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違うことが豊かな場をつくる | Noを受け入れるためにNoと言おう

断ることは悪いこと、失礼なことだと感じていませんか? 断るのが苦手、Noと言えないという人は、自分がNoと言われるのも嫌だと感じていることが多いそうです。わたし自身もそうなのですが、断られるとなんとなく自分を否定されたような気がして、心がぎゅっとなってしまいます。 

でも、人には様々な事情があります。
背の大きい人もいれば、小さい人もいます。
人種や国籍、生まれ育った環境も違います。
好きな食べ物、よく聞く音楽、趣味や特技も違います。

人は違うものだから、誰かの意見に対していつも全てがYesということはありえないですよね。それをYesと言い続けようとする、Yesと言い続けてほしいと望むのはおかしな話です。


Noが言えることは自分を大切にして、相手も大切にすることだと教えてくれたのは、ふくたにその子先生です。「Noが言える場つくり勉強会」という講座に参加し、Noが言える場=心理的安全性のある場について学びました。

「Noを受け入れるために、まずはNoと言えるようになる」

自分がNoと言えない(Noを悪いものと思っている)から、言われるのも嫌なんですね。だから、まずは自分がNoと言えるようになろう。Noを言うのは悪いことではないんだ、と認識を変えるところから講座は始まりました。

先生の話には本当に心の土台から揺さぶられ、無意識に力んでいた肩の力が抜けました。生きることが楽になり、心の健康に良い考え方ですので、少しでも伝わるようまとめていきます。

まずはコミュニケーションのタイプからです。


コミュニケーションのタイプ

コミュニケーションのタイプは生まれながらの性格ではなく、過去の習慣や環境によって作られたパターンです。条件反射なのでトレーニングすることで変えることができます。

コミュニケーションのパターンは3つあります。

1.アグレッシブ型(自己主張型)
・自分の気持ち > 相手の気持ち
・自分の主張を押し通したい
・人間関係のトラブルが起きる
・自分自身も不快な気分を引きずっている

好き勝手言っているのだから悩みなんてないだろうと思えますが、本心を語っているのではなく、ただ条件反射として言い過ぎてしまっているだけなので、実は後から悩むことが多いようです。


2.パッシブ型(非自己主張型)
・自分の気持ち < 相手の気持ち
・相手の主張を自分より優先したい
・不本意なことをしなくてはいけなくなる
・自分の中にストレスが溜まる

我慢していると気づかれないことが多いです。我慢の限界をむかえると突然アグレッシブ型に豹変し周りを驚かせることがあります。「そんなに嫌なら言ってくれれば良かったのに……」と言われます。


言いたいことを言えない自分。
言いたいことを言いすぎる自分。
真逆のようでいて、原因はどちらも同じ。言いたいことが素直に言えない。本心を言えていないという状況で培われてきた条件反射です。

相手も自分もWin-Winになる理想的なコミュニケーションはアサーティブ型と言われています。


3.アサーティブ型
・自分の気持ち と 相手の気持ちどちらも尊重している
・自分の考え方 と 相手の考え方が違うのは当たり前だと思っている
・相手の意向を聞き、歩み寄る
・自分の感情に気づき、柔軟に対応する

相手も自分も大切にし、我慢させず、我慢し過ぎず、対等な立場で対話をします。まずは自分の気持ちにしっかりと気づき、それを誠実に伝えることがアサーティブコミュニケーションの第一歩です。


但し、アサーティブコミュニケーションは「義務」ではなく「権利」です。ですので、今はもうこれ以上この人と話したくないと感じたら、歩み寄るのを止めて良いんです。無理に対話を続けようとするとアグレッシブ型やパッシブ型のコミュニケーションに傾いてきてしまうので、対話をしないという選択をすることも大切です。

「言いたいのに、言えない自分」から
「言えるけど、言わない自分」へ。

Noと言える。
けれど、言わないという選択もできる。
それがアサーティブです。



受け方、断り方の参考例

突然ですが、質問です。
あなたはダイエットしたいので昼ごはんは軽いもので済ませようと思っています。そこへ仲の良い同僚Aさんからランチに誘われました。
「私もこれからお昼なんだけど、新しくできたレストラン行ってみない?」

行きますか? 行きませんか?

続けて次のように言われたらどうでしょう。
「ちょっと相談したいことがあるんだけど、食べながらでいいから聞いてもらえる?」

仲の良い同僚からの相談だったら聞いてあげたい気もします。でもダイエットが……。心の中で天秤がぐらぐら揺れますね。他にも、実はお弁当を持ってきているだとか、レストランが和食なのか中華なのかなど、いろいろな要素で天秤は揺れ続けます。


こんなとき、まず大切なのは、その時の自分の感情の動きに気づくことです。自分の気持ちに気づくことは、自分を大切にすることです。

次に相手の意向を聞きます。先ほどの例だとランチに誘っている理由ですね。ちょうど仕事が一段落したあなたを見かけて、たまたま声をかけてきたのか、もっと深い理由があるのか。相手の気持ちも大切です。

