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『はじめてのお仕事』 前野朋哉監督【在宅映画制作 LINER NOTES #18】

前野朋哉とは、良心の呵責を顔の面にたたえ、手紙を書きつむぐ動体である。

前野朋哉という男は、どこまでピュアで、優しくて、真っすぐで、親しみやすく、可愛いのだろうか。しかし、その監督作をつぶさに見れば、目立った症状ではないのだが、心のどこかに何やら危うさを抱えているであろうことも、想像に難しくない。(しっかりと診断するには、相当高度な技術の精密検査が必要かもしれない!)今回の前野監督の在宅制作映画でも、その兆候はしっかりと確認できる。どこまでを自覚しているのだろうか。しかし、毎度観客は、彼がこちら側に踏み止まる様子を見て、そっと安堵する。奥さんと自宅で撮影したという愛らしい制作背景に心が和みつつも、あちら側に導かれは首の皮一枚で持ちこたえる前野朋哉のタイトロープ・ダンシングに、これからも目が離せない。

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Postscript #18 前野朋哉監督

前野

・今回の作品の着想は?

機材もなく、人脈もなく、編集するパソコンもなく、どうしたもんかな…と思っていましたが。
ナレーションベースなら撮れるかも!?と思いついたのが取っ掛かりです。
あとは自分の出演した『フルーツ宅配便』『SCAMS』の影響がありまして、
「手紙」「詐欺」というキーワードで話が出来ないか考えていきました。

・撮影時のエピソードや裏話を教えてください。

子供が2人いまして、撮影は子供が寝ている時にしか出来ないと思っていました。
朝4時から準備して、妻にiPhoneで撮影して貰いましたが、早ければ6時頃に子供が起きて来るので、ドキドキしてやりました。
それでも1カット撮り直したくて、子供が起きてる日中に撮影しました。当たり前ですが声出したり、物音を立てて、15テイクくらいやりました。
子供たちは撮影に参加出来た気分で楽しかったそうです。

・今回の作品を制作して実感したことは?

今の仕事、俳優業や監督業を続けられなくなるんじゃないか…という不安から、詐欺をやろうとする話ですが、やっぱり俺にゃ今の仕事しかねぇよ!と自分に言い聞かせています。

・ 在宅映画制作を通して、これからの映画制作に活かせそうなことだと思ったことは?

iPhoneで編集出来たのはいい経験になりました。が、
やっぱり誰かと、何人かと、沢山と、みんなと、映画を撮りたいと思いました。

・作品をご覧になった人にメッセージをお願いします。

どんな状況でも何とか誠実に生きていきたいです。
もし観て貰って少しでも気晴らしになれば嬉しいです。


『はじめてのお仕事』

監督・出演 / 前野朋哉

#SHINPA #在宅映画制作 #前野朋哉

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