月の下で香るモクセイ 第9話
『本来なら死刑となるところを、置かれていた家庭環境と犯行動機から情状酌量され、無期懲役となった。このニュースは全国で大々的に報じられ、私にはたくさんの罵詈雑言が浴びせられた。やはり、すべては自分に返ってくるのだ。また、心中をしようとして、私だけ未遂に終わって逮捕されたという少々変わった事件性から、この事件を創作に使うものも現れ、なんなら映画化もされるらしい。でも、同情の声も少なからずあった。私の家庭環境についても報じられたからだ。それでも私は、やっぱりあの時、両親を殺しておく