顔の角度”です。
自撮りをよくする人は、手持ちのインカメという限られた画角の中で、いかに自分の顔を綺麗に収め、よく見せるかということを常に考えています。
言い換えると、自撮りに慣れている人は、自分の顔がよく見える角度について、よく知っているのです。
人間の顔は、左右対称に見えて、実は微妙な違いがあります。
髪の生え際、頬骨の形、耳や目の大きさ、etc…
動いているときは大して気にならない違いでも、写真(静止画)として切り取られた時に、言いようもなくアンバランスに感じることがあるのは、実は大部分がここに由来しています。
逆に言えば、アンバランスがあるということは、バランスがとれる場所があるということ。
人は誰でも、自分が良く見える(バランスのとれた)角度があるのです。
まずは鏡やスマホで、自分の顔をいろんな角度から見てみることをお勧めします。
必ず、「あれ?なんかこの角度悪くないぞ…?」と思える瞬間があるはず!
それが、貴方らしく写るための第一歩です。
2.肌色と、影の面積を操る。
キメ角度をひとつ作るだけで、写真うつりは劇的に変わる。
2つ目の技術は、そのキメ顔の印象を左右する技術です。
肌色と、影の面積
と言うと、難しそうな印象を受けるかもしれません。
ですが、ここで言いたいのは
髪型と、身体の向きで、顔の雰囲気が大きく変わる
ということなのです。
写真を撮るために欠かすことのできない、光という要素。
とてもざっくり言うと、白に近い色ほど光をよく反射し、黒に近い色ほど光をよく吸収します。
これにより、写真に明るい印象と暗い印象がもたらされるのです。
…勘のいい人は、もしかしたら気づいたかもしれませんね。
そう、肌色(白寄りの色)と髪型(黒寄りの色)のバランスによって、印象は簡単に変わってしまうのです…!!
写真にうつる顔全体のうち、肌色が多く見える写真はそれだけで明るく。
逆に、髪の毛が顔をおおっている写真は、それだけで暗く。
色が写真に与える影響というのはそれほど大きなものなのです。
それに加えて、女性の方に多いのが、
前髪が思いっきり目にかかってしまう人。
髪が目にかかることによって、目に影が落ちます。
その上、視線や目元がハッキリしなくなるので、結果として暗い印象を強く与えてしまうのです。
ミステリアスな雰囲気を出したい時や、あえて目を隠すことで何かを表現するような写真も多くありますが、プロフィール写真や集合写真でそのような映り方をしても、正直あまり嬉しくないですよね…笑
そして、身体の向きや姿勢についても、同様のことが言えます。
背筋が伸びた姿勢の良い状態と、猫背気味に肩が丸まっている状態。
前者には多く光が当たりますが、後者は身体の中心部〜外側にかけて影が生まれてしまいます。
しかも猫背の人は、背中が丸まり顔が前に出ている状態なので、実際の自分以上に顔が大きく見えてしまうという弊害も…!!!
写真における小顔対策は、美顔ローラーではありません。
良い姿勢を取ることだと覚えておいてください笑。
肌色を多く見せるために、髪を左右どちらか耳にかけてみたり、顔や身体を少し横に傾けてみたり。
白と黒のバランスを意識するだけで、あなたの印象は大きく変わります。
3.目元、口元を操る。
ここまで読み進めてきた貴方は、自分の顔についてかなり詳しくなってきたはず。
最後の技術は、上の二つに華を添えるための、言わば仕上げの技術です。
私は撮影の時によく、「目尻とほっぺた揉んでみて〜」とアドバイスすることがあります。
何故かというと、人間の緊張が最も現れる顔の部位が、目と頬だからです。
顔がひきつる、目が死ぬ、なんて表現を聞いたことがある人は多いと思いますが、これらの多くは、頬や目に不自然に力が入っていることが原因で起こるものです。
確かに、普段馴染みのない大きなカメラに向かって、慣れない撮影という非日常の時間を過ごすわけですから、緊張しないという方が難しいでしょう笑。
ただ、その緊張は、比較的簡単に隠すことができます。
目尻や頬を手で揉むことで、不自然に力の入った部分をほぐし、柔らかい表情に見せることができるのです。
これは、普段笑うことが少ない人ほど効果的な技術で、
「こんな所に筋肉があって、力が入るんだ…!」と自覚するだけでも、自分の力である程度コントロールがきくようになります。
表情が豊かな人は、目や頬の筋肉を普段から使って柔らかくしているので、様々な顔を作ることができるのです。
自分の周りの表情豊かな人を観察してみると、新しい発見があるかもしれませんよ…?
お気に入りの角度、白と黒のバランス、そして緊張の取れた表情。
この3つが揃えば貴方も見事、”写真うつり素人”を卒業です…!!
この技術の証明は、貴方自身で。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
このnoteを書こうと思ったきっかけは、
ポートレートを撮り始めて一年が経ち、色々なタイプの人を撮影させてもらう中で、「自分に自信がないけど、写真に憧れがあったんです。」と話してくれる方が、想像以上に多かったことです。
「撮影前は緊張してどうなるかと思っていたのですが、もーりーさんに撮られてるうちに忘れてました笑。」
「いつの間にか普通に笑ってました…!本当に楽しかったです!」
撮影終わりにこんな言葉を貰った時は、
「カメラマンやってて良かった…」と、心からそう思います。
写真は、何かの記念日や、イベントのためだけのものじゃなくて。
もっと、身近に、日常の中にあっていいものだと私は思います。
「あ、そういえばこの時こんな顔してたな…」
「なんでこんな顔してたんだっけ…?」
ふと見返した時に、会話や日常の記憶がこぼれるような。
そんな写真を皆に残してほしいなと思うのが、私が写真を撮る理由のひとつです。
もし、自分の写真うつりに自信がなくて、
それでも、「ちょっと撮られてみたいな…」
そんな風に思っている人がいたのなら。
「note読んだんですけど…」
そんな枕詞と共に、私にメッセしてみてください。
あなたが輝くキメ角度を、一緒に探しましょう。
読んで頂き、ありがとうございました。
サポート代は全額写真の勉強代に当てさせてもらいます…!