物語「星のシナリオ」 -14-
「現実の世界で体験を楽しむために、みんなそれぞれの設定を決めて生まれていくんだ。それは単なる個性というか、仮の設定でしかないんだ。なのにそのこと自体を忘れているから、いつの間にかその設定の優劣を競い始めたり、どの設定が正しいのかって人と比べ始めたりする」
「そうやって勝手に複雑にしてるってこと?」
「複雑にして、本来の目的を忘れすぎてる。このところあまりにも傾き過ぎていたから、それで月の女神たちが人間として降りて行ってるんだ」
「ボクのおばあちゃんもだね?」
「そう」