見出し画像

ちょっと悪いことをする卒業式

昼に外出たときに、卒業式帰りの高校生たちを見かけて、また短い物語を書いてみました。もちろん架空の話ですが、ちょっとだけ願いを込めて。


高校時代の思い出が無いという大人が増え、高校の思い出を印象的にしようと「卒業式はちょっと悪いことしてOK」法案が可決された。

卒業生たちは思い出の校舎の窓ガラス壊して回ったり、もう着くことのない自分の机に下ネタを掘ったり、打ち上げで酒を飲んで記憶を失ったりし、その思い出を人生で長らく語り合った。

当初は「めちゃくちゃなことになったらどうするんだ」との意見が多かったがそうならなかった。卒業式という特別な一日がみんなに良識を与えたのかもしれないし、本当にやっちゃダメなことをしたい人は「むしろやって」と言われてモチベーションを失ったのかもしれない。

最近では悪いことが節度を超えた例も報告されているが、それ以上に「ちょっと」の範囲を超えて逆に良いことをしている例が多く、この傾向は皆と逆をしたがる不良に多く見られる。関東の有名不良グループは、全国で割られた窓ガラスを集めてアフリカに学校をつくったらしい。

友との時間が少なかった今年。卒業生たちがこれからの人生の糧となる思い出ができることを願う。


最後に、大好きな合唱、旅立ちの日に、を貼っておく。

何回旅立てばこんないい歌つくれるんやっていう。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?