藤野忍(ふじの)

ふじのしのぶです。小説が好き ふじのって呼んでください 勉強垢?⇒serumaria0…

藤野忍(ふじの)

ふじのしのぶです。小説が好き ふじのって呼んでください 勉強垢?⇒serumaria0706

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  • 私の高校受験

    不合格だった高校受験についてまとめてます。結構病んでます。未来の高校受験生のために。

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    自作小説、悲しいメトロノームです。 いわゆる年の差百合

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【不合格体験記】高校受験で不合格だった話【偏差値36が偏差値67の県立高校に憧れ続けた2年間】

 こんばんは。  悲しいメトロノームも久しぶりに投稿できましたので、たまには自分のことも書こうかと。悲しいメトロノームの更新をお休みしていた理由は、受験勉強に専念するためでした。   まあ、その受験はタイトル通りダメだったのですけれどね。  もう合格発表から3週間。実はまだ受け入れられていませんが、心の整理をつけるために記事を書いてみることにします。 ※長いです 小学6年生 この時は意外にも勉強に対して意欲がありました。塾にも通っていましたし。  そしてなぜかこのころ、

    • 受験に落ちてから

       受験に落ちてよかったのか、わかりません。  悪いことばっかりではなかったのは確かです。多分ね。  今でも涙が溢れてくることがあります。あの、不合格体験記の記事を読みながら、よく泣いています。ところで今日から夏休みなのですが、実感はありません。夏期講習はあるし、週五は部活だし(これは嬉しい)、勉強合宿もあるし。というか、六月下旬あたりから不登校なので。  なんだかんだ一学期を生き残ってしまいました。でもね、やっと私はこの高校に来た意味がわかったんです。  恋人ができたんで

      • 月の下で香るモクセイ 第9話

        『本来なら死刑となるところを、置かれていた家庭環境と犯行動機から情状酌量され、無期懲役となった。このニュースは全国で大々的に報じられ、私にはたくさんの罵詈雑言が浴びせられた。やはり、すべては自分に返ってくるのだ。また、心中をしようとして、私だけ未遂に終わって逮捕されたという少々変わった事件性から、この事件を創作に使うものも現れ、なんなら映画化もされるらしい。でも、同情の声も少なからずあった。私の家庭環境についても報じられたからだ。それでも私は、やっぱりあの時、両親を殺しておく

        • 月の下で香るモクセイ 第8話

           気づけば、隣の隣の県の田舎に来ていた。海のよく見える、穏やかな街だった。無人の改札をくぐって外に出ると、恵比寿には吹かない風が私たちを出迎えた。  もう日が暮れ始めている。その街の海岸は、断崖絶壁のすぐ下に大海原が広がっていた。夕日に染められて、美しく色づいた海。その色を永久に忘れたくないと思いながら、私は地面に座り込む。  崖に腰かけて、足を海風にさらす万里。彼女はすでに、すべてが終わることを悟っていた。  今日の万里は、いつものブラックコーデではなかった。真っ白なワンピ

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          月の下で香るモクセイ 第7話

          夜の都会を歩く。今日は熱帯夜ではなかった。涼しい風が二人の頬を撫でる。  あの後、万里さんにも指輪をはめてもらった。華やかになった右手の薬指。万里さんにも同じものがついていると思うと、やっぱり恥ずかしい。 「いやあ、いい誕生日だなあ!」  万里さんはそう言いながらスキップする。私はここで大事なことを思い出した。そもそも、この指輪だって本当は誕生日プレゼントだったはずなのに。 「あ、お誕生日おめでとうございます……」 「え?! まさか忘れてたの?!」 「告白のことで頭がいっぱい

          月の下で香るモクセイ 第7話

          月の下で香るモクセイ 第6話

           八月二十二日。あれから特に進展はなく、いつも通りに店を手伝っていた。掃除をして、接客をする。特に変わらない業務をこなす。よく考えれば、人生なんてこんなことの繰り返しなのだと思う。毎朝同じ電車に乗り、何も考えずに変わらない業務をこなし、同じ時間に大体同じものを食べて、また変わらない業務をして、同じ電車に乗って帰る。尤も私は電車通勤ではなかったが。  そんな人生でも、誰かが色を付けてくれていたのは確かである。前の私だったら、それは子供たちだった。彼らの笑顔を見ればなんでもできる

          月の下で香るモクセイ 第6話

          月の下で香るモクセイ 第5話

           充電が百パーセントになっているスマホ。さっきLINEを交換してもらったのだ。名前は「宮崎万里」で、誕生日は八月二十九日。今日は、八月十三日。万里さんからのお給料で、何かしらの誕生日プレゼントは買えるのかもしれない。尤も、それまでここにいられればの話ではあるが。  隣でスヤスヤと寝息を立てる万里さんが美しい。疲れたのだろう。いつもは私の方が早く眠りについてしまうから、初めて見る寝顔。私はそれに夢中になっていた。  私は彼女の手を取ってみる。美容師というだけあって、爪は短く整え

          月の下で香るモクセイ 第5話

          月の下で香るモクセイ 第4話

           ずいぶんと長く眠っていた気がする。 ゆっくりと眠れたことに対する幸せを味わう。もう聖也と聖奈の夜泣きに起こされることもなければ、早く起きて子供たちの世話をする必要もない。   とっても嬉しいはずなのに、私の罪の重さを再認識する。  窓から入り込んでいる朝陽は柔らかく、私の人生においてはじめての優しい朝を演出していた。  太陽に優しく笑いかけながら、私は自分の身を起こす。  体の重さは消えていて、フワフワと身が軽い。やはり休養とは人間にとって大切なことだったのだ。  万里さん