その上で、どうするのかを決めて、伝えます。


■受ける場合
気持ちよく受ける+自分の葛藤も伝える


「誘ってくれて、ありがとう! ダイエット中だから迷ったけど、Aさんが話したいことがあるなら聞くよ」

葛藤したことを伝えることで、自分が我慢したという気持ちを抑えずに済みます。ここを抑え込み続けると、いつも自分だけが我慢していると不満を感じるようになってしまうので、我慢が溜まる前に出してしまった方が良いです。

Aさんもあなたの事情を知ることができるので、だったら食べるのは新しくできたレストランじゃなくて、もっとヘルシーなところにしようか? と提案するなど、お互いに歩み寄っていくことができます。


■断る場合
きっぱり断る+代替え案

「今、減量期だからごめん! 外食は控えているの。MTGスペースを取るからそこで話を聞かせてもらえるかな?」

断るだけではなく代替案を出すことで、相手の気持ちも尊重したコミュニケーションになります。相手にも拒否しているわけではないと伝わるので、お互いに歩み寄った対話を続けることができます。

日常的な小さなことや、比較的話しやすい相手からのスタートでOKです。自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを聞くことを意識してみてください。息の詰まりそうなコミュニケーションにも清々しい風が吹き込んできます。



違うことが豊かな場をつくる

そもそも何でNoと言えないのでしょうか。
Noが言えない理由は概ね以下の3つだそうです。1.嫌われるかもしれない
2.空気が悪くなるかもしれない
3.迷惑がかかるかもしれない

でも、そう考えているのはあなたで、実際に相手がどう感じるかは分からないですよね。いやいや、絶対に空気悪くなっちゃうよ! って思うかもしれません。同時に、だって実際あのときそうだったものというフレーズが出てきませんか? Noと言ったら空気が悪くなってしまったという経験をされたから、そう考えるのですよね。

コミュニケーションは習慣や記憶など、過去の積み重ねで作られたパターン(条件反射)です。ですので、あなたの過去においてそれは、「空気が悪くなる行動」であったかもしれませんが、今回も同じとは限りません。


例えば、よく日本人はYes、Noを明確にせず曖昧な態度を取るので、外国の方には分かり辛いと言われます。コミュニティが変わると感覚や共通認識も変わります。日本と海外は極端な例ですが、同じすれ違いは小さく日々あちこちで起きています。

Noと言えないと感じている場合、あなたのいたコミュニティが言いたいことを言わせてくれないコミュニティだった可能性もあります。同じことでも別のコミュニティでは受け入れてくれるかもしれません。


「当たり前だ」
「当然こうに決まっている」
「それはおかしい。それは違う」
「もっと勉強しろ」
「……(冷笑)」

リーダーがこれらの言葉をよく使っているコミュニティには、言いたいことが言えない空気が満ちてしまいます。

一方、自分の気持ちを言いやすい場、心理的安全性の高いコミュニティは次のようなところです。

・話しやすい雰囲気がある
・しっかり聴いてくれる人がいる
・攻撃されない場
・評価(ジャッジ)されない場

例えば、「当たり前だ」と言うことを禁止し、その代わり発言するときは「私は――」と主語をつけて話すようにする、というルールを設けると心理的安全性が高くなります。

リーダーの意見に対しNoを唱えるというのは、悪いことのように思われがちですが、そうとは限らないんですね。「Yes」としか言ってもらえない関係性より、「No」とも言ってもらえる関係性の方が、実は心理的安全性がある健全な状態です。(ただ反抗したいという場合などは別ですが)


「No」が言えると自己肯定感が生まれます。異なることが豊かさを生み、互いの理解が深まれば、新たな発想が生まれます。そして、その気づきが能動的な行動を生み出します。

人は教えられたことより、自分で気づいたことの方が行動に繋がりやすいそうです。リーダーになった際は、メンバーがNoと言えているか。言いたいことが言えているか。気を配ってあげることが必要ですね。



最後に

人は一人ひとり違うものだとは聞きますが、一人ひとり違うからこそ良いのだと教えていただいたのは初めてです。

同じ方が心地良いかもしれません。
同じ方が安心するかもしれません。
大きな違いが無いから、「わたしたちは同じ」と勘違いしてしまうかもしれません。

でも、人は違うものだから。
それは寂しいことではなく、豊かなことなんですよね。

アサーティブコミュニケーションは職場だけではなく、近しい存在だからこそ家庭の中でも必要なものだと感じました。同一になるのではなく、自分も相手も大切にするからこその線引きが必要なんですね。本当にとても大きな学びです。


心も体も健康になる、ふくたにその子先生の講座はストアカでも受講ができます。心理的安全性といったよく耳にする言葉でも、ふくたに先生が話すと
生きた言葉となって伝わってくるので、心の在り方を見つめ直すことができます。入門編は1000円で受講できるので、最初の一歩におススメです!


今回の講座も東京コミュ塾のグループレッスンの一環でした。多様な先生をいつもどこからか連れて来てくださるコミュ力おばけJIN先生にはいつも感謝です。楽しみながらコミュ力をすくすく育てていきたい方、ぜひリンク先を覗いてみてくださいね。


それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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