『HOME』 森ガキ侑大監督【在宅映画制作 LINER NOTES #20】
半径数mの擬人化の果てに立ち上がるホームドラマは、転じて自己内省の憂いを帯びるか?
親しみやすい映像に、CMディレクターとしての出自がキラリと光る、森ガキ侑大監督のシャープな在宅制作映画の登場だ。私たちは、家の中で所有者について感情を抱くのは、おもちゃだけだと思い込んでいたが(名付けてトイストーリーシンドローム)、森ガキ監督が描く世界は、家具にも、靴にも、壁の壁画にも、それぞれ彼らなりの思いがたっぷりある。外出自粛期間という急な日常の変更により、彼らの憎悪はたっぷり溜まっている。その一言一言が軽妙で実に楽しい。しかし、そんな中、ひとり沈黙を貫く置物の少女がいる。これからの世界は、彼女の意見に耳を傾けるところから、始めるべきなのかもしれない。
Postscript #20 森ガキ侑大監督
・今回の作品の着想は?
家の中で本当に制限のある中で動画を撮影しようとしたときに。
無人島に自分が携帯だけ持って映画を撮影するとしたらどうするのかなと
思ったときに家にあるものをキャラクター化してそのままiPhoneで撮影したら面白いのかなと思ってこのアイディアにいたりました。トムハンクス主演のキャスト・アウエイの映画のボールと友達になり、ボールへの感情移入が高まっていくのを覚えていて。モノのとりかたや、キャラクター構築、台詞で愛着がわくと思っています。
・撮影時のエピソードや裏話を教えてください。
とにかく、どんなものを撮影するとキャラクターがいかせるのかを考えながらいろいろと部屋の中を撮影しているときにそのキャラクター化できそうなものを選びながら撮影するのが難しかった。
・今回の作品を制作して実感したことは?
ものづくりの環境は制限ある中からつくると新たな発見があることを実感した。
・作品をご覧になった人にメッセージをお願いします。
短いですね。いっきに勢いでつくりました
楽しんでいただければ。
『HOME』
監督 / 森ガキ侑大
キャスト(声)
板橋駿谷
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