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助けてほしいのに助けている

昨日、夫が39度の熱を出した。病院に行き、インフルだとわかった。
基礎体力がありタフな人なので、結婚してから夫が病気になるのは初めてだった。
幸い私はピンピンしていたので、生まれて初めて人の看病というものをした。

看病といってもたいしたことはできない。
朝一で薬局に行き抗原検査キットを買い、スーパーでゼリーだのアイスだのカップスープだのを買い込んだ。

夫はほとんどずっと寝ている。時折起きてくるのでグリーンダカラを飲ませ、なにか食べられそうなものはあるか聞き、用意して食べてもらう。それだけだ。

本当は野菜スープだとかおじやだとか、食べやすいものを作ってあげられればいいのにと思う。しかし、夫が何をどれくらい食べたいかがそのときにならないとわからないので、聞いてから作ると待たせてしまうし、余っても面倒くさい。結局、カップスープとゼリーと、もらいもののぶどうばかり食べさせた。

今日も熱は38度台。看病は続いている。
9時になったらスーパーが開く。夫がまた食べたいと言ったみかんゼリーと、おいしそうに食べていたスープパスタと、切らしてしまったカップスープ、それから、私もインフルになったときのための食糧を買い込みにいかなければならない。

看病は退屈である。ほとんど寝ていて、いつ起きてくるかわからない病人を、ひとりでずっと待っていないといけない。
朝からBUMPのライブBlu-rayを流して、熱いコーヒーを飲みながらキーボードを叩いている。


最近、心がバランスを崩している感じがする。苛立ってかんしゃくを起こしたように怒鳴り散らしてしまったり、突然大声で泣きだしたりする。
低用量ピルを飲み始めて一週間経つので、ホルモンバランスの乱れなのかもしれない。考えてみれば、母の更年期障害のときとよく似た症状である。

誰か助けてほしい。そばにいてほしい。手を握ってほしい。
そう思っているのに、頼みの綱は病に伏せている。大丈夫だよと背中をさすってあげるのは私の役目である。
なんで、と思ってしまうのは悪いことだろうか。人の面倒を見る余裕なんかない。助けて。そばにいて。優しくして。安心させて。そんな人はどこにもいない。私が頑張るしかない。苦しい。

他の誰にもわからない苦しさを抱えながら、今日もなんとか息をしている。


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