『brother』渡辺大知監督【在宅映画制作 LINER NOTES #24】
ピザとコーヒーと缶ビール、そして2つのリズムのベーシック・トラックが織りなす、翻訳小説のような味わい深い一品。在宅映画制作に参加した監督たちは皆、自宅で自問自答をする日々だっただろう。自分自身を営んだこの場所から、一体何を表現することが出来るのだろうか?その自分との対話の作業は、どこが自分を冷静に客観視することに近かったのかもしれない。渡辺大知監督の在宅制作映画『brother』は、そんな監督たちの特異な経験を、代弁するかのように鮮やかに描き出し、軽妙に掬い取る気持ちの良い作