悲しいメトロノーム 第1話
首都高から見える東京の夜景は、どこか寂しげに見えた。隣県の郊外に住んでいた私にとってそこはまさしく都であったが、実際にこうして見てみるとこんなもんか、と落胆する。煌びやかな光からは、感情を感じることができない。
数少ない暖色の東京タワーでさえどこか冷たさを感じる。そう言えば、10年くらい前の地震のアニメであれが倒れていたっけ。今はあんなに、我こそが東京の象徴とでも言いたげに輝いて見えるのに。
私との対比のように思えてきて、闇に包まれた芝公園に目を落とす。すると運転席の名