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精神疾患者(軽度)かく語りき

私は軽度の精神疾患を持っている。
日常生活は送れるが、そのためにはたくさんの薬が必要である。
精神科の薬は一度に何ヶ月分も出してはいけないという決まりがあるらしく、私は2週間か3週間に一度、定期的に病院に通っている。

数ヶ月前までは、いつも行く平日の昼間はがら空きで、病院と薬局合わせて30分で終わってしまうくらいだったのだが、最近病院がやたら混んでいる。春は苦しい季節なのだろうか。

精神科の患者の多い薬局でバイトしている私が精神科に通っているのは、なんともおかしなことである。

職場には、病気のことは話していない。主治医に、「人の命に関わるような仕事でない限り、言う必要はない」と言われたからだ。
実際、いまの職場で働き始めてから4ヶ月、精神疾患が原因で休んだり遅刻したりしたことは一度もない。

理解のある職場なら話した方が楽だなぁとは思うのだが、以前上長に
「あなたは体調不良のことが多いよね。前、採用されたいがために持病を隠して面接を受けた人がいたんだけど、うちに合わなくて結局辞めてもらったんだよね」
と言われ、お前も病気を隠しているなら辞めさせるぞと暗に脅されたので、絶対に言うまいと思った。

私が職場に迷惑をかけた体調不良は、低血圧ゆえの立ちくらみなど、本当に精神疾患と関係のないことばかりではあったが、余計なことは言わないに限る。

そもそも病気を理由に不採用にするのは法律違反なので(主治医もそう言っている)、薬局ともあろう場所でそんな行為がまかり通っているのは嫌な世の中だなぁと思う。

今までも、バイトの面接で書かされる書類に「現在治療中の病気はありますか」という欄があることは多く、生真面目に病名を書くと、「それはどういう病気ですか」「その病気を原因にバイトを休む可能性はありますか」と聞かれ、必ず不採用にされた。

嫌な世の中である。

私だって好きで病気になったわけではないし、私が精神を壊す原因を作った人々はまともに就職してのうのうと生きている。

そもそも、精神科やメンタルクリニック、心療内科と呼ばれる病院がどこも予約でいっぱいのこの世の中、精神疾患を持っている人間を一人も働かせなかったら社会が回らないと思うのだが、その辺どうなんだろう。

元気な人も、いつ交通事故にあって身体障害者になるかわからないように、どんな人も、いつ何時精神疾患を患ってもおかしくないのである。
昨今LGBTへの配慮が叫ばれているが、それも大事だけれど精神疾患者への偏見もなくしていきませんか、と私は思う。大変生きにくい。特に、病気がある程度安定して社会に出たいと思ったときに、本当に苦しい。

いつもふわふわしたどうでもいいことばかり書いているのに、妙に真面目なことを訴えてしまった。ちょっと恥ずかしい。

職場の人や友達で普通に見える人も、明るい人も優しい人も、実は精神疾患を隠して必死に生きているかもしれないと、そういう想像力を自分も持って生きていきたいと思うところである。

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