          月の下で香るモクセイ 第4話

          月の下で香るモクセイ 第3話

           十八時。夕暮れの街を歩いてアパートへと帰る。  共用部分の廊下に入り、私たちの部屋のドアが開け放たれているのが見えた。中からは鈍い物音がする。  嫌な予感がし、私は走って部屋に飛び込む。 「姉ちゃん……」  ダイニングに倒れこんでいる日向。そして彼を痛めつける大柄の男……私の父親。  どうやら夏美と双子は避難済みらしい。ということは、日向が父親の暴力を受け止めてくれているのだ。  私の存在に気付いた父親は、こっちにものすごい勢いで近づいてくる。そして私の腹部を蹴り上げた。床

          月の下で香るモクセイ 第3話

          月の下で香るモクセイ 第2話

          「大型免許を取ってみないか?」  喜多川課長にそう持ち掛けられたのは、ある日の昼休み。営業所での休憩室でコッペパンをかじっていると、愛妻弁当を持った課長が隣に座ってきた。よく「うちのカミさんが作ってくれてるんだぞ」と自慢している。 「大型免許ですか」  最近考えていたことなので、タイムリーだなと思いつつも、私は食べかけのコッペパンを置き、課長の方を向く。 「ああ。阪東は優秀だからな。取得したら、手取りは二万五千円上げられるかもしれない」 「二万五千円ですか?!」  私は思わず

          月の下で香るモクセイ 第2話

          月の下で香るモクセイ 第1話【創作大賞2024参加作品】

          あらすじ 阪東花澄は、両親の虐待から逃れるため、四人の幼い弟や妹を抱えて懸命に働く19歳。だが両親は花澄から金銭搾取をし、弟や妹に暴力をふるい続ける。花澄は、母親の浮気相手と肉体関係まで持ってしまった。ある日、何とか隠しておいた大金までも父親に奪われ、働く気力をなくした花澄は、弟や妹と心中しようとする。だが花澄だけは恐怖で死ねず、ただの殺人犯となってしまった。彼女が逃げ出した先の恵比寿で、宮崎万里という美容師の女性と出会い、そして二人は危険な恋に堕ちていく。 https:/

          月の下で香るモクセイ 第1話【創作大賞2024参加作品】

          【不合格】もう合格発表から一か月経つらしい

           こんにちは。  本日、3月27日。あの運命の日、2月28日からもう1か月が経とうとしています。1か月前の自分に何か言うとすれば、「希望を持つのはやめなさい」ですかね。発表直前まで、どこかで「絶対受かるよね」って思ってましたから。  あれから、中身のない日常を送ってきました。私にとって、すべての目標はK高校でした(詳しくはトップの不合格体験記参照)。挽回して大学受験で頑張るぞ! って単語帳を何回か開きましたが、「こんなことやっても、K高校に行くという願いは叶うことはない、

          【不合格】もう合格発表から一か月経つらしい

          悲しいメトロノーム 第6話

           こんなに広いお店、初めて見た。  田舎のスーパーで価値観がストップしている私にとって、そこは謎の組織のアジトかと錯覚しそうになった。 「豊洲ってこんなところなんですね……」  あれから私は紫苑さんにメイクを施され、綺麗な白いワンピースを着せられ、髪を巻かれた。魔法にかかったかのように心がわくわくする。 「うん。私は丸の内の方が好きだけどね。まああそこは千代田区だし」  ガラス張りの天井から差し込む夕焼けに圧巻しながら、長い長いエスカレーターに乗る。辺りを歩く人はお洒落な人ば

          悲しいメトロノーム 第6話

          今週は『悲しいメトロノーム』更新お休みします。申し訳ありません。

          今週は『悲しいメトロノーム』更新お休みします。申し訳ありません。

          悲しいメトロノーム 第5話

           目覚めた時には、既に空は赤く染っていた。  一瞬朝焼けなのかとも思ったか、iPhoneの待受がそうでは無いことを残酷に知らせる。 「16時……」  紫苑さんは既にそこにはおらず、華やいだ匂いだけをそこに残していた。そういえば私は彼女の連絡先を知らない。後で聞いておこう。  リビングに出ると、紫苑さんがいた。 「おはよう」  春の陽だまりのような笑顔の彼女に、私は微笑み返す。でも私が笑っても梅雨の曇り空しか広がらない。 「おはようございます」  紫苑さんは立ち上がり、キッチン

          悲しいメトロノーム 第5話

          悲しいメトロノーム 第4話

           紫苑さんが眠りについた。か細い寝息がこちらに伝わる。  私は流石に申し訳なくなったので、彼女の腕枕から頭を外す。そして彼女の手を持ち上げて、腹の上に置く。彼女の寝息とともに上下する。ふくよかな胸の割には引き締まった腹部。  眠れないのでベッドから出て、大きな窓から外を見つめることにした。タワーマンションの乱立する港区。勝ち組たちの住まう場所。紫苑さんのような人々がたくさん住んでいて、彼ら彼女らが子供を作って、そしてその子供もまた勝ち組になる。  やっぱりこんな田舎者が来てい

          悲しいメトロノーム 第4話